【SIGMA】しぐまびより Part5
東京小金井に
江戸時代から昭和初期までの復元建造物が建ち並ぶ
江戸東京たてもの園という場所がある。
そんな場所があったのかと、心弾ませながら向かう。
花小金井駅という、とてものどかな駅からバスに揺られる事数分。
小金井公園に到着。
ランニングをする人、自転車を漕ぐ人。
道途中にSL機関車の展示があった。
毎日開放している訳ではなかったようだ、運がいい。
公園を暫く歩くと、江戸東京たてもの園が見えてきた。
入園料を払って中へ。
旧きものが好きな理由というのはうまく説明が出来ない。
ただ、自分には全く関係のない生活が、時間が流れていた証を見ると
その遠い日を想像して胸が高鳴る。
そんな自分にとってはここはとても楽しい場所だ。
館内を回っていて、ふと後ろを振り返ったときに
この窓が目を奪った。壁一面に一枚の窓。
ただそれだけなのにとても美しいもののように感じた。
横切る人達の流れが切れるまでじっと待ってシャッターを切った。
ただ曇り気味の天気がそうさせただけかもしれない。
閑寂な館内はまるで静かな緊張に包まれていて
次第に圧倒されていった。
1937年(昭和12)当時の写真館。
常盤台写真場(ときわだいしゃしんじょう)
北側から光を採れるように摺りガラスがはめこまれている。
どの館内もやはり光は少なく、
基本的にISO感度を800以上に上げて撮影をしていた。
そのせいもあってモノクロがほとんどだった。
ただ、この赤い椅子を見たときにどうしてもこの赤を写したくて
ISO感度を下げて粘った。
この赤い椅子だけがとても際立って見えた。
江戸東京たてもの園は大きく分けてセンターゾーン、
東ゾーン、西ゾーンという三つのゾーンに分けられている。
思っている以上に一つ一つの建物が魅力的すぎて、
全部回りきることが出来ずに駆け足での観光になってしまった。
次回は、とは言わずに何度も足を運びながら
じっくりと楽しみたい場所となった。
ただ気に入ったと同時に、
とても生気を奪われる場所だった。
そう頻繁に行ける場所ではないが、そろそろまた
足を伸ばしたくなってきた。
各地域の洋館に行った事があり
どこも素晴らしく、心弾ませたが
ここ小金井の江戸東京たてもの園の建物には
筆舌に尽くし難い空気感というか生々しさがあった。
興味を持たれた方は是非一度行ってみていただきたい。
ちなみに しぐまびより Part1 に載せた内のモノクロ数枚も
ここ、江戸東京たてもの園で撮影した写真です。
そちらも見ていただけるとこれ幸いです。
本日も見ていただきありがとうございました。