【Strobe】初めてのストロボ撮影・序章
【写真】 の表現方法って何があるのか
昨今のカメラ業界で最も熱があるジャンルが【動画】だと思います。【動画】もいわば連続で流れる静止画。一種の写真表現の手段だと考えます。
お仕事でカメラを使われているお客様も来店の際には「最近仕事で動画を扱う事が増えた。」なんてお話をしてくれたりします。
数年前から4K動画の撮影や記録が出来る一眼レフやコンデジが増え始め、最近ですと60p且つ高ダイナミックレンジ・低圧縮・編集向きの記録が出来たりスチルカメラにあった30分縛りなんて物も無くなっている機種も増え始めてきました。
2020年12月にはSONYから業務機の機能を兼ね備えたFX6なんてカメラも発売され、誰にでも手に届く範囲でプロ級の映像作品を撮れる環境が整いつつあります。
4Kは800万画素相当の映像データになり従来主流であったフルHDの4倍のデータ量があるのはご存じの方も多いかと思います。
更には、8Kなんていう物も存在し画素は実質3200万相当の画が映像として残せる機種が存在もします。
まだまだ、8Kに関しては編集環境を始め民生機として長時間撮れる機種は出てきておりませんが、昨今の目まぐるしい進化のスピードから考えると割とすぐかもしれません。
3200万画素というと、今時点の標準のスチル機の画素数が2400万画素ですからそれが動画になったと考えると恐ろしい限りです。
動画で撮って、後から切り取る。それでもう3200万画素の静止画作品が作れてしまう夢のような世界がすぐそこまで来ているような気がします。
こんな世界になったら今後は今からカメラを始める方は動画をマスターしたほうがいいのか?動画だけでスチルの知識は要らないのか?
なんて思うかもしれませんが、筆者は決してそんな事は思いません。
何故なら、スチルにはスチルにしか出来ない表現方法があるからです。それはズバリ・・・
【ストロボ撮影】
ストロボ撮影、一瞬のシャッターの中に任意の位置から様々な光源を発生させて、それらを映しこむという物です。
これらは、連続して記録し続ける動画では現状できない方法です。
このストロボ撮影、スチルを行う上ではかなり奥が深く面白いコンテンツですのでスチルをやっている方は是非とも挑戦してほしい分野です。
やったことない方がここから初めて、マスター出来るようなそんな記事にしていけたらと思います。
いきなり動画の話を冒頭から長文で入れてしまったので最初ストロボ全く関係ないと思ってしまったのではないかと思います。
最初は筆者がこの記事を書くきっかけみたいな物とお考え下さい。にしても長いですかね、申し訳ありません。
では、まずは準備の段階です。
お使いのカメラのメーカーを確認していただき、そのカメラに合うストロボを選びます。基本的には純正を推奨しています(今回はソニーのストロボとカメラにしました)
ストロボにはガイドナンバー(GN)という数値が存在します。これはストロボが出せる光量の数値で、数字が大きければ大きいほど出せる最大の光量が大きくなります。
ガイドナンバー(GN)=距離(m)×絞り値(F値)で適正露出を求めることが出来ます。(ISOは100とする。)
例えば、GN:60、F値:F4の場合、最大15mまで適正露出で撮ることが出来ます。60=15×4といった感じの式になります。
この場合15mより被写体が近い場合はストロボ本体の光量を落として調整が出来ます。
カメラ上部の一般的にはホットシューと呼ばれる部分にこのストロボを載せます。この状態をクリップオンと言います。
カメラからシャッターと同時に電気信号を出し、そのシャッターに連動するように光ります。
今回の機種はSONY。まずはカメラと接続をした時の表示についてです。モードを開くとこのような画面が出て来ます。
・発光禁止
・TTL(Through The Lens)
・マニュアル
・マルチ
・グループ
【発光禁止】
基本的にクリップオン時は指定した設定に合わせて光りますがそれをストロボ側で発光しないようにする機能です。
【TTL】
撮影距離や設定露出に合わせて自動で光量を調整してくれるモード。
上記メートル表示されている部分はカメラ側レンズやストロボの照射角などの設定を基に自動で割り出した調光範囲になります(このストロボ光の影響を受ける範囲)
最初はこの設定が特にオススメです。被写体に光が当たった時、適切な明るさになるようにやってくれます。
※照射角はレンズの画角と同じくmm数で表示し、レンズと同様に数字が小さいほど角度は広くなっていきます。角度が広くなると光の分散量は増えて行きます。AUTOにするとこちらはカメラレンズの焦点距離を基に自動で照射角を決めてくれます(非対応の機種もあります)
【マニュアル】
文字通り、自身で全て設定を行うモードになります。LEVELが光量、ZOOMが照射角(光を照射する角度。狭い程当たる範囲が狭くなり光が強くなる。)
適正光量以外の方法でストロボを使った写真表現をおこなったりTTL非対応のストロボを使う際はこのモードを使います。
【マルチ】
何秒間隔で、何回、どれくらいの明るさで、光るのかを設定するモードです。
今回出てくる要素は【Hz】【Times】【LEVEL】
【Hz】何秒間隔で=1Hzは一秒、以降数字が増える度に分母が増えていきます(間隔が短くなる)Ex:5Hz=1/5秒間隔。
【Times】何回=1Timesで一回、以降数字が増える度に発光回数が増えていきます。Ex:10Times=最大10回発光。
【LEVEL】光量=設定照射角と光量でストロボの強さを決めます。
以上がクリップオンで出来る設定やモードの概要になります。
これらの機能や効果を駆使し、ただシャッターを切っただけの写真からどのように変化をしていくのかを見ていきましょう。
次回は、実際にその各モードを使った作例をメインに書けたらと思います。