【SONY】箱根で感じる物語の世界
少し前のお話しです。
春の足音が近づいてきた日のこと、王子さまに会いに行くことにしました。
王子さまはとてもすてきなところにいました。
日本であることを忘れてしまうかのようです。ここは20世紀初頭のフランスの街並みが再現されています。
色褪せた外壁と真新しい鮮やかなブルーの扉の対比に心くすぐられます。
良く見ると、作者の名前が看板になっていました。
こんな遊び心あふれる造りも、物語の世界に入り込んでいるようでときめきます。
直訳すれば「サン=テグジュペリの家」ですが、看板だけ見て「チョコレート屋さんかしら」などと妄想にふけってみたり。
それが許されるのも、こういう場所ならでは。
本屋さんのショーウィンドー。
窓枠の色が好みで目を引かれましたが、あらためて写真で見ると棚の色と相まって本を引き立てる役割があると感じます。
街並みを抜けると、庭の先に教会があります。
しっとりとした空気があたりを包み込んでいました。
教会の中にあるシャンデリアの光が控えめで、とても落ち着ける空間が広がっていました。
庭にはすてきなオブジェもあります。
土星の輪に座ってみたいと幼いころ願っていたことを思い出しました。
こちらは実業家。自分の星を数えてばかりいます。
大変そうな人、嫌な感じの人、というよりも大人にしてはかわいらしい感じがします。
そのほかの登場人物たちもいますので、スタンプラリーのように探してみるのも面白いかもしれません。
「帽子」か「ゾウを飲み込んだウワバミ」か。
お話の中で、ぼく(主人公)の書いた絵を見た大人たちはみんな「帽子」と言った。
王子さまは絵を見てすぐに「ゾウを飲み込んだウワバミ」と言った。
本質を見る目というのはいつ養われ、いつ曇るのでしょう。
大人だから本質を見抜けるかといえば必ずしもそうではなく、子供だからものがわからないかといえば必ずしもそうではなく。
人とはとかく面白いものであると思うのです。
歩き疲れたらベンチに座って撮った写真を見返すのも楽しい時間。
このベンチ、座面の色といい横顔といい、とてもすてきだったので被写体になってもらいました。
写真をご覧になられてなんだかフワフワしているとお感じになられた方もいるかと思います。
実はこのレンズ、レンズ内がとても曇っております。お店では「難有り品」と言われる部類に入ってしまう状態です。
光の方向、入り具合でフワフワとした印象の写真になります。
街並みやベンチの写真は、はっきり・しっかりした写りになりました。
1本のレンズでこれだけ表情が変わるのはオールドレンズの楽しみ方の一つとして、
ひと癖ある写真を手軽に楽しむ手法と言えるかもしれません。
「星の王子さまミュージアム」ご興味がある方は、王子さまの大切な庭にバラが咲くこれからの季節に行くことをお勧めします。
今年の「ローズフェア2018」は5/26から7/8まで開催されるとのこと。
ぜひ、美しいフランスの街並みとローズガーデンを写真におさめてみてはいかがでしょうか。