2020年10月に発売した「SONY α7SⅢ」か、
2021年3月に発売した「SONY FX3」にしようか…。
出てくる映像の違いはほとんどないこともあり、両者の選択で悩まれる方を多く見受けます。
正直申し上げると、本当にどちらも良い機種です。
ですが、今回は条件を絞って、機材選びを考えてみました。
・これからはじめてのカメラorステップアップで次のカメラを購入しようと検討している。
・写真よりも動画を本格的にはじめてみたい。
・写真と動画の両立ではなく、動画の興味が多くある。
・長時間動画撮影することが予想される。
上記の条件に該当する方、筆者はFX3をおすすめいたします。
筆者が思うその理由を、分かりやすいように3点にまとめてご説明したいと思います。
①購入時からハンドルが同封されていること
FX3を見たとき、はじめに印象深いこちらの「トップハンドル」。
手持ちで撮影をするときにトップハンドルがあると、持ちやすく撮影が安定します。
また、長時間撮影をしていると、カメラのグリップ部分を握ったままですとカメラ本体やレンズ自体の重さもあり、疲れてしまいます。
このようにトップハンドルがあれば、常にグリップを握っていなくとも、ハンドルを握ることで安定して撮影することができます。
写真のように、指の間に挟む持ち方がしっくりきました。
グリップを持つよりもより軽い力で安心して、継続的に握ることができます。
長時間撮影を予定している方であれば、ハンドルを使用することをおすすめします。
また、低い位置から撮影するときも、素早く撮影することができます。
低い位置から徐々に高い位置へと構図を変えるなどといった工夫を凝らした撮影を簡単に行うことが出来ます。
②リグを組まなくてよいこと
“リグ”とは、動画撮影の際に使用する撮影補助機材・アクセサリーの複数を1台のカメラにつけるためのアイテムとなります。
リグには沢山の穴が空いており、そこに外部マイクや外部モニターなど、動画撮影に必要なアクセサリーを設置していきます。
先ほどご紹介したハンドルをα7SⅢに使用するには、基本的にはこのようなリグを組まなくてはいけません。
ですがなんと、FX3にはその穴が備え付けであります。
1/4インチネジ穴が5個所もありますので、リグが無くともアクセサリーを複数つけることができます。
どのようなリグを買えばいいかわからないといったはじめに抱える悩みや見た目の重厚感、実際の重さが変わります。
今回「SmallRig」という有名なメーカーのリグをつけたα7ⅢとFX3を並べて比較してみました。
(α7SⅢ専用のリグが用意できなかったため、α7Ⅲで比較しました。ご了承下さい。)
カメラ本体回りの大きさ、高さが異なることが分かります。
カメラ周りの厚さも一回り違いました。(様々な形状のリグがありますので、あくまでも一例となります。)
重量を比べると、圧倒的にFX3が非常に軽かったです。
SmallRigとFX3のハンドルを含めた外観を側面から比べてみました。
FX3はマイクをつけるユニットが上部にありますので、高さが出てしまっています。
SmallRigのハンドルとFX3のハンドルの性質が異なることがよくわかります。
このように側面やトップから見ると、ネジ穴の数の違いが目立ちます。
やはりFX3本体のネジ穴の数よりも、リグを組むことでネジ穴の数が多かったり、リグの形状を細かく選択することができます。
ですので、アクセサリーの取り付け位置を細かく決められたり、リグをフルゲージやハーフゲージするなどの選択ができますので、リグを使用することにより拡張性を増やせます。
徐々に慣れてきて、こだわりがでてきましたら、リグをつけたくなる場面が出てくるかもしれません。
冒頭でリグをつけなくてよいとは申しましたが、勿論FX3にも、リグをつけたくなったらつけることはできます。
(2021年6月16日現在、FX3用のリグはマップカメラでは取り扱いはございません。ご了承ください。)
リグをつけないで使用すれば軽量化ができ、持ち運びがしやすくなることに対し、アクセサリーの位置や個数の関係で、ネジ穴が足りなくなったら逆にリグをつけることもできます。
このように、状況により使用用途が選べますので、長く愛用ができる逸品なのです。
③動画撮影に特化した外観・ボタン周りが優れていること
最後は、FX3とα7SⅢの操作ダイアルやボタン配置の違いについてお話いたします。
α7SⅢは、あくまでも”スチル用カメラ”でありますので、フルサイズミラーレスαシリーズのボタン周りとなっています。
モードダイヤルや露出調整ダイヤルがトップ部分にあり、動画撮影では使用用途が少ないボタンばかりです。
ですが、FX3は写真のことは考えず、動画に専念した機種になりますので、ダイアルの配置が大きく異なります。
FX3が他機種と大きく異なり、特に良いと思ったポイントをご紹介いたします。
まずは、”RECボタン”=録画ボタンが大きく押しやすい位置となりました。
録画している最中は、このボタン周りが赤く光りますので、動画記録中の強調をしてくれます。
αシリーズでは電源ボタンの位置に、FX3はズームレバーが搭載されています。
電動ズームレンズに対応している「FE PZ 28-135mmF4 G OSS」などは勿論、このズームレバーに全画素超解像ズームなどを割り当てることができます。
ですので、仮に単焦点レンズをつけていても、今までよりも簡単に全画素超解像ズームを使用して、焦点距離を変えることが出来るのです。
電源ボタンとモードダイアルは、液晶画面の上に小さくまとめられています。
重要なボタンではありますが、よく考えたら1度の撮影での使用頻度は多くない機能です。
とてもよく考えられている配置かと思います。
以上が筆者がFX3をおすすめする理由となります。
勿論α7SⅢも良く、写真と動画のどちらも本格的に楽しめる夢を叶えてくれる機種ではあります。
ですが「動画に集中をして本格的にはじめたい」と考えたとき、動画専門機を選択することで、よりストレスフリーに映像制作に専念することができます。
FX3はSONYの”Cinema Lineシリーズ”の一機種です。
他のCinema Lineは、ケタ違いな業務用ビデオカメラばかり。そのようなカメラと同じラインナップにいるFX3。
SONY FX3が、あなたの新しい映像表現を作成する相棒になり、新たな動画作品制作ができる一歩を踏み出せることを願っております。