2016年の発売からDXフォーマットの一眼レフ・フラッグシップモデルとして多くのNikonユーザーの支持を受けながらも、惜しまれつつ生産完了となった『D500』。見頃を迎えた古代蓮を撮影する為、『AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED』、『AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR』の2本の単焦点レンズをお供に携え、現地に向かいました。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
筆者が訪れた行田市の古代蓮は、約1400年~3000年前に地中に埋もれた種が悠久の時を経て、公共施設の建設を行うため造成工事を行った際に自然発芽したそうで、見た目の美しさと生命力のギャップに何とも言えない魅力を感じます。
「行田蓮」とも呼ばれ、行田市の天然記念物にも指定されています。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
使用レンズ:AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED
異例の早さとなった今年の梅雨明け。
撮影当日も真夏の日差しが降り注ぎ、照り返しも非常に強い一日となりましたが、視野率100%の光学ファインダーが撮影の心強い味方になってくれます。周囲の光をシャットアウトし、可憐に桃色の花を咲かせる古代蓮と向き合います。
ローパスフィルターレスの鮮鋭感と画像処理エンジンEXPEED 5がもたらす階調性は見たままをクリアに再現し、気持ち良く撮影できます。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
35mm換算450mm相当と望遠側へ振り過ぎた感は否めませんが、古代蓮との距離を詰めることができないシチュエーションも多く、画角が1.5倍となるAPS-Cセンサーの恩恵を受けながら撮影を進めます。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
蓮の花はお昼には閉じてしまうため、午前7時~9時の撮影がベストとされています。
この日は子どもの登校を見送った後の出発だったこともあり、到着したのは10時頃。閉じ切ってしまった花も散見されましたが、マイペースな花も多く、なんとか撮影に間に合いました。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
使用レンズ:AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED
開花してから4日ほどで散ってしまいますが、散った後の美しさを写真に収めることもまた一興です。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
蓮の蕾で休憩中のシオカラトンボでしょうか。とても安定しているのか、長時間羽根を休めていました。
開放で撮影していますが、複雑な網目模様を鮮明に切り取っています。
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
D500が持つ本来のポテンシャルを活かせるシーンが殆ど無かったものの、花粉団子を作りながらホバリングするミツバチをシングルポイントAF・中央1点でいとも容易く捕捉するあたり、流石の一言に尽きます。
※赤枠内をピクセル等倍にしています
使用レンズ:AF-S NIKKOR 300mm F4E PF ED VR
こちらは番外編です。
先日のスーパームーンは生憎の天候で撮影が叶いませんでしたが、300mm(※換算450mm相当)で自宅からでもこのサイズ感で撮影可能です。お子様の夏休みの自由研究としても活用できそうです。
※赤枠内をピクセル等倍にしています
使用レンズ:AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED
APS-C機・光学ファインダーの魅力に改めて気付くことができた今回の撮影でした。他にも蓮の花が撮影できる時間には限りがあるため、見た目ほど重さを感じない質量860g(バッテリーおよびXQDメモリーカード含む)のボディに高速AFで軽快な撮影を可能にした『D500』は、蓮の撮影には最適解なのかもしれません。8月上旬まで見頃は続くそうですので、機会がありましたら撮影されてみてはいかがでしょうか。