ファインダーを覗いてシャッターを切る。背面の液晶で撮影した写真を確認する。
「写真を撮る」ことがとにかく楽しい。
撮影した写真を確認する。
想像以上にシャープで色彩鮮やかな写真に驚く。
G9PROⅡでの撮影はカメラで写真を撮る楽しみが体を駆け巡るような感覚でした。
この日はあいにくの空模様。
しかし、雨には臆せず出かけていきます。防塵・防滴に配慮した構造となっているため、多少の雨でも心配はありません。
都心のオアシスかのような公園を見つけたので、さっそく出かけていきました。
笹の葉のような葉の上に水玉がのっていました。
撮影してみると驚きました。高い解像力でまるでその場に手が届きそうな水玉です。
この写真が出てきた時、このカメラが好きだと心から思いました。
深みのある緑色。もともと鮮やかな緑の葉でしたが、こんなに鮮やかな緑になるとは驚きです。
今回選んだレンズは、LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH. です。
マイクロフォーサーズのため、35mmフルサイズに換算すると30mmとなります。
LEICA DG SUMMILUXは、ライカの厳しい光学基準をクリアしたレンズのためライカのレンズの名称となっています。
ライカのレンズと言えば、鮮やかな色味と周辺のどっしりとした陰影が特徴だと思います。
数多くある中でもズミルックスの名を持つレンズは特にその印象が強いです。
このレンズもそのようなライカレンズの特徴を踏襲した単焦点レンズです。
G9PROⅡは、防塵防滴性能がついているカメラのため多少の雨でも安心です。
この日も傘を差しながらカメラを首から下げて歩いていました。少しカメラボディやレンズに雨粒がかかっていましたが不安要素はありませんでした。
G9PROⅡで注目したいのは、LUMIX Gシリーズ初の像面位相差AF搭載していることです。
そのため、より高速で正確なAFが実現しています。
このようなガラスでの雨粒にピントを合わせた場面でも素早くピントを合わせることが出来ました。
写真を確認してみると、ピントもしっかりと合っており高い解像力であることが伺えます。
曇り空の湿気を多く含んだ空気感もしっかりと写真に取り込まれており、出かけた時は雨に鬱々した気持ちでしたがあまりの描写の良さに段々と気持ちが晴れやかになってきました。
G9PROⅡを使っていて、感じた楽しさの一つにフォトスタイルの多様さがあります。
前モデルのG9PROが全12種類だったことに比べて、PROⅡは全18種とより多種多様なフォトスタイルが選べるようになりました。
色味の柔らかさや、濃淡を変えることが出来ます。こちらのスタイルを変えるだけで簡単に写真の雰囲気を自分好みのものに変更できます。
こちらは、先ほどの一枚と同じ設定でフォトスタイルのみフラットに変更しました。
フラットのコンセプトは、PanasonicのHPによると「ナチュラルよりもさらに彩度とコントラストを抑えたフォトスタイル」とのことです。
春の日の柔らかい光に照らされたようなふんわりとした写真になっています。
晴れた日のお花の写真や、お花畑でのポートレートで使用してみたいフォトスタイルだと思いました。
数々のフォトスタイルがある中で、私が一番「これは使っていて楽しいな」と思ったが、モノクロームの種類の多さです。
カラーでは色味の選択が多くあるカメラが多いのですが、モノクロームになると多くても3種類程度のみのものが多いです。
しかし、G9PROⅡは通常のモノクロームと追加して、4種類。全部で5種類ものモノクロームがあります。
こちらは、通常のモノクロームです。彩度等スタンダードなため一番オーソドックスな色味となっています。
続いて、「Lモノクローム」デジタル感が少なく自然で心地良い再現を追求したモードです。
比較してみると、フィルムに近い描写のように感じます。
デジタルカメラとフィルムカメラのモノクロ描写の違いは、立体感の違いではないかと思います。
どちらが優れているのかということではありますが、こちらの方が印刷した写真のようなフラットな写りになっているように感じます。
同じLモノクロームでもさらにいくつか種類があります。こちらは、「LモノクロームD」
Lモノクロームにさらにダイナミックにより、深い黒となるように調整されたモードです。
先ほどのLモノクロームと比べると、確かに深みのある黒になっています。
「LモノクロームS」です。LモノクロームDとは逆のコンセプトです。
この写真ではあまり大きな違いは出ませんでしたが、HPによるとメリハリを抑えた優しい表現の黒白写真フォトスタイルになっています。
しかし、よく見てみると梟の巣箱の木目が先程のLモノクロームDより柔らかく思います。
都会でのスナップなどの撮影ではLモノクロームD、自然風景の撮影はLモノクロームSの使い分けで撮影したいと感じました。
最後は、「LEICAモノクローム」です。こちらはG9PROⅡで新たに追加されたフォトスタイルです。
Lマウントアライアンスで共同開発体制を取っているLeicaが伝統的に作り上げてきた「Leicaらしいモノクローム」の色づくりを
実現しているフォトスタイルです。Leicaのモノクロームも使用したことがあるのですが、この写真を撮影し画像を確認した時に
Leicaのモノクロームそのものだと感じました。他のメーカーでは類を見ないコクのある黒の発色のように感じます。
この多様なモノクロームの中から私はLEICAモノクロームが一番好きだと思いました。
深みのある黒や、柔らかい陰影が私の好みです。
シーンやその時の気持ち、雰囲気に合わせて気軽にスタイルが選べて、嬉しい機能です。
そのため、JPEG撮って出しのままで特に色味の現像をしない方に特にオススメしたいカメラです。
マイクロフォーサーズと聞くと、あまりボケないのではないか?という心配がありました。
まず、こちらは開放値F1.7で撮影した写真です。
背景の草もしっかりとボケていて、ボケ味で不満に思うことはありませんでした。
確かに、フルサイズ機に同じF1.7前後の単焦点レンズをつけるとよりボケることは確かです。
しかし、これくらい背景の情報を残した程度のボケ感の方がどんな景色で撮影したのかを思い出せるので良いなと思います。
こちらは、F5.6まで絞ったものです。
少しボケていますが、背景の草花がはっきりと認識できます。
同じ紫の花にピントを当てていますがF1.7の写真と比べるとより花びら一枚一枚の筋まではっきり目視出来ます。
F16まで絞ると背景まではっきり描写可能です。
広大な風景写真などの場合は、これくらいまでしっかり絞り切って余すことなく風景を切り取りたいです。
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あくる日、晴天に恵まれましたので早速出かけました。
青空はスッキリと澄み渡り、雲一つありません。いつも通る川沿いの道は初夏の陽気に、草も踊るように成長していきます。
緑も青もスッキリとした透き通るようなクリアな色味です。
雨の時とまた違った顔を見せてくれるG9PROⅡにやはり、心が躍ります。
せっかくの休日、せっかくの晴天。
少しだけ贅沢を楽しもうと思いました。開店したばかりで気になっていたクラフトビールのお店に出かけてみます。
晴れの日に合わせて、柔らかな酸味とクリーミーな味わいが特徴のホワイトエールを選びました。小腹もすいていたのでローストビーフサンドを選びました。
ここで撮影して気がついたのは、黄色の鮮やかさです。
解像力の高さはもちろんですが、ピント面がとげとげしすぎないのでテーブルフォトにもピッタリです。
食べ物の写真を美味しく撮るのにピッタリのカメラだと思いました。
LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH.も最短撮影距離が20cmのため無理せず撮影することが可能です。
縦構図でも一枚撮影しました。
G9PROⅡは、グリップ感が良く縦にしても横にしても握りやすいカメラだと思いました。
自由自在に好きなスタイルで写真を楽しめてしまいます。
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気の向くままに、心のむくままに。
シャッターを覗いて撮影するたびに、自分の欲しい絵がそのまま出てくるカメラです。
色味の調整で現像しない方、鮮やかな色味が好みの方はきっとこのカメラが好きになります。
G9PROⅡに出会えてよかった。そんな気持ちになる、一押しのカメラです。