【PENTAX】カスタムイメージ 「春紅(HARUBENI)」を愉しむ
2023年3月9日に公開されたPENTAX K-3 Mark III、PENTAX KFとPENTAX K-1シリーズのファームウェアのアップデートを行うことで、新たなカスタムイメージ Special Editionの拡張が可能となりました。
特定のリミテッドレンズを装着することで使用できるカスタムイメージSpecial Editionは春夏秋冬に合わせて順次公開され、今回はその第四弾となります。
第四弾に選ばれたのはその名も「春紅(HARUBENI)」。
春の到来を感じさせる桜の淡いピンク色や春霞でくすんだ青空を意識した画作りのカスタムイメージとなっています。
「本質」「感性」「不変」をポリシーに開発されているPENTAXのLimited Lensシリーズ。
収差をコントロールし、その場の空気感をそのまま写し込む独特な描写は、まさにPENTAXレンズの真骨頂。
それでいて外観も高品質なアルミ削り出し鏡筒とこだわりぬいており、所有欲を満たしてくれるレンズシリーズになっております。
その中から今回選ばれたのは以下のレンズです。
「HD FA 77mm F1.8 Limited」
「HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR」
K-1/K-1 Mark II (J limited 01含む)とK-3 Mark III、KFで使用ができるようになった「春紅(HARUBENI)」ですが、今回は「K-3 Mark III」と「K-1 Mark II」とそれぞれのレンズを持ち出して撮影を行いました。
まずは動画からご覧ください。
春の暖かな気候の下、咲き乱れる桜の周りには多くの人で溢れていました。
今回の動画の撮影は「K-3 Mark III」と「HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR」を使用して撮影しております。
例年にも増して開花の早い桜ですが、しっかりと私もカメラで収めることができました。
さて、カスタムイメージ「春紅(HARUBENI)」ですが、一見すると「鮮やか」等のカスタムイメージと差がないように思えます。
実際に比べてみましょう。
PENTAX K-3 Mark III + HD FA 77mm F1.8 Limited
カスタムイメージ「鮮やか」
PENTAX K-3 Mark III + HD FA 77mm F1.8 Limited
カスタムイメージ「春紅(HARUBENI)」
いかがでしょう。
上がカスタムイメージ「鮮やか」で現像したもの。
下がカスタムイメージ「春紅(HARUBENI)」で現像したものです。
パッと見では分からなかった違いも比べてみると明白です。
春の特徴的な桜を意識していることもあって、その桜の薄い紅色の色彩の出方にこだわりを感じます。
「鮮やか」に比べてその紅色が青みが抜けて表現されているので花びらの立体感や温かみみたいなものが増して表現されます。
もう一枚比べてみましょう。
PENTAX K-3 Mark III + HD FA 77mm F1.8 Limited
カスタムイメージ「鮮やか」
PENTAX K-3 Mark III + HD FA 77mm F1.8 Limited
カスタムイメージ「春紅(HARUBENI)」
先ほどと同じく、
上がカスタムイメージ「鮮やか」で現像したもの。
下がカスタムイメージ「春紅(HARUBENI)」で現像したものです。
花の紅色だけでなく、もう一つ特徴的な春霞の青空。
「鮮やか」で撮影したものはカラッと乾いたような雰囲気でクリアなイメージを持ちますが、実際の色に近いのは「春紅(HARUBENI)」の方。
青にややグリーン系が混じることで霞んだ表現を実現しています。
見る人が見るともしかしたら鼻がムズムズしてしまう、そのような青空が見事に再現されています。
PENTAX K-3 Mark III + HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR
こちらのレンズは動画撮影も行った「HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR」です。広角から中望遠までをカバーする常用しやすい2倍ズームレンズの本レンズ。
35ミリ判換算の焦点距離は30.5-61.5mmと風景からポートレートまで幅広くこなします。
また、絞りは可変ながら望遠端でもF4と明るく、ワイド端に限ればF2.8と十分にボケも得られる絞り値となっております。
PENTAX K-3 Mark III + HD FA 77mm F1.8 Limited
一方の「HD FA 77mm F1.8 Limited」は白色の描写にこだわりのあるLimitedレンズ。
白1色ではなく、白とされる何色もの色を緻密に描き分けることができる本レンズ。
それに加えて先代で定評のあった赤色系の色の出方の良さを引き継いでおります。
まさに、花びらの淡い白色と縁や花の中心部の紅色を表現する「春紅(HARUBENI)」のためのレンズといっても過言では無いでしょう。
「K-3 Mark III」に装着した場合、 35ミリ判換算の焦点距離は 118mm相当となり、明るい中望遠レンズとしてお使いいただけます。
PENTAX K-1 Mark II + HD FA 77mm F1.8 Limited
フルサイズセンサーの「K-1 Mark II」との組み合わせであれば、そのレンズの性能を遺憾なく発揮してお使いいただけます。
ピント面はシャープに写り精巧な描写力があります。
それでいて大口径のF1.8としてボケ量が大きく、硬くなくやわらかい描写のレンズなのでなめらかにボケを表現してくれ、ポートレート撮影にもうってつけです。
PENTAX K-1 Mark II + HD FA 77mm F1.8 Limited
距離感を作ってあげることでボケ量も増していきます。
桜だけでなく可憐なカタクリも咲き誇り、すっかり春の装いです。
全体的に温かみが増すため桜以外で「春紅(HARUBENI)」をご使用いただいても良い雰囲気を醸し出してくれるでしょう。
季節はすっかりと色鮮やかな花々が咲き乱れる時期となり、暖かな空気感を演出することができる「春紅(HARUBENI)」はまだまだ大いに活躍できる場面が多そうです。
コントラストが高めなのではっきりとした写真を撮ることができます。
シーズンが進むごとに一つずつ追加となるカスタムイメージSpecial Edition。
咲き乱れる桜と暖かな空気感が印象的な「春」。
ついに出そろった「春」「夏」「秋」「冬」。
次はどんな仕掛けがあるのでしょう。まだまだPENTAXから目が離せません。
第四弾「春紅(HARUBENI)」の記事は本記事↓