もう何年も羨望の眼差しで見つめるカメラ。
【SIGMA DP2 Merrill】
Foveonセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラで、換算の焦点距離は45mm。
同じシリーズに換算28mmの「DP1 Merrill」と、前回ご紹介した「DP3 Merrill」が存在しています。
何度だって伝えたいのはその色と写り。
前回に引き続き、“Merrillだから”こそ表現できる世界をお見せできればと思います。
待ちわびた五月晴れ。
線路沿いにそぞろ歩き。
夏を強く感じる前のきっと最後の晴れ間だろうということで、今日は歩く事を目的にDP2 Merrillを借りてきました。
バッテリーが長くは持たないカメラなので、鞄にはサブ機のフィルムカメラも。
この日、このフィルム入れたんだっけと思い出せるように撮ったフィルムのパトローネは撮影するようにしています。
特急の車窓越し、青っぽい写真が思い出させるのは旅の始まりの記憶。
天気予報通り、快晴の空。
城跡を登ればより太陽を間近に感じる正午過ぎ。
この見晴らしあってこその心地よさであり、内心木陰に逃げたい気持ちが盛り上がってきています。
撮影中は心許ないライブビューですが、見返してみればご覧の通り。
どことなく、コダック製のあのフィルムに似ている様な空の色が「ああ、これがメリルだ」と実感させます。
風合いを大切にしたいテクスチャも得意分野。
写真にすら季節を感じさせる色付けはこのFoveonセンサーならではのもので、自然光の良さを最大限引き出せているように思います。
個人的には50mmを狭いと感じており、それよりも僅かに広いであろう45mmの画角に助けられて違和感なく撮影ができている様な気もします。
それが本当に焦点距離5mmの差なのか、それとも単にこのカメラが軽い分、被写体に近づき過ぎる前に構えているからなのかは分かりません。
ですが、ストレスなく撮影できているということは大切に受け止めるべき事実でしょう。
あてもなく歩いていた筈なのですが、気が付けば立派なお寺の境内に辿り着いていました。
ただ運が良いと感じるか、何か不思議な力が働いていると感じるかは人次第。私は半々くらい。
荘厳と言うのが相応しい撞木造(しゅもくづくり)の金堂、甲斐善光寺のお導き。
信州善光寺と同じように今年は御開帳の年ですので、御本尊にお参りと、鳴龍、戒壇巡りをしてから歩みを進めます。
線路沿いは偶に電車が通り、その上を跨いだり、横切ったりくぐったり。
変化に富んでいて、どこの地域のどの路線でもお気に入りに成り得るルート。
そこに素敵なカメラが一台あれば、より素敵な一日になるという単純な足し算。
SIGMAが作り上げた(個人的に)最高のカメラ「Merrill」シリーズ。
いいかげん借りてばかりいないで買ってしまった方が良さそうです。お財布の言うことは一旦無視しましょう。
より素敵なこれからの1日の為に。
どのMerrillも大変な人気です。入荷しましたらどうぞお早めに。