【Nikon】水族館で新マイクロレンズデビュー
発売以降、品薄状態が続く人気の新マイクロレンズ「Nikon NIKKOR Z MC 105mm F2.8 VR S」を入手しました。
試し撮りの場に選んだのは水族館です。少しずつ秋の気配を感じられるようになりましたが、この日は気温が高く涼しい場所を選んでしまいました。
まずは15000匹のイワシが群れで動く大水槽から。マイクロレンズの特徴を活かし、水槽ギリギリまで寄っての近接撮影です。
魚の動きが速くAFは止まることなく動き続けていましたが、切り取られた画像は群れの様子をしっかり捉えていました。
その群れの中にシュモクサメが入っていくとイワシは一斉に向きを変えていきます。水槽から少し離れ、そのシーンを広く切り取ると水面を照らすライトがイワシのボディに反射してとても綺麗に見えました。
単焦点レンズですが近接撮影できる分、画角の自由度は高く、使い勝手はとても良い感じです。
大きな水槽に大量の水クラゲ。このシーンでは、水槽から2mほど離れて撮影しました。それでもはっきり伝わるクラゲの質感。このレンズ、本当に良く写ります。
水槽から離れて撮影する際、注意しなくてはならないのが、水槽に周囲の光が反射して生じる写り込みです。
本レンズは、旧モデル(マウントは違いますが)「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G ED」と同じフィルター径の62mmという事で、これまでのフィルター資産がそのまま使用可能。高価なC-PLフィルターを買い直す必要がないというのも嬉しいポイントです。
と、PLフィルターの話をしましたが、筆者は水族館ではPLフィルターをほとんど使いません。水族館では暗い箇所が多く、フィルターの使用でシャッタースピードが遅くなるのが嫌だからです。
逆にレンズ保護フィルターは必須です。周囲が写り込まない距離まで水槽に寄って撮る事が多く、集中しすぎて思わずレンズ先端が水槽に触れてしまってもレンズを守るようにしています。
訪れた水族館ではサメの飼育に力が入っており、シロワニも間近で見ることができました。
水槽内では比較的ゆっくり泳ぐ大型のサメですが、正面から迫ってくるとさすがの迫力です。
ヒレが綺麗なミノカサゴ。うろこの様子までしっかり捉えています。
水の流れに合わせて、向きを変えるニシキアナゴ。細い体へのピント合わせには苦労します。
ボディと協働して4.5段分の手ブレ補正機能を持つ本レンズですが、水族館撮影でむしろ注意しなくてはならなのが被写体ブレ。なるべく高感度でシャッタースピードを稼ぎ、魚が流れないよう注意しました。
水槽ギリギリまで寄って動きの速い魚を追うという、カメラ泣かせのシチュエーション。これまでも沢山のミスカットを積み上げてきました。
今回マウントアダプターを介さない、初のZマイクロレンズとの組み合わせでは、これを補う奮闘ぶりを見せてくれました。迷う時は迷いますが、とにかくレンズの機敏性が抜群で、しっかり狙った魚を追いかけてくれるのです。
順路に沿って進んでいくと、海が一望できる展望ホールに辿り着きました。
105mmという焦点距離は現状Zシリーズの単焦点レンズで最も望遠側のレンズ。その画角で荒波を切り取ってみました。テトラポットのウエット感など、流石の解像力です。
屋外展示のフンボルトペンギン。お腹の羽毛の再現力からもその実力が伺えます。そして暑さに強いとはいえ夏バテ気味な表情も。
今回は限られた範囲でのテスト撮影になりましたが、本レンズの優秀さがよく分かりました。そして今更ながら、Z7の高感度耐性の高さも再認識です。
これから秋が深くなるにつれマイクロ撮影が楽しい時期となります。季節の彩りを残すには最高の一本ではないのでしょうか。待ちに待ったマイクロレンズで秋を楽しみたいと思います。