【SONY】〜Spring walk〜 春の散歩道をS-Cinetoneでシネマチックに。
SONYSONY G Master/G lensα7S IIIα9III 120コマ/秒対応ミラーレス動画ミラーレス動画ソニーα編動画撮影
シネマチックな動画表現にかかせないものは色調整、つまりカラーグレーディングです。
自分好みの色に調整する作業で、近年はかなり一般化されました。
カラーグレーディングをする際にもう一つ気になることが「Log撮影」です。
通常のビデオガンマよりも幅広い情報を収録することによって、カラーグレーディングにおける調整の幅が広くなります。
ですが、色の調整が難しかったり、場合によっては追加のノイズ処理などが必要になって、思った通りにできずに悩むことも多いです。
もっと手軽にシネマチックな動画を撮るためにSONYのS-Cinetoneを使用してみました。
S-Cinetoneとは、SONYのデジタルシネマカメラ「VENICE」の開発を通して培われた技術を生かして作られたピクチャープロファイルです。
つい先日α7SⅢにも追加で搭載された待望の機能です。元はSONYの中でも【Cinema Line】と呼ばれる限られた上位の動画専用機にのみ搭載されていた機能です。α7SⅢにもそれが搭載されたことにより、より多くのユーザーがS-Cinetoneを使用することができるようになりました。
S-Cinetoneの特徴は、人の肌の色再現性を重視して、従来よりもソフトな色合いとハイライトの描写はより自然なトーンをもつルックとなっています。
今回の映像作例もS-Cinetoneの撮って出し、全くの無調整です。
今回の使用レンズは「FE 24mm F1.4 GM」の1本のみです。
広角単焦点ながら、最短撮影距離の短さを生かして寄りのカットも得意とします。
広い画角と、歪みは少し気になれど寄りの画角もカバーできる24mmはレンズ1本のみの気軽な撮影にもってこいです。
移動ショットを狙う際にはジンバルなどの手ブレ補正装置があるとなめらかな動画が撮れます。
しかし、どんなにコンパクトであってもジンバルを持ち運ぶと必ず機材重量は増えます。そして、およそ手軽とは言いづらい撮影方法となります。
そこで今回はボディの機能である「アクティブモード」を使用しました。
通常の手ブレ補正よりも強力に補正してくれる本機能ですが、使用すると画角が少し狭くなるので少し注意が必要です。
ですが、その補正力の高さは目を見張るものがあります。本来手ブレが目立ちづらい広角レンズで本機能を使用すれば、ラフな手持ちでの移動撮影でも十分な補正を期待することができます。
S-Cinetoneの特徴として、露出の切り方によってコントラストの出方が変化する点があります。
露出をアンダー気味に撮ると、コントラストが少し高まり、それに伴って彩度が高くなります。(上記写真の1枚目)
逆に、露出をオーバー気味に撮ると、全体のコントラストが低下して柔らかい表現となります。(上記写真の2枚目)
これらの特性を理解して露出を決定すると、狙い通りのルックを作ることができます。
S-Cinetoneの特性をほんの少しですがご紹介いたしました。
グレーディングを施さなくてもこれだけ自然な色再現をするガンマカーブ をもつS-Cinetoneは非常に優秀なガンマと言えます。
もちろん、カラーグレーディングでの調整も可能ですが、Log撮影と比べると自由度は下がるので、撮影時にある程度ルックを作り込むことが重要と言えます。
手軽に、シネマチックな動画を撮影できるS-Cinetonを是非使用してみてください。