【SONY】道―TAO―
AM7:00 東京、竹芝桟橋。
今回の小旅行はここから始める。
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誰もが抱くであろう「都会の喧騒を離れてどこか遠くへ行きたい」という思いを乗せて、
高速ジェット船はエンジン全開。唸りを上げ、東京の玄関を後にする。
早起きが祟ってウトウトしていると、あっという間に離島へ着いた。
伊豆大島。遠いようであるが緯度で言えば静岡県下田市よりも東京寄り。
しかし海を隔てるだけで、そこには別世界が広がっているのではないかという高揚感がある。
そして、高揚感には別の理由もある。
「新しいカメラ」を手に入れてから初めての旅行だからだ。
今回の旅は長年の愛機キヤノンEOS M2と新機材ソニーα7のミラーレス2台体制で楽しむことにした。
※写真にマウスオンすると、使用機材が表示されます。
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島を車で1周するに要する時間は2時間程度。
特異な地形が、この島を形成する大地が火山であることを感じさせる。
広角はEOS M2にEF-M11-22mm F4-5.6 IS STMで。
何かに狙いを定める時はα7にFE55mm F1.8 ZAで、という狙いの2台体制だったが、
思うに、旅行でカメラを2つぶら下げて歩くのは、最善の選択ではなかったように思う。
(…などと言って新しいレンズを買い足す言い訳を探してしまうのはカメラファンの性ではないだろうか。)
伊豆大島には多くの砂浜海岸が存在するが、伊豆半島の白い砂浜とは違い、
真っ黒でザラザラした砂浜がほとんどだ。
伊豆大島の火山、三原山は色の濃い玄武岩質の火山で、これの噴火によって放出された溶岩が
長い年月を掛けて粒子状になり、形成された砂浜は黒い砂浜になるそうだ。
今宵の宿は海岸線に面した小さなログハウス。
夕飯を済ませ、夕方の散歩に出掛ける。
初めて手にしたソニーのカメラ。シャドウ部の階調が豊かで、
アンダー気味の撮影でも、しっかりと画を描いてくれる。
黄昏時の淡い空のグラデーションの描写も好みだ。
こういう時が「このカメラ、買って良かった。」と思う至福の瞬間である。
日が落ちるまで、ゆっくりと過ぎる島の時と風を楽しむ。
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夜になると、灯りの少ない島内は街の中心以外は真っ暗だ。
ログハウスを出て数分歩くだけで、信じられない程の数の星が天球を埋め尽くす。
三脚など用意していなかったので、防波堤にカメラを寝かせ、
夢中になりながらセルフタイマーでシャッターを切る。
波の音しか聞こえない暗闇。プラネタリウムでしか見たことのないような星空。
都会ではなかなか見ることのできない景色を見ると、改めて旅は良いものだなあと思い知らされる。
そしてカメラはこの時間を、より有意義なものにしてくれる。
翌日は三原山山頂を目指す。
1986年11月の大噴火から間もなく30年が経つが、
遠くに見える山肌に冷えた黒い溶岩の流れた跡が見受けられる。
あの黒い跡が、真っ赤に燃えたぎる溶岩だったと想像すると、ゾッとする。
命は無力、儚いものだ。
登山道の脇には、このような黒くて軽い石が無数に転がっている。
これが川の流れなどで小さく砕かれて砂になったのが、先程の砂浜なのであろう。
無機質な石の隙間に、小さな命が根を張る。
命は小さくも、力強いものだ。
山頂付近からは裾野へ拡がる台地と、海が見える。
四方に海が見えるのは島ならではの景色だ。
山を下ったところに、愛らしい島民が暮らす動物園がある。
頭を隠しているが、何者かはバレバレだ。
懐に入れて連れ去りたい欲求を抑え、写真に残す。
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巷で大人気のα7シリーズ。所有してじっくりと触ってみると
フルサイズの描写力とミラーレスの携行性を兼ね備えたカメラという意味では文句無しだ。
触ったことのない方には是非ともマップカメラで手に取って頂きたい。
しかしながら一方で、長年使ってきたEOS M2の良さも改めて実感した。
今や中古価格1万円台から買えるお買い得な価格帯のカメラであるが、
どういうわけか、このカメラへの愛着はα7をもってしても捨て去ることはできなかった。
カメラというものは高価ならば必ずしも良いというものでもなく、
人それぞれの心に訴えかけ、価格以外の“価値”がある名機が必ず存在する。
そして誰かの手を離れたカメラは、捨てられない限り、
また新たな誰かのもとで“新しい価値”を生み出す。
カメラというものは心底、奥深いものだなあと感じた。
私はまだその深い世界の入り口に立ったに過ぎない所で、
3年あまりに渡って担当した私からのマップタイムズへの投稿を結びとする。
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スタッフの意外な素顔が垣間見えるかも・・・?
これからもマップタイムズ、どんどん更新してゆきますので、
よろしくお願い申し上げます。
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