【TAMRON】純正じゃなくていいじゃない。70-180mm F2.8 DiⅢ VC VXD G2とSONY α7Ⅳの組み合わせが最高だった理由。
望遠ズームレンズ選びに悩まれた事、みなさんも経験があるのではないでしょうか。
純正にするのか…サードパーティ製にするのか…。
F2.8にするのか…F4にするのか…可変F値にするか…。
こういった悩みを抱えるということは「できれば低予算で抑えたい」「できるだけ軽量コンパクトにしたい」という願望があるからだと思います。
そこで今回はサードパーティ製にあたる『TAMRON 70-180mm F2.8 DiⅢ VC VXD G2』がオススメな理由、更に作例で使用した「SONY α7Ⅳとの組み合わせが最高に使いやすかった理由についてお話していきます。
そして「純正じゃなくていいじゃない。」と感じるようであれば当レンズを是非検討してみてください。
まず、名前に『G2』と入っていることでお分かりの方も多いかと思いますが第二世代、所謂Ⅱ型のレンズとなっております。
Ⅰ型からⅡ型になって何が変わったのか、先にスペック表で確認をしておきましょう。
主な変化は「レンズ内手ブレ補正の搭載」「オートフォーカス時の最短撮影距離の向上」「カスタムスイッチとフォーカスセットボタンの追加」の3点で、これがⅠ型ではなくⅡ型をオススメしたいと思う大きなポイントになります。
ここからは作例を交えながら素晴らしい推しポイントについてお話していきたいと思います。
まず変化ポイントよりも先にお伝えしておきたいことから触れていきたいと思います。
最初に特筆すべきところが解像力についてです。
F2.8の絞り開放から中央解像度が非常に高く、「1段絞らなければ解像力が足りない」なんて言わせない完成度の高い実力を見せつけてくれます。
実際に見て頂いた方が分かりやすいと思うので、上の70mmと180mmで撮った写真を拡大してみたいと思います。
ここまでトリミングをしてもデータして成り立っているのも素晴らしいですし、鳩の写真では特に羽毛のきめ細やかさが分かるかと思います。
ご覧の通り絞り開放から解像するレンズなので
・しっかりボカしたいポートレート撮影
・シャッタースピードを上げたい室内スポーツ
・ISO感度をできる限り下げたい夜景
こういったF2.8で撮影したい場面でも大活躍してくれます。
サードパーティ製で気になるのがやはりオートフォーカスのスピードではないでしょうか。
こちらのレンズにはVXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)を採用しており、驚くほど速いスピードでピントが合います。
筆者も初めて触った時は感動すら覚えました。
レンズによってはフォーカススピードがAF-Sだと遅く、AF-Cの方が速い物もあるのですが、どちらを使用してもほぼ瞬間移動と言っても過言ではないほどです。
更にα7Ⅳの被写体認識能力の高さのおかげで被写体を逃すことなく撮影することが可能となります。
今回は世間一般で言う動き物を撮ることはありませんでしたが、風の強い日もあり風でなびく花を撮影する場面はありました。
その際もしっかりとフォーカスを合わせ続けていてα7Ⅳの性能の高さと安定感も併せて感じました。
望遠レンズで、しかもF2.8通しの大三元ズームなので大きくて重いという印象を受ける方も多いと思いますが、1kgを超えるのが当たり前とされていた大三元望遠ズーム界ではかなり軽量化された約855gを実現しています。
Ⅰ型に関しては更に軽い約810gですが、Ⅱ型は手ブレ補正やカスタムスイッチ、フォーカスセットボタンも搭載して尚この重量なので企業努力が詰まった使用者に優しいレンズと言えるでしょう。
そしてα7Ⅳはグリップの大型化と指掛かりが良くなるように彫り込みを深く改良したことでこういったフロントヘビーになりがちなレンズを使ってもしっかりとホールドでき手に負担を大きく感じることはありませんでした。
ではここで最短撮影距離について確認していきましょう。
I型の時は従来の大三元望遠ズームの中では寄れる方でAF時ズーム全域で0.85mが最短となっており、更にMF時広角端で0.27mまで寄れてハーフマクロでの撮影ができたので2020年発売時には革命的なレンズでした。
そこから更に進化したⅡ型は広角端では0.30m、望遠端で0.85mまでAFで寄れるようになりましたので上記の花の写真の様に70mm側ではハーフマクロに近いところまで簡単に大きく撮影する事ができます。
ただ今回の様にF2.8開放で撮ると「寄れば寄るほどボケる」という性質上どうしても被写界深度が浅くなりすぎるので、こういった70mmで寄る場合は少し絞ってあげた方が必要な情報を入れやすくなるのでオススメです。
当レンズの最大のオススメポイントと言っても過言ではない手ブレ補正(VC)の搭載について確認していきましょう。
Ⅰ型では搭載されていなかった待望の手ブレ補正ですが、「SONYのフルサイズミラーレス一眼には基本的にボディ内手ブレ補正が入っているので必要無いのではないか」と思われるかもしれません。
しかし原理上ボディ内手ブレ補正では”センサーを手ブレに合わせて動かす方式”になるため、望遠になればなるほど可動範囲が足りないという問題で手ブレ補正が難しくなります。
そのため望遠レンズでの撮影時に絶大な補正力を発揮してくれるレンズ内手ブレ補正が必要になってくるのです。
構図を決める時にもブレが少なくなるため安定した撮影もできますし、α7Ⅳのホールド力を合わせる事で撮影のしやすさは倍増します。
ここまで作例をご覧いただき、既に感じておられるかもしれませんが「発色の良さ」と「コントラストの高さ」が本当に素晴らしいのです。
今回は全てJPEG撮って出しで撮影しており、ホワイトバランスもオート、ピクチャープロファイルも設定なしにしておりますので素直にこういった画を吐き出してくれます。
RAW現像されている方でも一旦モニターで確認される際はJPEG設定に落とし込まれた状態で見ることになります。
そういった時に色乗りも良く、コントラストも高い写真で確認ができるとシンプルにテンションが上がるのは私だけではないはずです。
軽量コンパクトでありながら楽しい撮影体験をさせてくれる当レンズは全写真好きの味方です。
今回、上の写真のように縦構図で下から煽って撮影するローアングルの写真も撮っていたのですが、ここで活躍するのがα7Ⅳに搭載されているバリアングル液晶です。
チルト液晶の場合自分の目線を下げて覗き込む動作が必要になるのですが、バリアングル液晶の場合は自由自在にモニターの向きを変えられますので撮影の快適さが別格です。
今回の様なローアングルもそうですがハイアングル、自撮りなど自分の向き、カメラの向きに合わせてモニターを向けられるますので様々なシーンで活躍してくれます。
もちろんチルト液晶には光軸がズレないという大きなメリットもありますが、汎用性の高さはバリアングル液晶に軍配が上がると筆者は考えております。
玉ボケに関しては口径食が絞り開放だと強めに出てきますが、これは大口径レンズでは構造上仕方ないことです。
もし口径食をできるだけなくしたいのであればF4程度まで絞ると円形を保つことが可能となります。
解像力を上げるために収差補正をレンズ側で行うとどうしても玉ボケに輪郭が強く出てしまったりするのですが、当レンズはXLD (eXtra Low Dispersion)レンズ(1枚)、LD (Low Dispersion:異常低分散)レンズ(3枚)、GM (ガラスモールド非球面)レンズ(2枚)、複合非球面レンズ(1枚)など、複数の特殊硝材レンズを効果的に組み合わせ、色収差などを補正し解像力を高めています。
こういったレンズ構成にもこだわり抜いた事で、解像感とボケ味のちょうどいいバランスのを作り出してくれています。
昔から望遠レンズを使ったスナップ撮影が大好物な筆者ですが、当レンズで撮影している時は望遠レンズ特有のデメリットを感じることが全くありませんでした。
・大三元望遠ズームは重いレンズが多い中、1kg以内で抑えている。
・インナーズームではない為コンパクトで小さめのカメラバッグにも入れやすい。
・最短撮影距離が1m越えが当たり前の中、かなり寄って撮影ができる。
こういったメリットのおかげで気楽に持ち出せる大三元望遠ズームレンズとしての地位を獲得したことは間違いないでしょう。
最後にお伝えしておきたいのが「カスタムスイッチ」「フォーカスセットボタン」の搭載についてです。
カスタムスイッチはそれぞれTAMRON側で用意された好みの機能を割り当てることができ、その機能を割り当てるのに無料でダウンロードできる「TAMRON Lens Utility」を使用します。
鏡筒下部にあるUSB Type-CのコネクターポートからPCまたはスマートフォンなどに接続することで、「カスタムスイッチ(1/2/3)」に「カメラボディ機能割り当て」「フォーカスプリセット」、「フォーカスリミッター」、「フォーカス/絞りリング機能切り替え」などの機能を割り当てられる事ができます。
そして、フォーカスセットボタンは上記機能の設定に合わせて利用頂くスイッチとなります。
カスタムスイッチには動画に注力した機能がたくさんついておりますので動画クリエーターにもおすすめしたいレンズです。
ここまでTAMRON 70-180mm F2.8 DiⅢ VC VXD G2とSONY α7Ⅳの魅力についてお話ししていきましたがいかがでしたでしょうか。
・絶対にシャッターチャンスを逃せないようなシーン。
・ジンバルを使用した動画撮影。
・フォーカスリミッターや手ブレ補正のモード切替などをそれぞれのスイッチで操作したい。
等の希望がある方は、インナーズームを採用し、多数スイッチ類を搭載した安心安全の純正をお選びいただければと思います。
しかし今回の記事をご覧いただき『純正じゃなくていいじゃない。』と思われた方は是非この機会に手にしてみて下さい。
そして総合性能が非常に高いSONY α7Ⅳも是非一緒にご検討いただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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