【Nikon】 押入れカメラを持ち出して… その1 (前篇)
「何台くらいカメラ持ってるの?」
よく知人や同僚からこんなことを尋ねられます。
「…さぁ… 数えたことないや…」
とりあえず、はぐらかしときます。
でも、嘘です… 本当は簡単ながらリストはあるのですが…
たぶん、本当の数を言ったら周りからドン引きされます…
それにリストの中には、動かなくなっちゃったのもいくつか…
(この前も撮り較べようかと思って取り出した国産二眼が、2台とも動かなくなってました…)
そんなわけで、「さぁ…」なのです。
でも、カメラは自分の日常を写しだす大切なパートナー、日々手元に置いて使ってこそ価値があるのです!
……なんの説得力もありません…
日頃お店でも、お客様から、
「カメラってどうやって保管すればいいんですか?」
「そうですね、防湿庫のようなところに入れるのがベストでしょうが、それも過信してはいけません。
長く使わない場合にも、時々取り出して風に当て、空シャッター切るなどして動作させないとですね…」
……どの口が言う!!!…
…というわけで、罪悪感から始まった今回の企画…
タイトルを正確にいうと
「押入れ(に仕舞い込んでいたかのくらい、長く使わなかった)カメラを
(これではいけないよねと罪の意識にかられ、恐る恐る空シャッターを切ったら、
とりあえず動いたので、久々に)持ち出して」撮ってきました。
さて、その第1回目は、「ニコン F2」です。
今まで、舶来のローライ二眼やハッセルブラッド、ライカのオールドレンズなどでブログを書いてきた身なのですが、
なぜここにきてニコンかというと…
…大人の事情です。 同僚には分かると思いますが、まぁつまり内輪受けです…
で、その「ニコン F2」ですが、1971(昭和46)年に発売。
1970年代を代表する国産カメラ、究極の機械式一眼レフカメラとも言われるカメラです。
1959年、当時のカメラ界に革命を起こした一眼レフカメラ「ニコン F」。
それまでレンジファインダーカメラが主流で、ライカの後塵を拝してきた日本カメラ業界が、一気に主役に躍り出た瞬間でした。
それから約10年、ベストセラーゆえに生まれるユーザーの不満をすべて解消し、
「より速く、より力強くを」実現した「ニコン F2」。
次の「ニコン F3」が電子式シャッターを搭載したこともあり、今だに「究極」と称され、
人気の高い機種です。
…そんなカメラを、えぇ、持ってました。
ただ、「カッシャーン」という大きな金属音のシャッターが街中でもかなり響くので、
あまり外に持ち出さなくなっていました。 部屋で空シャッターは切ってましたが…
そしていつしか、「押入れカメラ」に…
今回持ち出したのは、F2登場と同時に発表されたTTL露出計内蔵ファインダーDP-1を搭載した「F2フォトミック」。
その後たびたび改良され進化する、フォトミックシリーズの初代です。
…ですが、私のはちょっと露出値が不安定。 よって、今回は単体露出計持参の撮影となりました。
Panasonic GM1(F2を撮影したもの、以下同じ。)
レンズは、オートニッコール50mmF2。
装着時、絞りリングを左右にガチャガチャ回し、ファインダーのピンに連動させます。
…まぁ、露出不安定ですが…
なるべく時代を合わせようと、フィルターやフードも古いものを。
フィルターなんてスリキズ多いし、かえって画質を劣化させそうですが、そこは気持ちの持ちようです。
鏡の前で構えてみると… うん、いいんじゃない!
さて、古いカメラをぶら下げていてもそんなに目立たず、「カッシャーン」とやっても気にされないところ…
Nikon F2 + オートニッコール50mmF2 (フジフィルム・プロビア100F)以下、同じ。
…というわけで、浅草です。
穏やかに晴れた日曜日、雷門の前は大混雑…
というか、浅草の駅を出たところからかなりの人、人、人…
その流れが雷門に集結、バーゲン会場のようにギュッと詰まった感じです。
そしてこれも誇張ではなく、半数以上が外国人…
いったいここはどこ??
その大半が大小さまざまなデジカメやスマホ・タブレットを、一点の赤い物体に向け掲げているのですからね…
あっ、私も混じりましたけど…
露出を測り、じっくりピントを合わせて、「カッシャーン」…
よし、目立たない!
気を良くして仲見世通りへ、…って進まない…
ブンブン招いてました… いや、だから招きすぎだって…
遅々として進まない集団を右に左に避けながら、って全然写真撮れない!
結局いつも撮らせてもらってる人形焼き屋さんの前に…
ガラス越しの撮影ですが、シャープに撮れました。
型をひっくり返す「ガシャン、ガシャン」という音と、シャッター音の「カッシャーン」がシンクロ。
仲見世通りを抜け、ここまで来るのにかなりの時間を費やしました。
瓦を見ると、現代のレンズに較べ解像度が劣るのが分かります。
色味もオールドニコンらしく、淡泊かな…
でも、提灯の赤など、昨今のコントラスト強めのレンズ描写より自然な気がしますが…
にしても、すごい人…
ここには並ばず、直接中に入ってお賽銭を。
「今年こそ… とにかく、今年こそ…」ムムム…
そして、そして、おみくじタ~イム!
筒状の箱をジャカジャカ振って、出てきた棒の先に書いてある数字と同じ番号の引き出しから紙を1枚取るシステム、100円です。
若い男女のカップルの後ろに並びました。
って、お兄さん、箱から棒を1本抜いちゃってお姉さんに渡すし…
んでもって、引き出しの前でしゃべってるし…
お互い、見せ合いっこしながら、声に出して読んでるし…
…って、どかんかい!!
…ちょっ、お兄さん、棒持ったまま行くなぁ~
お姉さんに指摘され、「あ、そうか、そうだよね」なんて笑いながら戻してました。
なんだかなぁ~ …きっと、ああやって棒持ってちゃう人多いんだろうなぁ…
まぁ、とにかく集中! ジャカジャカ、えい!
「半吉」でした… (写真は、あとで人の並んでない所で撮影したものです。念のため。)
どれどれ…
「願望叶いがたし 病人あやうし 失せもの出がたし 待ち人来らず… 旅立ちわろし…」
って、全然よくないじゃん! 「吉」要素、ほとんどないんだけど!!
結びました… 絞り開放、前後のボケも自然で… って、やってられるかい!
少し考えて「厄除け」守りを購入。 今年こそ…
気を取り直して、お隣の浅草神社へ。
こども歌舞伎を上演していました。
舞台前で座って観劇しているのは日本人。
その周りを外国の方が、興味深そうに見学していました。
カメラを向けている人もいます。
私も混じって数枚「カッシャーン」。 室内だったら絶対怒られてますね…
50mmレンズなので、これが限界…
…って、またまた長くなってしまいました。
読む方もそろそろ限界?
明日に続く… (文責・イット)