【Nikon】NIKKOR Z F2.8ズームで紅葉を撮る
11月の中旬、紅葉を見に六義園に行ってきました。
毎年多くの方が訪れる都内では人気の紅葉スポットですが、今年はコロナ対策のため事前予約による入場者数制限が行われており、おかげでゆっくりと園内を散策することができました。
相変わらず不便な日々が続きますが、紅葉のトップシーズンでも混雑なしに撮影ができたのはちょっと得をした気分です。
紅葉は気温の低下と共に色づき始めますが、同時に空気の乾燥が進むと枯れて落ちてしまいます。
雨が多かった今年は湿り気が多いはずと期待をしていたのですが、11月になってからは殆ど雨が降っておらず、六義園でも色づきの割には落ち葉も目立っていました。
少しでも瑞々しい葉を探すべく池の周りを重点的に散策。水辺での撮影では側に寄れない事が多いため、望遠レンズが重宝します。
発売日に購入したものの、これまで使用機会に恵まれなかった「NIKKOR Z 70-200mm F2.8 VR S」を試す時がやってきました。
まず驚いたのが手ブレ補正機能です。カメラ内センサーシフト式VRの搭載でボディ単体でも手ブレ補正効果が得られていましたが、70-200mmのVR機構との組み合わせた効果は想像以上でした。ファインダーを覗いたままレンズを動かすと貼り付いていたものが剥がれるように像が一瞬遅れて見えます。この粘着のような動きからスローシャッターでも強力にサポートしてくれると想像できるのです。
明暗差が大きな場所も細部までしっかり描写しています。また、四隅までシャープに捉えており、最大口径マウントによる光学性能の余裕のようなものを感じました。
当初予定されていた発売日からかなり遅れて発売された本レンズ、待たされた分完成度の高いレンズに仕上がっていました。
突然、水辺の岩陰からコサギが現れました。意外と近い場所だったため逃げられるかと心配しましたが、静かで素早いAFはシャッターチャンスを逃しません。
白一色の羽根の重なりをも捉える高い解像力はさすがの一言。
コロナの感染拡大を警戒し、撮影に出掛けるのを控えていた間にレンズのバリエーションも増え、超望遠とマクロを除けば、Zシリーズの高画質を最大限に楽しめるようになりました。
私のお気に入り「NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S」を防湿庫から出したのも何ヶ月ぶりでしょうか?
美しいボケと解像力の高い描写力を見ると、カメラを使う機会に恵まれなかった今年は勿体無い1年だったと思わずにいられません。
建物の周りが落ち葉が綺麗な絨毯になっていたので、ローアングルから撮影しました。液晶モニターをチルト機能で起こし上から覗き込む撮影も久しぶり。レンズ上部の情報画面に撮影距離が液晶表示されるのを見ると、レンズも長い眠りから覚めた感がして嬉しくなります。
肉眼では分からない高い場所の葉の1枚、1枚を捉える4575万画素。間も無く後継の「Z7 II」が登場しますが、まだまだ本機には頑張ってもらうつもりです。
まだ緑色の葉が多かったものの、黄色味の増した日差しを透過させると季節の移り変わりを感じる事ができます。より強い逆光を求めたらフレアが発生しました。天下のナノクリスタルコートとアルネオコートをもってしても除去しきれませんでしたが、画像からも分かる強い冬の日差しを考えれば十分な抑制力と高いコントラストは凄いの一言。しばらく使っていなかっただけに、その感動もひとしおの反面、久しぶりの登板にこんな厳しい撮影をさせて申し訳ない気分です。
今年の頭に所有している機材を整理し、使う機材だけ残したつもりでしたが、まさかここまで撮影機会を奪われるとは夢にも思いませんでした。使わなくても新製品の登場で価値が下がってしまうデジタルカメラは使わないと勿体無いです。宝の持ち腐れにならないよう、来年はもっと上手に機材と向き合いたいと思います。