今回は「周ノクチ」と呼ばれるLight Lens LabのM NOCTILUCENT 50mm F1.2 ASPH.を使って撮影をしてきました。
F値1.2の非常に大きな開放絞りを持つ本レンズを語るには、Leicaの伝説的なレンズであるNoctilux 50mm f/1.2 非球面を外すことはできません。
1966年、Leicaはこの年のフォトキナで世界初の非球面大口径レンズLeitz Noctilux 50mm f/1.2を発表しました。
当時は非球面レンズ生産における歩留まりが悪かったと言われています。それはすべてのレンズが手作業で研磨されていたためであり、この伝説的なレンズの生産量は非常に少なく、手作業で研磨されたレンズはそれぞれに若干の違いがあると言われています。このような伝説的な背景を持つLeicaのアンティークレンズは、当時から価格が非常に高く手が届きにくいものでした。
そんな今、Light Lens Labから復刻レンズとしてM NOCTILUCENT 50mm F1.2 ASPH.が発売されました。
「LIGHT LENS LAB」は中国の投資家である周氏によって設立されたメーカーで、近年では入手困難な歴史的な名レンズをできるだけ原材料や製造方法に忠実に復刻することで広く注目されています。
驚くべき再現度と高品質で、多くの写真愛好者から支持されているブランドです。
この日は数日前の38度近い東京に比べれば、涼しく感じる一日でした。
太陽の光が雲の隙間から降り注ぎ、空気はやや湿っていて写真を撮るにはぴったりの日です。
筆者はこんな日が好きです。
今回の撮影では原宿駅付近へやってきました。
相変わらず人が多く、世界中から集まった人々が原宿で色々なお店を巡り、自分が欲しい商品を探しています。
賑やかなショッピングエリアの後ろには静かで穏やかな住宅街がありました。
少し絞って撮影してみるとかなり良く写っているのが分かると思います。
周ノクチは当時のガラス素材を再現し、クラシックな高温研磨で加工しています。これによりガラスの劣化を防ぎ、非球面レンズは72時間以上の手作業による研磨が施されています。オリジナルの光学特性を保持しつつ、性能を若干向上させることで、現代のデジタルカメラに適応できるようになっています。
開放状態ではハイライトに紫のフリンジが発生するものの、F値を考えれば満足のいく結果です。
コントラストはそこまで高くなく全体的には比較的描写が緩いですが、中心部分はしっかりと解像感があります。非常に柔らかく美しさを醸し出していて独特な雰囲気が感じられます。
これがLight Lens Labの魅力かもしれません。
総じて、LeicaのNoctilux 50mm f/1.2 非球面と比べると品質やクラシックな味わいには違いがありますが、お求めやすい価格である点は非常に大きく、比較的楽しみやすいです。また、現代のデジタルカメラに合わせて性能が向上している部分もあります。今を生きるクラシックレンズ好きを唸らせる必携の一本となっています。