今回使用したレンズはSIRUIの「 50mm F1.8 Anamorphic 1.33X」、アナモルフィックレンズと呼ばれる動画撮影用のレンズです。
アナモルフィックレンズは主に映画撮影に使われており、映画用フォーマットであるシネマスコープ映像を撮影するために開発されました。
「シネマスコープ」と言うと聞きなれないかもしれませんが、上下に黒帯が入っている映像はよく目にするのではないでしょうか。
通常のレンズで撮影した素材からシネマスコープ映像を作ると映像の上下をトリミングする必要があり、画像の一部をカットしてしまいます。
それに対してアナモルフィックレンズでは横方向を圧縮して記録、編集で比率を元に戻すことで映像全体を無駄なく使用出来るという訳です。
(左)元画像:(右)修正後
元画像を見て頂くと横方向に圧縮されているのが分かると思います。
このレンズは横方向に1.33倍圧縮して撮影しますので、編集で横方向を1.33倍伸ばす必要があります。
Adobe Premiere Proの場合、クリップを右クリック→「変更」→「フッテージを変換」、「HDアナモルフィック 1080(1.333)」を選択してください。
Adobe After Effectsも同様に「フッテージ変換」から変更します。
その他の動画編集ソフトやAdobe Photoshopなどの画像編集ソフトでも本来の縦横比に戻すことで正しい映像になります。
撮影に使用したカメラはSONY「α9II」
APS-Cまで対応のレンズなので、撮影の際は「APS-Cモード」を使用しました。
撮影は4K、掲載画像は全て動画から切り出したものです。
もちろん、このレンズの特徴はただ横長に撮影できるだけではありません。
アナモルフィックレンズは主に「独特の周辺歪み」「レンズフレア」「楕円形のボケ」が特徴となります。
レンズフレア
楕円形のボケ
独特の周辺歪み
アナモルフィックレンズへの憧れから、「周辺歪み」「レンズフレア」を編集で再現しようと努力していた映像クリエイターも多かったと思います。
これまでは手に入れる事の出来なかった憧れのアナモルフィックレンズの描写が誰にでも手の届く時代になりました。
ぜひ皆様もシネマライクな撮影をお楽しみください。
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