【PENTAX】はじめましてPENTAX。ありがとう645D。
17年前の2005年3月。
まだ学生気分が抜けきれていない社会人2年目、ガラケーのコンテンツを楽しんでいるそんな時代。
2005年といえばEOS5DやD200が発売された年。
世間一般的なイベントで言うとディープインパクトの無敗三冠馬達成や愛・地球博の開催などがありました。
そんな中、現在行われているCP+の前身となる写真関連の製品を集めた展示会、フォトイメージングエキスポ(PIE)で発表されたカメラがあります。
その名もPENTAX 645 digital(仮)
645発売までの歴史
~発表から開発中断~
2005年の発表と同時に多くのカメラマンや写真愛好家から注目を浴び、その後幾度となく仕様の変更や見直しが行われ、その発売を心待ちにしている声も次第に増えていきました。
しかしながら2008年に開発が中断してしまいます。
~開発再開から発売~
その翌年の2009年に開発が再開するも気付けば、発表から約4年の月日が経っていました。
2009年にはPIEの開催は終了。2010年には皆様ご存知 CP+(Camera & Photo Imaging Show)がスタート。
PIEからCIPAが離れ、2010年から新たに立ち上げたという経緯があることから、初回の開催は注目や関心は高かった様に感じます。
さらに2010年2月にティザーサイトが出た際には待ち望んでいたユーザーは感動したのではないでしょうか。
同年2010年5月に一旦発売が決まるも6月に延期、そして6月11日に満を持して645Dが発売されました。
その当時としては35mm判フルサイズのフラッグシップ機とほぼ同等という、中判デジタルカメラとして他に類を見ない、店頭価格80万円台での発売となりました。
今でこそGFXシリーズがありますが、当時としては確実に中判デジタルカメラへの入り口が広がったことだと思います。
~発売から現在に至るまで~
645D発売から4年後、後継機として645Zが発売。
センサーは4,000万画素のCCDから5140万画素のCMOSとなり、基本的な機能のスペックアップはもちろん、ライブビュー撮影やAF性能など後継機に相応しいスペックとなりました。
余談ではありますが2011年7月20日~9月20日に期間限定で645DJapanの受注生産が行われました。
その当時のMapTimesもぜひご覧ください。
少し話が長くなりましたがここからは実際に撮影した写真をご覧ください。
空気まで切り取る圧倒的な解像感。
当時の常識から考えると645Dを気軽に持ち歩きスナップ撮影を行う。と言うこと自体が驚きの発想かもしれません。
Kodak製CCDが映し出す、目の前の物を触れられるかのような立体感と光の捉え方は現代のカメラでは味わえない。そんな一枚だと感じます。
パッと目に映った光景をスナップするには少し大きめなボディとシャッター音。
それを余って補う描写力が重量感ある645Dを持ち出す気力にもなります。
ブラックミストNo5を装着し撮影を行いました。
逆光で撮影を行うとネガフィルムの様な質感になります。
撮り方を変えるとポジフィルムの様な質感にもなります。
AFの話。
今現在各種最新カメラを使用している中でも特段遅いと感じる事はありませんでした。
むしろ食いつきは程よく迷うこともありません。
日中であれば動物園など少し薄暗い場所でもストレスは感じません。
網戸越しに撮影した一枚。
こちらも特に迷い事なくスムーズにAFが合いました。
夜撮は不可能でもない。
FA645の一部のレンズには手ぶれ補正が付いています。が現在発売されている様な強力な手ぶれ補正ではありません。
撮影に使用したレンズはすべて手ぶれ補正機能が無いレンズでの撮影となります。
久しぶりに、かなり久しぶりに手ブレしないシャッタスピードを探ることから始めます。
645Dの最大ISO感度は拡張して1600・・・ISO1600です。
重量はあれどグリップが深くホールド力が高いこととファインダーを覗くことで手ブレをある程度軽減できる。
そんな基本的なことを忘れるほど現在販売されている強力になった手ブレ補正機能に頼った撮影方法をしていたのだと少し反省しました。
ポートレート撮影に関して。
645Dでポートレート撮影をしたいとお考えの方もいるかとは思います。
ここ5年以内に発売されたカメラをお使いの方からすると『実用』とは言えません。
SDカードスロットがUHS規格に対応していないため4000万画素のCCDで撮影した写真が保存されるのに体感3秒。
レンズ補正、ノイズ除去補正などボディ内で設定が可能な補正をすべてONにした場合10秒近くかかります。
条件を付けるのであれば友人、またはモデルさんとの関係がある程度構築された方、撮影後すぐに確認できないためその間を埋めることができるか。などが『実用』としての条件になると思いました。
2022年に使うカメラとして
圧倒的な画力、立体感、手に感じる良質なシャッターの感触。
少し懐かしさを感じる画作りはCCDでしか味わうことのできない愉しみかた。
本ブログがPENTAX645Dに関して最新の作例や所感であり、おそらく最後。
645Dを購入する際に作例を調べてみようとしたところ、雑誌などでの作例が多かったのか意外にも数は少ない感じました。
2022年、令和の時代に中判デジタルCCDを今一度使ってみたい!と思っていただけるお客様に少しでも参考にしていただけたら幸いです。
もちろん後継機の645Zもオススメです。