Leica Boutique MapCamera Shinjuku は、2月20日にオープン8周年を迎えます。
これもひとえに、たくさんのお客様のご愛顧あってのこと。心より御礼を申し上げます。
さて、1年に1度のライカブティックにとって記念すべきこの2月。 8回目の今年は「ライカ恋慕」と、題しまして、マップカメラきってのライカ好きに、ただひたすらと「一人一人のライカ愛!」を語ってもらいます。
ライカはとにかく高価。
ライカは歴史が長くて敷居が高い。
ライカというだけでピント合わせるのも難しそう。
今はまだそう感じている方も多いのではないでしょうか。 確かに、価格や長い歴史、操作方法などは事実として変わることはないでしょう。
それでも数分後、このブログを読み終えた前と後では何かが違って見える、かもしれません。
様々なハイスペックカメラが世に溢れる今の時代に、ライカを愛し、使い続ける理由とはなんなのか。
十人十色の視点から愛でるライカ、さあ今回も紐解いてまいりましょう。
私の初めてのライカはM3でした。
はじめはLeica M5やMINOLTA CLEが欲しいと思っていました。少しマイナーな物の方が好きなタイプの人間です。
しかし、実際に手にしたのはこのM3。決め手はいくつかあります。
・M型ライカの原点であること。
・1954年製造だったこと。M3は1954年から製造がはじまりました。
・シャッターの感触が心地よかったこと。とても静かで驚きました。
なんといってもM型の最初のモデルであり、その後のカメラの礎となったという点は見逃せません。
ライカを使うなら一度はM3を通りたい!と思っていた矢先、1954年製造で、70から始まる面白いシリアルナンバーの個体と出会うことができました。
シリアルナンバーや初年度モデル、最終モデル、他にもバースイヤーライカというものがありますが、そういった特別なものをカメラに見出すと、カメラが自分の中で写真を撮る道具以上の存在になっていきます。
私にとってもこのM3は特別で、自分の一生を費やして真鍮の地金が出るくらい使い込んでいこうと思っています。
(初期の方はクロームが剥がれ真鍮が出てくるらしいです。どれくらい初期の話なのか分かりませんが、人生を通して証明できればと思いますので、あと数十年お待ちください。)
ちなみに露出計はVoigtlanderのVCメーターIIを使用しております。
ローレット加工の部分。細かな金属の加工ひとつひとつが美しいだけでなく、使いやすさに繋がっており、ライカがユーザーのことを考えて設計していたことが分かります。
また、初期型のM3だけが持つ特徴のひとつである、ガラス製のフィルム圧板。
後に銅に変更されますが、当時は巻き上げをバルナックのノブ式から、M3のレバー式への変更に伴い、金属製のものだと静電気によりフィルムが感光してしまうのではないかという懸念があり、それを防ぐ為に圧板はガラス製、巻き上げは2回に分割するようになっていました。
そういったバックボーンを学びつつも、黒光りする角張ったガラス製圧板が私は好きなのです。
続いては
デジタルのM-E
M-EはM9の色違いモデルです。USBポートとフレームセレクターが廃され、特別なカラーリングで(当時のM9と比べて)少しお値段控えめなカメラです。
様々な縁があり、気付くと清水の舞台から飛び降りていました。
M-EはM3と違い私が最初のオーナーです。当初はキズがついては凹んでいましたが、今では使い込んでいくことで、自分だけのライカが出来るのではと思い開き直っています。
幸い?大きな傷はまだありません。
緑もしくは青がかって見えるグレーで、ダイヤル類はシルバーという他のM型にはないカラーリングが特徴で、お気に入りポイントの一つです。
この色のおかげで、ブラック、シルバー他どの色のレンズもマッチします。
ライカレンズの多くはブラックとシルバーがあり、どちらの色を付けるか悩まれる方が非常に多いですが、このM-Eはどちらの色でもバッチリ決まります。
私はブラックのライカレンズを1本も所有していません。シルバーのオールドレンズフェチな私にはこれがとてもいいのです。
ちなみに隠れたオススメポイントとして、デジタルM型カメラの中でも屈指の軽量さを誇ります。
ライカは沼が深いといいますが、中でも50mm沼が深いと思います。
バルナック時代は50mmがメインだった為、種類豊富かつ、流通量も多く比較的手を出しやすい価格帯です。
気付くとご覧の通り50mmだらけになりました。他メーカーの50mmもまだあるという始末です。
さらにレンズが増えるとフードやフィルターといったアクセサリー沼にもはまっていきます…。
続いてはライカで撮影した写真をご覧ください。
Leica M-E + ズミクロンM50mm F2
古いレンズとは言え、その描写はあなどれません。
ライカの代名詞ともいえるズミクロンの名は伊達ではありません。
Leica M-E + ズミクロンM50mm F2 後期
なんとも言えない絶妙な色をライカは表現してくれます。
Leica M-E + ズミクロンM50mm F2 後期
同じレンズでも開放になると柔らかい印象です。こういった二面性を好んでオールドレンズを愛用しています。
Leica M-E + ズミルックスM50mm F1.4 後期シルバー
Leica M-E + ズミルックスM50mm F1.4 後期シルバー
“性能”でいえば、最新の非球面レンズに劣るはずの古いレンズ達ですが、人の心を掴む力は負けていません。
そういった数値で表せない描写を活かせるかは撮影者次第…。
Leica M-E + ズマールL50mm F2
古いレンズはモノクロで撮影するのも醍醐味のひとつ。
何か薄いヴェールを纏ったようなその描写が見る人をノスタルジーへ誘います。
いかがでしたでしょうか。
正直なところ、ライカを使い始めて写真が上手くなった気はしません。しかし何かが違う。と感じることがあります。
恐らく空気感等と表現される何かですが、ライカには何気ない日常もドラマにしてくれる力があると思っています。
そしてその秀逸なデザイン。とにかく悪目立ちしません。
日頃持ち歩くカメラは、生活に溶け込む必要があると考えており、ライカだから持ち歩くというシーンが増えた気がします。
また、一時はAFが使えるミラーレス一眼を使っていましたが、結局マウントアダプターでオールドレンズを使う機会が増えました。
というのもある程度の不便さがないと撮影が面白くないと感じた為です。
マニュアルでピントを合わせる作業やアナログな絞りリングが私には必要でした。
もちろん今販売されているカメラやレンズでもマニュアル操作はできますが、昔の物の方が感触が良く、使っていて楽しいと感じます。
MTモード付のAT車より、3ペダルのMT車が好きな感覚でしょうか。
そういった様々な理由から私はライカを使っています。
ライカだから撮影が楽しい!と声を大にして言いたいです。
まだまだLeica好きのスタッフの記事が続きます。
Leicaに少しでも興味を持っていただければ幸いです。
次回も楽しみにお待ちください。
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