【SIGMA】Cinematic,Sinematic ~しぐまびより~
映画のような日々。
でも「映画のような日々」がどんなものなのか。
ふと写真を見返した時に見つけた、ある春の日のことを振り返りながら少し考えてみます。
少し色褪せて音のボリュームも最小限まで下げたような世界。
勿論自分でそうやって現像した世界ですが、そのイメージに結びつくリアルが目の間にあったからこそ。
青空にピンク色に咲く「記憶」の中の桜。
その記憶の色を再現するのもいいけれど、この淡い色もまたいいものですね。
でもそう思うのはその記憶の桜を今までずっと追い続けてきたからでしょう。
いつまでも飽きずに、飲み続けられるお茶みたいです。ほうじ茶か、緑茶か。
渡し舟の船着場。
誰もいない、誰かいるはずの場所というのは少し寂しさを誘います。
勝手にそう思っているだけですが、そう思うからこそこの写真を撮ったわけで。
目の前の景色に自分の気持ちを挿して残す。
シャッターを「切る」という言葉に少し自分なりの意味が付いた気がします。
水面に浮かぶ桜とさくら。
もはや桜ともわからない前ボケの花びらの柔らかい滲みを愛おしく感じます。
自分の日々が映画のようなものだと思ったことはありません。
でもこうして写真で見返した時、映画の枠に自分の日々をはめてみた時、
割と悪いものじゃなかったじゃないかと、少し嬉しくなりました。きっと日々とはそういうものなのでしょう。
卒業と旅立ち。
今その時を迎える人たちに当事者ではない私にかけられる言葉などありませんが
そのたった1日で終わってしまう時が、今は物悲しくとも、満開でなくても、
振り返ることができるようにどんな形でもいいから残してみてほしいと願います。
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最初の一枚目の下に「Sinematic」と書いてあって
「Cinemaetic」じゃないだろうか。と思っていただいた方に。
まさにその通りです、この写真を撮ったのは『SIGMA fp』。そしてアスペクト比を『21:9』にして
元の画像サイズに黒枠を付けた写真なのでSIGMAの頭文字『S』でシネマティックにしました。
こうやって黒枠が入るだけでこのアスペクトへの没入感が高まるのでとてもおすすめです。
そしてもう一つ。今回はカラーモード「ティールアンドオレンジ」をベースにしていますが
秋っぽくなってしまうグリーン系の色相をもともとのグリーンに寄せるように変えています。
そのおかげで「ティールアンドオレンジ」の少し湿度のある感じのまま春の緑の違和感をなくすことができました。
自分の好きな色を探す。そんな写真の楽しみ方も面白いです。新しい季節に新しいことを初めてみませんか。
▽▽▽今回の機材はコチラ▽▽▽