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私にとって2024年は振り返るとあっという間に過ぎた1年でした。
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去年、私は故郷北陸から離れ上京しました。
地方で過ごした年月の方が長い私にとって、首都東京は異世界に近いものがあります。
聳え立つビル群、無数の人々、経済と文化の中心地にいるということをようやく実感してきているところです。
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さて、今回紹介するのは2013年発売のNikon Dfです。
学生時代、パソコンに齧り付くように見ていた憧れのカメラです。
私が写真を始めたのも丁度その頃でした。
光陰矢の如しとはよく言うもので、当時の最新機種も11年の時を経ています。
今回使用した機材
Dfのカタログに記載されていた言葉は”Inspiration on Contact” 「操る愉しさと、自由に描く悦びと。」でした。
言葉通り、軍艦部のダイヤルでシャッタースピード、iso感度、露出補正などを操ることが可能で、自由な表現が出来るカメラだと思います。
現代はミラーレスカメラ全盛の時代ですが、このカメラはレフ機であり、またNikonといえば「不変のFマウント」です。
このDfはAiレンズはもちろんのこと、非Aiレンズも装着可能なカメラです。
1959年から始まったFマウントですが、Zマウントが登場する2018年までの約60年続いてきた数々の銘玉を露出計と連動させて使えるカメラは唯一無二といって良いでしょう。
まさに原点回帰、写真を撮る愉しみとは何か。それを考えさせてくれたカメラだと思います。
そんな学生時代の憧れのカメラDfと共に、新生活の地、東京をAi-S Nikkor 50mm F1.4 で映してきました。
今回撮影した写真は色味の調整などは行わず、明るさの調整とトリミングに留めています。
自由に愉しんで撮ることを重点に置いて撮影してきました。
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現在では日常の風景となっている東京スカイツリーですが、着工は2008年、完成は2012年なのです。
2013年発売のNikon Dfはある意味スカイツリーと近い年齢なのかもしれません。
当時を振り返ると、テレビでは盛んに東京スカイツリーの事を特集していたと記憶していますが、地方住まいだった私にとって、それはまるで遠くの国の話のようでした。
実際に間近で見てみると、このような巨大な建造物を僅か4年で作り上げたというのは信じ難い事実でした。
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東京は、無数の人がいて忙しない時間が流れている場所もあれば、下町に入るとゆったりとした時間が流れている場所もあり、そういった場所があちらこちらに点在しているところが興味深いと感じています。
同じ時間軸にいるのに、時間の流れ方が全く異なるそんな感覚に陥ります。
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私はこちらに引っ越してきてから、時間感覚のズレが生じることが多くなってきていると感じます。
「忙しない場所」で真っ先に思いついたのが、渋谷のスクランブル交差点でした。
ピクチャーコントロールをモノクロームに設定して撮影してみました。
電光掲示板や広告、車両や人々の色とりどりで様々な情報が飛び交う渋谷も面白いのですが、あえて白黒にすることで忙しない感覚を表現したいと思い撮影に臨みました。
地方には存在しない都会の雑踏をモノクロで映すのはとても新鮮で楽しい体験でした。
渋谷での撮影時は休日ということもあり、想像を絶するほどに人が多く、人混みが苦手な筆者は早々に帰路につきました。
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カメラの話題に戻りますが、筆者がメインカメラとして使用しているNikon F3とDfは非常に相性が良いのです。
最新機種のZfはマウントアダプターを介すことでFマウントが使用可能ですが、Dfはそれを必要としません。
また、見た目もアダプターを介すことがないので、スタイリッシュで荷物も少なく済む所は個人的に気に入っています。
レンズ一本でデジタルカメラとフィルムカメラをスムーズに行き来出来るのは快適でした。
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今回使用した Ai-S Nikkor 50mm F1.4 は開放は非常にピント面が曖昧でドリーミーな写りをし、絞ればクッキリ写ります。
逆光ではフレアも出ますからオールドレンズらしい描写も楽しめたりと、オールラウンダーに活躍してくれるので、非常に気に入っています。
いかがでしたでしょうか。
今回はNikon Dfを紹介させていただきました。
この機会にぜひお試しいただければと思います。