【SIGMA】fpLはシネマカメラの夢を見るか? ファームウェア Ver.2.00『フォルスカラー編』
SIGMAからfpLのファームウェアアップデートの発表が1月27日にありました。
内容を覗くと、スチルユーザーの方には馴染みの少ない単語がチラホラ。
『フォーカスリング制御』・『フォルスカラー』など・・・。
一体全体なにが変わったのか、パッと見るだけでは判断しづらい内容かもしれません。
しかし、動画ユーザーから見ると、素晴らしい内容のアップデートであり、まさにfpLがまた一歩シネマカメラに近づいた瞬間でした。
それでは具体的にアップデート内容を確認してみたいと思います。
今回は注目機能である『フォーカスリング制御』と『フォルスカラー』について特集したいと思います。
本機能は現在fpLのみのアップデートとなっております。fpに関しては4月公開予定となります。今しばらくお待ちください。
それでは改めまして、アップデート内容の詳細を確認していきましょう。
前回は『フォーカスリング制御』について触れました。
今回は『フォルスカラー』について解説していきます。
そもそも、フォルスカラーとは一体どのような機能なのでしょうか?
fpLの説明書には次のように記載されております。
・画面内の露出の状況が色分け表示され、任意の部分の露出の状況を把握することが出来ます。
メニュー画面を確認すると色の分布がどのようにされるかを把握することが出来ます。
紫→露出アンダー(ほぼ黒つぶれする部分)
青→黒つぶれしそうな部分
緑→18%グレー上のほぼ適正露出の部分
ピンク→適正露出に対してほぼ+1EVの部分
黄色→白飛びしそうな部分
赤→露出オーバー(ほぼ白飛びする部分)
この様な分布の仕方をします。
上記の画面を見て頂けるとメインの被写体となっているカメラには緑色がのっています。
これは適正露出にあることを表示しています。画面の上側が赤く表示されていますが、そこには照明が配置されています。直接写りこんでしまっているので露出オーバーであることが分かります。
このようにフォルスカラーは画面全体を把握しながら露出の分布状況をイメージできるので、ライティングや絞りの決定が容易になります。
画面上において、適正露出を確認出来ることは勿論のこと、カラーグレーディンの際に情報がなくなってしまう白飛びや、黒潰れが防止できるのでポストプロダクション作業でのクオリティ向上につながります。
液晶画面上の見た目で露出を判断することが比較的容易になった最近のデジタルカメラですが、周囲の照明環境やそれぞれのモニターのデフォルトの輝度の違いなどにより、正確な露出状況を把握することは難しくなります。
そのようなシチュエーションでもフォルスカラーの機能があれば、環境に左右されることなく適正露出を確認することができます。
一般的には業務用のモニターや、シネマカメラなどにはフォルスカラー機能が備わっていることが多いのですが、一般ユーザー向けのカメラでこの機能を搭載しているカメラは少ないです。
実際にフォルスカラーを使用するにはカスタムボタンに機能を割り当てる必要があります。「カスタムボタンの機能」より、任意のカスタムボタンに「フォルスカラー」を割り当ててください。ボタンを押す間のみ表示され、動画撮影中には使用できません。
また、以下の機能、および設定は併用できません。
HDR撮影、Fill Light、Fill Light BKT、バルブ撮影
ディレクターズビューファインダー、HDMI出力:記録映像出力
露出決定のサポートとして非常に役立つ機能「フォルスカラー」
正確な露出分布状況を把握して、ポスプロ作業時により幅広い階調にてグレーディング作業を行うことができます。
他に類を見ない新機能をアップデートし続けるfpシリーズ。今後もその展開に目が離せません。