【Nikon】VOYAGE:ニコンの101年 Vol.2
NIKON VOYAGE VOL.2
ついに本日、Nikon初のフルサイズミラーレスカメラ
Z7が発売となりました。
ニコンの踏み出した新たな歴史と共に
今までニコンが辿ってきた時間を振り返る「Nikon VOYAGE」、今回は第2回です。
さて、今日では一言にカメラといえば、
一般的には完全電子駆動のものが想像されますが、
初期の頃のカメラといえば、こちらもいうまでも無く完全メカニカル駆動でした。
電子化の潮流は初代Fより始まっており、たとえば、電池式の露出計内蔵フォトミックファインダーなどから感じ取る事ができます。
しかし、実際にシャッターの電子制御などが組み込まれる
ようになるのは、初代F発売からおよそ10数年後のこととなります。
・電子シャッター搭載機
ニコン製カメラで先んじて電子制御シャッターが組み込まれたのは
実際には俗に言うF一桁などのフラッグシップ機ではありません。
そのカメラは1972年発売の「ニコマートEL」。
位置づけ的には各種コストを抑えた、いわゆる廉価版というモデルで、
しかしながら、後にフラッグシップ機に搭載されるような機能が
実験的に投入されており、その機能は先進的でした。
具体的には、ニコン一眼レフ機において、絞り優先AE機能と
電子制御シャッターの採用はこの機種が初となります。
電子制御シャッターはレンズシャッター製造などに著名なコパル社
製の部品を使用した自社設計製造のもので、最速で1/1000の速度で
シャッターを切る事が可能です。
こういった電子制御化の源流は後のニコンカメラにおけるメカニズム
の礎となっていくわけですが、
フラッグシップ機にも採用されるような機能がエントリー機種
に先んじて組み込まれる事は珍しくなく、
現在の機種で言うなら、WiFiやBluetoothなどの通信機能や、
タッチパネルなどの搭載がエントリー機の方が先、という例を上げる事ができます。
・至高の名機、登場
1980年、その後20年にわたり発売されるロングセラーカメラが発売されます。
その名も、「F3」です。
旧来の一眼レフのルックスを残しつつも、モダンな雰囲気が融合し、まさに1980年代を代表するようなプロダクトデザインに仕上がっており、今でも絶大な人気があります。
このカメラをデザインしたのは世界のプロダクトデザインに多大な影響を与えるジョルジェット・ジウジアーロ氏であることは有名で、
その後のカメラにも、”ジウジアーロデザイン”が継承されていくこととなります。
(ちなみに余談ですが、このF3からニコンの機種は赤いワンポイントが入っておりますが、それは黒に対して強い印象を与える色だからだそうです。)
もちろん、中身に関しても堅実に作りこまれており、
1/2000までの電子制御シャッターを採用。
ファインダーも従来の機種と同様に「アイレベル」「ハイアイポイント」「ウェストレベル」など各種を選択することが可能です。
とりわけ、ハイアイポイントファインダーの見易さはいまだに史上最高との呼び声も高く、非常に視認性がよくピント合わせが容易なファインダーとなっております。
また、この機種は様々な種類展開があり、
チタン外装仕様のF3/T、報道機関向けのF3 Pや、
ハーフミラー採用のF3 H、F3 Pの一般限定仕様F3 Limitedなど、
本当に多くの種類があります。
そのほか、写真家・植村直己氏専用仕様のウエムラスペシャル、
NASAの要望で設計された特別なモデルのF3などがあり、
特殊用途の世界でも、プロの写真に応えるために、様々なモデルが展開されました。
・銀塩全盛時代の終焉
ご存知の通り、今現在はデジタルカメラの時代であり、
フィルムが衰退をはじめてからおおよそ20年前後経っております。
そういった中で、1996年、ニコンがフィルムカメラとして持てる
ノウハウを全て詰め込み、現在ニコンが採用しているデジタル一眼レフの操作系をフラッグシップ機としてはじめて採用し、発売したカメラがF5でした。
機種としては、前後コマンドダイヤル、背面マルチセレクター、
フィルムDXコード読取機能、そして、3D-RGBマルチパターン測光を採用しており、より高精度な露出測光が可能です。
今現在ニコンのボディを使ってる方には馴染み深い操作系も、
もともとはこの世代からとなります。
持ってみると、ずっしりと重さを感じるのは、
マグネシウム合金を採用した、確かな堅牢さゆえ。
毎秒8コマもの高速連写も可能で、
現在流通している36枚フィルムなら、たった四秒で撮り切ってしまう
という恐ろしい性能です。
外部アクセサリーも、背面データバック、各種ファインダー、
ニッケル水素バッテリーなど豊富に用意されており、
まさに、プロが使うシステムカメラといった趣です。
バッテリーは単三電池8本を挿入する事も可能ですが、
当然ですが尋常ではない重さになります。
性能をほぼそのままにダウンサイジングしたF100というモデルもあり、当時はこちらも人気機種でした。
ちなみに、この機種にはNikon創業50周年を記念した
ガンメタルカラーの特別な50周年記念モデルが発売されており、
ペンタ部に刻印されているNikonの文字も、レンジファインダー
カメラのS2の刻印の物のような、クラシックなものになっています。
・F to Z
さて、フィルム全盛の時代が終焉を向かえ、いまはデジタルカメラの時代です。
この十年での技術の進歩はめまぐるしいものがあり、
カメラの一眼レフからミラーレスへと、新たな形態を迎えつつあります。
かつて、Nikonの代名詞でもあった「不変のFマウント」。
長い歴史の中で生まれてきた様々なFマウントニッコールの銘玉達も
今後展開されるZマウントシリーズで、マウントアダプターFTZを介して使用することが出来ます。
新しいマウントが生まれても、今までの名機の価値が失われることはありません。
そして、今まで生まれた銘玉たちも、
その色を失わずに、最新鋭のZマウントで、その性能を享受する事ができるのです。
新しいマウントでも、是非、存分にNikonをお楽しみください。
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