【SONY】α Like Vol.1「遠景」
SONYSONY G Master/G lensα Likeα7 IIIα9III 120コマ/秒対応スタッフおすすめ機材厳選アイテム山
四季の移り変わり。
山深き長野県で生まれ育った筆者は、山肌の彩りや白積む鋭鋒で季節を感じてきました。
休日となれば愛車で峠を駆け上がり、眼前でゆるりと寛ぐ山々にカメラを向け
胸を借りるような気分で徒然を収めてきた人生です。
海なし県と揶揄される故郷でも、素晴らしい雲の海を臨むことが出来ます。
全ての境界線が曖昧になるようなゆったりとした時がここには流れています。
日ノ本の象徴として古から尊崇を集める富士山。
信濃の遥か霊峰からでも見上げてしまうのですから、偉大としか言いようがありません。
カメラを携えるようになってから、意識が変わった事があります。
空は昼、夕方、夜の3色ではなく、刻一刻とその色味を変える無限の階調を持っています。
沈む日が世界を朱々と染め上げる頃、夜を目前とした太陽の粋な悪あがきを受け止める事が出来ました。
都心で生活するようになり、あれほど親しんだ山々とは少し離れてしまいました。
代わりに、日々絶えず変化する街の移り変わりが、いろいろな発見をもたらしてくれます。
時系が進むほどに空は露出を下げるのに、人が作り出した灯りがそれを補うように煌々と照らしている
そのアンバランスさが面白く感じ、同じ構図で時間を変えて撮影しました。
シャッターチャンスは呆けていれば刹那に失われるもので、遠景と対峙した時は特にそれを思います。
今回は、16:9の構図で撮影した写真をご覧いただきました。一枚一枚その時の情景を感じていただけるよう撮影していますが、なかなかベストショットと納得できる写真に辿り着くのは難しいものです。
αと共に歩む写真人生のなかで、いつかベストショットを撮るその日まで。