【LEICA愛】 積み重ねた年月
ライカの起源ともいえる試作機 “Ur Leica”(ウル・ライカ)
ライツ社に在籍していたオスカー・バルナックの手により、
この世に生み出されてから、今年でちょうど100年を迎える。
諸説はあるが、本来は映画用35mmフィルムのテスト撮影用に開発された試作機。
当時主流だった大型の乾板カメラに較べ、飛躍的に高まった可搬性。
そこに目を付けたエルンスト・ライツ二世により製品化が決定され、
Leitz Camera … “Leica”として、大海へ漕ぎ出すことになる。
“Leica”が用いる映画用フィルム2駒分を使った24x36mmという小さなフォーマットは、
それまで大型カメラを使用していた保守的な写真家達から、初めは敬遠こそされたが、
ライツ社の技術者、マックス・ベレクの生み出した数々のレンズも助力となり、
次第に確固たる地位を確立することになる。
35mm判フィルムを使用したスチルカメラの起源“Leica”は脈々と伝統を受け継ぎ、今日に至るわけだが、
バルナック型ライカからM型ライカへの転換…そして近年のデジタル化と、様々な紆余曲折を経てもなお、
カメラの代名詞として用いられるほどの知名度、“写真を撮るための道具”として圧倒的な存在感を保つ。
数あるカメラメーカーの中に身を置いても、変わらぬ孤高の存在。
反面、いつの時代においても価格的に手を出しにくいカメラでもある。
ライカに触ったことが無い・・・という貴方には、
是非一度、先入観を持たず、実際に手にとってみて欲しい。
何かと技術的には古くさい部分もあれど、
自分の手で触れてみて、使ってみないと判らない事もある。
思えば・・・私もライカと出会ってから6年。
ライカの歴史からすればとても短い年月だが、
積み重ねられた歴史に裏打ちされた確かな“重み”を手に感じながら…
共に過ごしてきた歳月は、自分にとってかけがえの無い歴史になったと思う。
傍らに携え、ここではない何処かへ。
これからも。
(写真・文責 R.Hirokawa)