世界初のグローバルシャッターを搭載したフルサイズカメラ「α9Ⅲ」
今回この世界初のカメラと共に、野鳥の撮影へ赴きました。
今回は前回に引き続き野鳥が被写体ではありますが、その中でもメジロに特化して書いていこうと思います。
目の周りに白いリング状の模様が特徴であるメジロ。日本語の名前の由来も目にある白い模様から取って目白(メジロ)と名付けられたそうです。
なぜメジロだけにしたのかと言いますと、今回撮影に向かった際にメジロが活発に飛び回っていたのでそこでの撮影に丸一日使ってしまったからです。
活発なうえに、寒桜の周りを飛んでいたので見た目も華やかでいわゆるとても映える状態でした。
しかも定期的に集まって来てしばらく花を啄んだ後、別の木に向かって飛んでいきます。さらにその後しばらくするとまた寒桜に戻って来てくれます。
飛んで行ってしまった間にレンズから手を放し休憩を取り、戻ってくるまでに備えることが出来るので時間さえ許せばずっと滞在できるくらいでした。
今回撮影を行った寒桜の木には、珍しくメジロがたくさん集まっておりました。
メジロが多数飛んでいた寒桜の木の周りには他に花を咲かせている木が無かったのでそこにメジロが集中していたのではないかと推測されます。
撮れ高に関して先にお話しをしますと、個人的には大満足な撮れ高でした。
この撮影で行った主な設定は
「プリ撮影:オン(時間1.0秒)」
「フォーカスエリア:トラッキングS/フレキシブルスポットM」レンズのフォーカスホールドボタンに片方どちらかを割り当てて必要に応じて変える。
「シャッタースピード:1/1600~1/3200固定のSモード」ISOが上がり過ぎた場合適宜下げて調整。もし明るさに余裕があれば、もう少しシャッタースピードを上げて1/4000くらいにした方が良いかもしれません。
その方が羽が被写体ブレせず、撮れる確率が上がります。
「被写体認識:オン」この設定にすると、半押しAFやAFオンでも設定した被写体を検出してくれます。
基本の設定はこの辺りです。撮影モードについてはMモードでも個人的には問題ないと感じました。その時は基本シャッタースピード優先で露出の値が―0.3~0になるように他の設定を都度変えていきます。アンダー気味でも現像等で持ち上げることが出来るので、ISOが上がりすぎないようにするのと、シャッタースピードを下げすぎないように気を付けます。
メジロは前後左右どのように動くか全く予想が出来ませんでした。右側を向いていたを思いきや急に左側に飛んで行ったりと筆者の経験値では行動の予測が立てられず、今回の撮影もしっかりプリ撮影に依存する結果となりました。
ここから先はプリ撮影がいかに素晴らしいか、についてだけ書くことになりそうなくらい全ての写真がプリ撮影で撮られたカットになります。
まずはこの一枚、ちょっと遠めのメジロにフォーカスしている写真。飛翔しているシーンを撮りたいと思ったのですが上記で書いた通り行動の予測を一切立てられないので少し遠いメジロで試してみました。
上記で撮られたカットと同じシーンです。
飛び立った直後にシャッターを押しているのですがプリ撮影の設定を1.0秒に設定しているので、このように飛翔している写真を二枚撮ることが出来ました。
何度か試行錯誤するうちに、ちょっと慣れてきたせいか大きく写したいという欲が出てきたので、少しずつ手前のメジロの飛翔を狙ってみました。
何度か撮っているうちに、たまに予備動作をしてくれる時がある事が分かりました。体が小さいのと寒桜の枝などで分かりにくいのですが、飛び立つ前にちょっと体を丸めるような動作をした後、体を伸ばす動作が見えるのと同時にそのまま飛び去って行きます。
予備動作が確認出来た際は、飛び立つ瞬間にシャッターボタンを全押しします。それでもカメラで確認してみたらシャッターを全押しする頃は、メジロが飛び去ったあと…本当にプリ撮影に助けられています。
寒桜があったおかげで日の丸構図でない写真でも、少し何とかなってくれました。上記の三枚は今回の筆者お気に入りのカットです。
いかがでしょうか。
今回はメジロに特化をして記事を書かせていただきました。筆者自身の目で実際に予備動作を確認出来たシーンは実はそこまで多くなく、後半こそ多少は感覚のようなものが掴めましたが、大半は気付いたら既に飛び立っており「あっ!」となった瞬間にレリーズ全押しする事がほとんどでした。
それでも、これだけしっかりと結果を出してくれるα9Ⅲにはほんとに只々驚くばかり。今回はそこまで設定を追い込んではいなかったのですが、もっと撮影設定を追い込んで自分のスタイルに合う設定を追求出来ればもっとたくさんの成果を出せるはず、このカメラからはそんな可能性をひたすらに感じております。
皆様もぜひ手に取ってこの可能性を直に感じてみてください。