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【Rollei】中判フィルムがなくなったら、カメラはやめる… かもしれない

【Rollei】中判フィルムがなくなったら、カメラはやめる… かもしれない

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 三崎港

マップカメラの30周年創業祭もいよいよ終盤! 夏の終わりを感じさせる季節になってきました。
マップカメラではこの夏「夢中」をテーマに、スタッフがいま夢中になっている「モノ」「コト」を紹介いたします。

「今でも中判フィルムカメラがメイン機です。」
と言うと、皆一様に驚いた顔をして、
「まだそんなカメラ使ってるの?」とか、
「フィルム現像してくれるところあるの?」とか、
「フィルムカメラって何?」
なんて言われてしまいます。

学生時代、父のお下がりのカメラを手にしてから40年近く(デジタルカメラなんてものは、存在すらしていませんでした)。
社会人になって、中判カメラにまで手を伸ばしてからでも30年ほどの年月が経過しています。

その間、様々なカメラを手にし相棒としてきました。
なかでも一番自分の手に馴染み、愛機として活躍してくれることになったのがローライの二眼レフカメラでした。

どんなカメラに魅力を感じるかは、人それぞれです。
先ず何より画質を重視されるという方が多いとは思いますが、撮影目的によって高感度撮影に強いものとか、速写性能・連写性能に特化しているもの、最近では動画撮影に優れているものを選ばれる方も増えています。
私の場合は、恥ずかしながら撮っている時の雰囲気という、かなりフワっとしたものです。

どこかノスタルジックな雰囲気漂う独特なフォルムの中判カメラは、提げているだけで絵になります。(…という気がします。)
ウエストレベルファインダーの大きなスクリーンに映し出される情景を愛でながら、ピントと露出を合わせ1枚1枚静かにシャッターを切る行為は、メモリーの許す限りバシャバシャとシャッターの切れるデジタル機と一線を画します。(…という気がします。)

…と、そもそも中判フィルムがどんなものか説明しなくてはなりません。

120フィルムとかブローニーフィルムと呼ばれる中判カメラ用フィルムは、パトローネ容器に入った35mm判フィルムと異なり、スプールという軸に巻かれています。
撮影画面のサイズは1辺が6センチ、もう1辺の幅はカメラによって様々です。6×9、6×8、6×7、6×6、6×4.5などのフォーマットがあり、撮影できる枚数もそれぞれ異なります。
今回主に紹介する6×6判は正方形(スクエア)フォーマット、フィルム1本で12枚撮影ができます。
そう、たったの12枚! ゆえに自ずと1枚1枚じっくり撮るようになります。

「二眼レフカメラ = ローライ」というくらい、ローライ社は二眼レフカメラを代表するメーカーです。二眼レフカメラの歴史そのものと言っても過言ではありません。(今回、その歴史的なお話は省略いたします。)
なかでも代表的な機種は、75mm F3.5の撮影レンズを搭載した1959年発売の「ローライフレックス 3.5F」と80mm F2.8レンズ搭載1960年発売の「ローライフレックス 2.8F」。二眼レフカメラの完成型と言われています。
どちらの機種にも、撮影レンズにカールツァイス社の「プラナー」とシュナイダー社の「クセノタール」という銘レンズが用意されていました。

私が所持しているのは、そのFシリーズと、一世代前でより安価に入手できたEシリーズのもの。Eシリーズでも搭載レンズはFシリーズと同じです。

ご近所を散歩する時、ローライのファインダーを通すと何気ない日常のワンシーンが愛おしく感じられます。

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 蒲田

3月、終業式の日でしょうか。たくさんの荷物を抱えた子どもたちが前を歩いていました。

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 蒲田

つる草の生命力は、自宅の庭でなければ感心して見ていられます。

Rolleiflex 2.8E (Carl Zeiss Planar 80mm F2.8) 池上

夏の午前中、近所のお寺の木でセミの羽化が見られました。
バックの木漏れ日、光源ボケは絞りの五角形の形に。

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 池上

電車に乗ってのお出掛け時にも、バッグの中にローライ二眼レフを詰めて。

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 城ヶ島

Rolleiflex 2.8E (Carl Zeiss Planar 80mm F2.8) 鎌倉

スクエアフォーマットで広がりを表現するのは難しいですが、風景を凝縮したような描写表現が出来、それがお気に入りになっています。

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 清澄庭園

静かな風景を大きなフォーマットで撮ると、より静謐さが強調されるような。

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 代官山

昔から人物撮影向けのプラナー、風景写真に適したクセノタールという評価がされています。
先人たちの言葉として頭の隅っこの方に入れていますが、普段意識して使い分けるということはありません。

春の梅や桜は勿論、季節を彩る風物詩の撮影にもローライは欠かせません。
なんか、二眼レフ機で撮るという行為自体に風情が出るような… 気がします。

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 池上

Rolleiflex 3.5E2 (Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) 大崎

桜は毎年のように撮り続け… ついに花自体を撮らなくなりました。

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 川崎大師

川崎大師の風鈴市も毎年のように行っていますが、最近は風鈴の飾り方が変わってしまい、写真が撮りづらくなってしまいました。これは少し前の写真。

ローライ二眼レフ以外にも様々な中判カメラを使用してきました。
ハッセルブラッドは、ローライと双璧を成す中判一眼カメラの雄。

ローライの「カショッ」という静かで控え目なシャッター音に対し、シャッターを押した瞬間「バコッ」と響くバックシャッターの開閉音と手に伝わるミラーショック。その瞬間をフィルムに刻み込んだという確かな実感がわきます。

HASSELBLAD 500C/M + Carl Zeiss Planar C80mm F2.8) 湯島天神

フィルムマガジンを複数持っていれば、フィルムの途中でカラー・モノクロの切替も可能に。

HASSELBLAD 500C/M + Carl Zeiss Planar C80mm F2.8) 夢の島

HASSELBLAD 500C/M + Carl Zeiss Planar C80mm F2.8) 昭和記念公園

ウェストレベルファインダーならではのローアングルでの撮影。ただし傍から見ると怪しい人に見られます。

遠出の旅行の際は、二眼レフ機のほかにコンパクトなミラーレス一眼機も持っていきます。レンズ交換の出来ない二眼レフでは、どうしても撮りきれない情景もあるので。
結果として、二眼レフ機とミラーレス一眼機、記念撮影用のコンパクトデジカメの3機をとっかえひっかえすることに… 毎回、妻に呆れられています。
旅行の時のローライは、ローライフレックス 3.5Fと決めています。
社会人になって早い時期に手に入れたローライ。妻よりもはるかに長い付き合いで、幾多の旅をともにした同士です。

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 出雲大社

やはりこの迫力に圧倒されてしまいます。

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 宍道湖

夕景の美しさで有名な宍道湖。何度か訪れていますが、夕方晴れていたことがありません…
空と水面の境界が分からないような神秘的な情景でした。

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 毛越寺

巨木の持つパワーに圧倒されながら…

Rolleiflex 3.5F (Carl Zeiss Planar 75mm F3.5) 大洲

あまりの紅葉の美しさに、念のためミラーレス一眼でも何枚も撮った記憶があります。帰って現像してみないと結果が分からないので…

昔は1日フィルム5本を目安に、掛ける旅行の日数、さらに予備で5本くらいという感じでフィルムを準備しました。
それでも足らなくなり、旅の終わりの方は撮るのを控えた経験もあります。
それが今は… そう、フィルム代のなんと高騰したことか…
旅行の度にフィルム代と現像代で苦しい思いをすることになります。
どんなに値上げしても使い続けるのは、もはやお酒やたばこと同じ… 嗜好品の域にまできてしまった気もします。
そういえば、カメラを持ち出さない日が続くと、なんか妙にイライラ・ソワソワしたり… 中毒でしょうか。

中判フィルムがなくならない限り、やっぱり私はローライやハッセルブラッドの中判フィルムカメラを使い続けていくと思います。
その工芸品を思わせるような精緻な造形に魅了されてしまったから…
ウェストレベルファインダーのスクリーンに映し出される画に目を奪われてしまったから…
1枚1枚丁寧にフィルムに写し込んでいく所作が身に沁みついてしまったから…

つまりは、中判カメラと過ごす時間が何より心地よいひと時と思えるから…

 

 

ヌケの良いクリアな発色、鮮やかな色味が欲しければ、迷わずコレ。

常用に適したカラーネガ。柔らかで自然な色味を味わえます。

 

 

 

 

 

 

スタッフの”夢中”をご紹介するブログシリーズ、次回もぜひお楽しみに。

[ Category:etc. | 掲載日時:24年08月16日 17時00分 ]

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