5月も半ばが過ぎ、夏のような暑い日が続くようになりました。
気温が高いということは、南から暖かい風が吹いているということ。そんな時期になると毎年決まって行きたくなる場所があります。
JR京浜東北線の大森駅から路線バスに乗り、東京湾の人工島へ。訪れたのは大田区の城南島海浜公園です。
海に面した部分が砂浜になっており、この時期は潮干狩りを楽しむこともできます。もちろん目的はアサリ取りではなく、その先に見える羽田空港へ向かう飛行機です。
羽田空港B滑走路の先にあるこの公園からは、空港に降りる飛行機をほぼ真下から望むことができます。
羽田空港にはAからDまでの4本の滑走路があり、その日の風向きによって使われる滑走路が異なります。その中でも一番内陸に近いB滑走路は、周辺への騒音等の配慮から南風の強い日の日中だけに使われるレアな滑走路です。
他の滑走路は東京湾の沖の方へ伸びているので、同様に飛行機を真下から撮影しようと思ったら、船で海上に出るしかありません。望遠レンズを覗きながら海上に出ると瞬時に船酔いしてしまう筆者にとっては、城南島で撮影できる時期が唯一のチャンスなのです。
飛行機撮影と聞くと500mmクラスの超望遠レンズが不可欠なイメージですが、ここ城南島は飛行機が本当に近くを通り過ぎるので200mmクラスのレンズでもこの大迫力です。
超望遠レンズと比べ軽量なシステムになるので、飛行機の動きに合わせてレンズの向きをより自在に操れることができます。なにより画質に定評のある70-200mmF2.8レンズが使えるのがポイントです。
さすが東京の空の玄関口。数分おきに次から次へと飛行機が飛んできます。決まったルートを一列で飛んでくる姿はまるで列車のようです。バッテリーとメモリーに余裕があればいくらでも撮影が楽しめます。
テレコンバーターを装着すれば、ほぼ同等の重さでより迫力ある撮影が楽しめます。
接近する飛行機を望遠端で捉え、広角にズームしながら頭上を越える飛行機を追いかければ、ボーイング787特有のしなる翼の様子もしっかり捉えることができます。
運良くNHK大河ドラマのラッピングを施した機体も見ることができました。ここなら普段、空港のデッキからで見ている景色とは違った角度で機体を楽しむことができます。
もっと暑い季節になると水遊びをする人で賑わいますから、梅雨前の今の時期がベストシーズン。超望遠レンズを持ってないけど、飛行機写真を撮って見たいと考えている方にはオススメのスポットです。ただし、風向き次第で使われないことが多い滑走路ですから、お出かけの際は事前に携帯アプリ等で飛行ルートを確認しておくことをお勧めします。
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