【Nikon】コスパ最強の「Zシリーズ」と旅のすゝめ
連載中の「カメラを愉しむ」vol.93は「コスパ最強のNikon Zシリーズと旅のすゝめ」をご紹介いたします。10月に入り秋が深まりゆくこの季節。山間部では所々で色づいた葉っぱや、秋の独特な香りを感じるようになりました。そうなると「カメラを片手に秋旅」に行きたくなるものです。
そんな秋旅におすすめの機材を本日は実際に持ち出した経験を交えてご紹介いたします!今回セレクトした機材はフルサイズセンサー搭載機の中で最も手の届きやすい価格帯である『Nikon Z5』、組み合わせるのはレンズは質量約170gと驚きの軽さとコンパクトさを実現した『Nikon NIKKOR Z 40mm F2』です。筆者はどちらかというとアクティブに動き回るタイプですので、機材の重量を抑えつつ嵩張らないことを重視しており、画角も狭すぎず広すぎず明るい単焦点レンズとなるとまさに理想通りの組み合わせとなりました。
さてまず初めは「神戸」の街並みから。この地での目的はショッピングでしたのでトートバッグにカメラを入れつつ、撮影したいシーンがあればバッグから取り出してというスナップ撮影。驚く事にもうイルミネーションが点灯しておりとてもムードある街並みになっていました。焦点距離 40mmはベストオブスナップ画角!と言っても過言ではないお気に入りの焦点距離で、開放値F2の明るさはこのような条件下でも気軽に撮影を愉しむことができます。
『Nikon NIKKOR Z 40mm F2』が写し出す描写は、新品で3万円台で購入できるレンズとは思えない描写をしてくれます。全長約45.5mmとパンケーキとまではいきませんが、とても薄くバッグから取り出すときに引っかからずサッと取り出せるので「あっ、撮りたい!」と感じた時にシーンを選ばず撮影を愉しむことができました。
色ノリも良く、ショーウィンドーの透き通るような透明感。そして鮮やかに反射するブティックの照明がとても印象的。スタンダードのカラー設定で撮影しておりますが本レンズを装着すると手軽にSNS映えする写真を撮影できるのではないでしょうか。
さて今度はボケ味をみてみましょう。「9枚の絞り羽根によって得られる円形に近いボケ」をメーカー商品紹介でも特徴として挙げられておりますが、ボケはご覧の通り円形に近い形になっております。柔らかなボケ味のレンズを多く愛用している筆者には少し硬く感じてしまいますが、このあたりは好みが分かれるところです。
一夜明けて「京都 嵐山」、次の目的地が遠いため車を降りてサクサクと撮影。昨日はピクチャーコントロールを「スタンダード」で撮影しておりましたが、普段はFUJIFILM機でクラシッククロームで撮影しているのでもう少しあっさりと撮影したく「ニュートラル」に設定。さらに彩度を一段落とし撮影しました。
旅の前に準備しておいた「自称クラシッククローム風」のオリジナルで登録したピクチャーコントロールに設定。このようにピクチャーコントロールを好きな色に煮詰めていくことができる自由度の高さもNikonのカメラの魅力のひとつです。
嵐山からトロッコ電車と並走する、車1台しか走ることのできない峠道に向かいます。400年の歴史をもつ老舗 鮎料理店と鳥居を背景に1枚。
4時間ほど下道を走り念願の目的地に到着いたしました。このカーブを抜けるとそこには、「TikTok」「Instagram」でおなじみのあの光景が広がっているはず!
まさに絶景「京都府 伊根の舟屋」に到着いたしました。SNSでよく見かける海に浮かんでいるかのように見える約230軒の舟屋は観光船で舟屋の真正面から撮影しているようですが、今回はまだまだ長い旅路となりますのでその美しい光景を海岸から。一部の舟屋は宿舎やカフェとなっており、今度はゆっくりと広角レンズや望遠レンズをしっかりと準備して訪れてみたいと思います。
一夜明けて車は石川県の千里浜なぎさドライブウェイに到着。全長約8キロにわたって日本で唯一砂浜を走行することのできるスポットです。最近では砂浜の浸食が激しく、毎年1メートルづつ消失しているため「千里浜再生プロジェクト」など車が走れる砂浜を守る活動も行われている貴重なスポットです。
この日は現地でSSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)というイベントも開催されていました。日の出とともに自身で定めた日本列島の東海岸をスタートして日没までに日本海の千里浜にゴールするというイベントとのことで多くのライダーたちがイベントを愉しまれていたようです。
砂浜をたっぷり走行した後は、道の駅に併設されている自動車の下廻り洗浄機で綺麗に砂を洗い流しましょう。波打ち際を走行するのでそのまま放置しておくと車がさび付いてしまいますので注意が必要です。
愉しい撮影旅もいよいよ終わり。まだまだ家までは400キロ以上の道のりが待っています。
海の幸を食べておなかも心も満たします。今回 旅を共にした『Nikon NIKKOR Z 40mm F2』は本当に素晴らしいレンズで風景やポートレートどんな被写体でも美しいボケ味とピント部のシャープさで活躍してくれました。しかしながら1つだけ弱点があることに気がつきます。最大撮影倍率は0.17倍となりテーブルフォト(特にアップで撮影したいお料理)にはもう一歩!と感じさせることがありました。クロップ撮影を上手に使いながら、その数少ない弱点は克服できますしAPS-C機ならさほど気にならないでしょう。
いかがでしたでしょうか。『Nikon Z5』『Nikon NIKKOR Z 40mm F2』の組み合わせは、845gとフルサイズとしては軽量コンパクトで取り回しが良く写りも納得の組み合わせです。テーブルフォトで使う時だけクロップなどを上手に活用することでどんな被写体でも最高の思い出を鮮明に残すことができるでしょう。
筆者がNikonを所有するのは「D200」以来、約19年ぶりのこと。しかしあの頃愛用していたUIと大きく変わるところなくすぐに馴染むことができました。そして写真を撮る歓びだけでなくグリップを握ったり、ファインダーを覗いたり、カメラを眺めながら食事をするだけでもご飯が進む・・・カメラという所有欲をも満たしてくれる1台だと実感。やっぱいいわニコン。そんな言葉が心の底からでてくる1台に仕上がっていました。
ニコンユーザーはもちろんのこと、久しぶりにニコンのカメラを使いたい。今までニコンを使ったことがないという方も是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。