「じゃ、いってきます。」
「いってらっしゃい。 お帰りは何時頃ですか?」
「6時くらいには帰ると思う。」
そう妻に告げ、7月20日午後3時過ぎ、家を出ました。
向かった先は、川崎大師の「風鈴市」。
全国の特産風鈴を多数吊るして展示、販売する、毎年恒例の結構大きなお祭りです。
このところ休みのたびに、「夏らしいことがしたい!!」と、「趣味:ゴロ寝」の私の安寧を脅かす妻ですが、今日はお留守番。
「風鈴市」なんて、こんな夏らしいイベントになぜ? とも思いますが、妻の祖母にあたる人が生前「川崎大師とはあまり相性が良くないので、○○家(妻の実家)の者は近付かないように。」と言い残していたとか…
…ご先祖のお告げなら仕方がありません。 毎年、私一人で行くことにしています。
「涼やかで夏らしい、いいお祭りなんだけど、本当残念だなぁ……」
そう言いながら、いつもよりフィルムを多めにバッグに詰める私…
ところが、今年はご存知のように「命に関わる危険な暑さ」。
いつもは昼頃から出かけていたのですが、今回ばかりはちょっと無理… 幸いこの日、金曜日は午後8時までやっているということなので、のんびりと家を出ました。
お伴のカメラは、ローライフレックス 3.5F(プラナー)。 前回紹介した 2.8シリーズの姉妹版ともいえるカメラです。
搭載レンズは、2.8シリーズと同じように「カールツァイス プラナー 75㎜ F3.5」と「シュナイダー クセノタール 75㎜ F3.5」の2種類が用意されていました。
ボディサイズは全く一緒なのですが、80㎜レンズよりも口径が一回り小さいため、若干軽く感じます。
左:3.5F、右:2.8F
2.8Fは、レンズの重みのぶん重心が前面にあり、構えた時前のめりになる感じがしますが、3.5Fはバランスが良く、構えると手の中にすっぽり収まる感じ。
現行品として活躍していた時から、アマチュアカメラマンの間ではよりレンズの明るい 2.8Fのほうが人気が高かったのですが、プロカメラマンにはボディバランスが良くシャッターのテンションも軽い 3.5Fを愛用する人が多かったようです。
カールツァイス プラナー 75mm F3.5
遠出の旅行にはちょっとでも軽いほうがと、3.5Fを同行させることが多く、過去のブログ『二眼レフは、いかがですか?』や『棚からローライ』などにもたびたび登場する、一番の愛機です。(…えぇ、宣伝です。)
川崎大師には、京浜急行線の「京急川崎駅」から京急大師線で3駅ほど。 自宅からだと30分もかからずに到着します。
すでに23回を数えるこの催し。 この一帯の夏の風物詩ともいえるもので、結構な賑わいを見せていました。
では、さっそく撮影を、と颯爽とローライをバッグから取り出す私。 …おっと、フィルム入れてなかった。
午後4時前のこの時刻、まだまだ日差しは強いですが日陰も多くなってきました。
風鈴が飾られているのが特設テントの軒下ということもあって、感度400でもちょっと厳しいのですが、昨今のフィルム発売状況により今回はコダックのポートラ400で。
ローライフレックス 3.5F(プラナー) コダック ポートラ400(以下、同じ。)
風鈴市名物の「川崎大師だるま風鈴」 手書きで絵付けされているため、1つずつ表情が異なります。
暗めなので、あまり絞り込めません。 風鈴の後ろにぼんやりと風鈴のような… 失礼。
近接撮影用のローライナーを装着して撮影。
ローライナー1使用
適度にブレて、風に揺れる風鈴らしさが出ました。 ボケも自然な感じで、その分被写体の輪郭がうまく浮き上がっています。
「それで撮ると、違って撮れるの?」 撮影に夢中になっていたら、いつの間にか目の前にいた売り子の女性に声を掛けられました。
「…えぇ、まぁ、古いカメラなんで、それなりに…」…って、なんてグダグダな受け答え… すみません、店舗の外では、こんな感じです… 妻いなくて良かった…
ローライナー2使用
毎年のように来ているのですが、色々な形の風鈴が美しく、いつもついついアップでの撮影が多くなってしまいます。
いかん、いかん…
またまただるま風鈴… なかなかこっち向いてくれません…
みんなお姉さんのほう向いてます… まぁ、気持ちは分かる…
陶器の風鈴も音色が素敵です。
みんな撮影に夢中です。
お坊さんだって撮りたい。 オリンパスですね…
浴衣に風鈴… 本当似合います。
ウエストレベルで撮ると少し下から見上げる形になるので、人物と吊ってある風鈴の組み合わせにはちょうど良いか。
浴衣の方、チラホラいらっしゃるのですが、周りに他のカメラマンの方が多くて… 皆さん、狙いは同じです。 私なぞはシャイ過ぎて、とても近づけません…
なんだかんだで二回りくらいしてしまいました。 ちょっと疲れたのでここらで休憩。
まぁ、妻もいませんし…
本堂の方が賑やかになってきました。 仲見世通りから始まった風鈴踊りの集団が、本堂前までやって来たようです。
結構ベテランの方が多い中に若い娘さんも… まぁ、妻もいませんし…
そういえば、まだ本堂にお参りしていませんでした。
(給料上がりますように…、給料上がりますように…)
そして、恒例のおみくじタイム。
「末吉」 ……微妙…
・願望:失望せず後の達成を信じてよし
・悦び事:おそし
・職業:意に満たぬ日続くも精進すれば後よし
……どうやら、しばらく給料上がらないようです……
ぐるっと回って、縁日の屋台もひやかしてきました。
金曜日だし、昼間暑かったし、それほどの賑わいではありませんでしたが…
気がつくと、妻に告げていた時間を大幅にオーバーしていました…
まずい…
結局、7時をかなり過ぎて帰宅…
「おかえりなさい、楽しかったですか?」
「う~ん、一人だったしねぇ… まぁまぁだったかなぁ」
この日は、土用の丑の日。 鰻でした…
…なんか、ごめんなさい……
連れて帰ったにゃんこ型風鈴と…
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