
【Leica】What is Leica Looks? Q3+Leica Monochrom Natural編
Leica SL3やQ3に搭載された最先端のイメージプロセッサー「Maestro IV」では、画像処理の高速化や低ノイズに寄与し、Leica独自の色再現性を実現しています。
そして、Maestro IVでは新たな機能として撮影者の好みに応じて変更可能なカラープリセット「Leica Essential Looks」が使用できるようになりました。
この連載では、カメラにプリインストールされている「Leica Core Looks」と新たにインストール可能な「Leica Essential Looks」、
それぞれ独自のカラールックを持つLeica Looksに焦点を当てその魅力に迫っていきます。どうぞお楽しみください!
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Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f6.3,-0.3補正,ISO160)
今回選んだLeica Looksは、”Core Looks”から「Leica Monochrom Natural – BW+NAT」です。
デジタルライカでは古くから搭載されているルック、愛用されている方も多いことでしょう。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f8,-0.3補正,ISO100)
丸の内での撮影。手前から奥のビルまで、6000万画素の高精細な写りによりディテールが緻密に再現されています。
Leica Q3(Leica Monochrom High Contrast,28mm,f8,-0.3補正,ISO100)
同じ場所で、Monochrom High Contrastに切り替え撮影してみました。
露出は同じなのですが、画面がより暗く感じられます。
コントラストを上げると黒白が強調されますが、今回曇りの日の撮影のため黒がより勝った形になりました。
ビルの側面や両サイドの樹々を見ていただければわかりやすいかと。
これはこれでドラマチックな印象を得られますが、樹々が塗りつぶされたようになり重たく感じられます。
Monochrom Naturalの方が、細かな葉のグラデーションが描写されていて、より緻密な印象を受けます。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f1.7,ISO100)
しゃがみこんで背面液晶をチルトさせての撮影。
モノクロ撮影の時は、ついこのような道端の雑草にも目を向けてしまいます。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f8,ISO125)
眼で見た限りでは空全体が薄い灰色一色に覆われている感じでしたが、写真で見ると雲にこれだけの濃淡が。
視覚を超え、より印象的な描写をしてくれました。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f2.2,-0.6補正,ISO200)
こういうドキュメンタリー風もモノクロ撮影ならでは。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f5.6,-1補正,ISO6400)
ISO感度を6400まで引き上げての撮影。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f4,ISO100)
ところ変わって、港区の歴史ある建造物を。この日もあいにくの曇り空、通常のカラーモードでは暗く沈んだ色味の平板な画となってしまいそうですが、モノクロモードならこんな感じ。
建物も手前の巨木もグラデーション豊かに表現された分、ディテールが強調され重厚な存在感があります。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f5.6,-1補正,ISO1600)
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f7.1,-1補正,ISO1600)
建物内かつて講義室として使用されていた大講堂。とても意匠を凝らした造りでした。
Monochrom Naturalにすることで、余分な色味が省略され整然とした雰囲気を出せました。
Q3に限らずですが、Monochrom Naturalモード使用時カメラのオート露出で撮影すると、見た感じよりかなり明るめに写ることが多くあります。
ので、日頃から少しマイナス補正をかけるようにしています。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f4.5,-0.6補正,ISO1600)
しゃがみこんで少し寄っての撮影。
マクロモードに切り替えなくても最短30cmまで寄れるので、ファインダーから目を離し背面液晶の画面で構図を確認しながら撮影しました。
金属や木、布地の質感が変に強調されることなく、あるままの感じで表現出来ました。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f5.6,-0.6補正,ISO500)
展示されていたステンドグラスを同じく寄りで。
カラーモードでも撮影しましたが、表面の汚れが目立ち、ちょっと汚い印象に。
Monochrom Naturalにすることで、汚れも時を経てきた「味」に… というのは言い過ぎでしょうか…
豊かなトーンのおかげで、細かなところも飛んだり潰れたりせずに表されています。
Leica Q3(Leica Monochrom Natural,28mm,f4,ISO1600)
28mmでのスナップは、広がりがある分ともすると散漫な印象になりがちですが、モノクロにすることで色の情報が制限され主題を明確にしてくれる気がします。
モノクロモードは「色が無い」ように思われがちですが、Monochrom Naturalの白から黒にかけての階調の豊かさは、カラーモード以上に色を感じる瞬間があります。微妙なトーンにより繊細な美しさを引き出せるルックです。
晴れの日はついついカラーモードで被写体の色味を表現したくなりますが、あえてモノクロで色を省き主題を引き立てるのも楽しいものです。
また、今回のように曇天の空模様の時などは、モノクロモードがより威力を発揮するかと。これからの梅雨の時期に特におすすめ。
今回使用したQ3や兄弟機Q3 43にはまだありませんが、M型やQシリーズにはモノクロ撮影専用モデルも存在しています。
各世代で新たにモノクロ撮影専用のセンサーを開発し搭載した機体で、通常モデルのモノクロモードより高精細な画像が得られるとされています。
とはいえ、通常の撮影でモノクロだけに割り切るのはかなり勇気を要します。
「Leica Monochrom Natural – BW+NAT」は、より気軽にモノクロ撮影を楽しみたいという方には必須のルックです。