この春入手したレンズ「Leica アポズミクロン M75mm F2.0 ASPH. (6bit)」。まだ数回しか使えていませんが、高い解像力と柔らかいボケ味でお気に入りの1本になりました。
そして5月も終わりに差し掛かった頃、未だ関東地方での梅雨入りは発表されていないものの生憎の天気が続いています。
これまで梅雨といえば、しとしとと弱い雨が長く降り続くイメージでしたが、最近では傘では防ぎようのない強い雨が降る事が多くなったように感じます。
写真を撮りに出掛けたいけど機材は濡らしたくないという葛藤の中、ならばせめて防滴性の高いカメラをということで、マウントアダプターを使った撮影に踏み切りました。
Nikon Z7にSHOTENのヘリコイド付きアダプターを噛ませ、Leica アポズミクロン M75mm F2.0 ASPH. (6bit) を装着。
冷静に考えたら既に一般化した組み合わせですが、私は敢えて使わないようにしていました。なぜなら使いやすいから。
写真を始めてから33年。昨年M10-PでライカデビューするまでNikon機一筋で写真を撮ってきました。
未だレンジファインダーではもたつくピント合わせも、一眼スタイルの方が断然スムーズに操作できます。(Z7の電子ファインダーが見やすいというのもありますが…)
手ブレ補正も付いて高画素と機能も優秀。何より慣れ親しんだNikon機ということで手に馴染むのです。
楽な事を覚えらたら楽な方に揺らいでしまう意思の弱い筆者。まして物欲の塊でもあることから新しい物を買う資金捻出のため、使わない物は後先考えず、すぐに手放してしまう性格。
なので、ライカはライカで大事に使おうと心に決めていたのですが、アポズミクロンを使いたいという気持ちが勝り、早々に禁を破ってしまいました。
雨の中、向かったのは近所のバラ園です。
アダプターのヘリコイド機能を使ってギリギリまで寄ってみました。奥の花びらが雨に煙るように柔らかくボケています。残念ながら最短70cmまでのM10-Pでは撮れない描写です。
そう言えば、先日レンジファインダー機でも最短30cmまで寄れるアポズミクロンが発売されました。アポズミクロンで近接するとここまで大きく綺麗にボケると知ってしまうと、また物欲が刺激されてしまいます。
傘をさしながらの撮影だと、自然と被写体に寄ってしまいます。結果、アダプターを介しての撮影が功を奏しました。
そして花びらの質感を捉えたこの高い解像力。4575万画素とアポズミクロンの組み合わせの凄さを実感しました。
白い花をよく見ると茶色い斑点な様なものが見えます。
雨の水滴が残った状態で日差しを受けると、水滴がレンズの役割をしてその部分だけ日焼けしてしまうことがあるそうです。今回の雨でまた日焼けが増えてしまうかもしれないと思うと、雨の日でも来た甲斐があったというものです。
バラ園の一角には紫陽花の花も。雨の日は薄紫の花もよく映えます。
前屈みで撮影に夢中になっていると、傘からはみ出たカメラバッグが大変な事に。早々に屋根のある場所に避難しバッグ内の物を救済します。
雨の日のレンズ交換は命がけ。マウント口径が大きく、センサー面が近いNikon Zは尚更です。幸い他の機材には影響がなかった様で一安心です。
バラ園前の広場にある桜の木に目をやると赤い点々が見えます。
さくらんぼでした。そういえば桜もバラ科の植物との事。厳しい条件下での撮影でしたが、いろんな薔薇を楽しむことができ満足の休日でした。
そしてライカレンズでの近接撮影の楽しさも。でもこれは私にとっては禁断の果実。もっとライカが手に馴染む様に精進しないとです。