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【Thypoch】Simera 28mm F1.4でフォトウォーキング

【Thypoch】Simera 28mm F1.4でフォトウォーキング

冬の寒さも強まり、撮影する手が悴むような寒さになってきました。
しかしこの季節は空気も澄んで夜景も非常にクリアに撮影でき、心地良い時期です。
今回Leica M10とThypoch Simera 28mm F1.4の組み合わせで夕方から夜にかけて浅草を歩いてみました。

実際に撮影してみると開放はやはりかなり柔らかめ。特に近接域では滲みがやや強めです。
使用した感想としては中距離での撮影用途に最適化しているのではないかと感じました。
近接や無限遠側では細部の情報が崩れてしまう傾向も見られ、ポートレート等では使いやすいものの
風景やスナップ撮影には少し絞り込むなどの工夫が必要です。それでもやはりF1.4。
今回は全て開放のみでの撮影にしてみました。

一見全体はまとまっています。但しよく見ると滲みが大きく細かいディテールはやや失われています。
しかしコントラストは程良く非常に扱いやすい描写です。本来であれば多少絞って撮影する状況なので、
2.8か4辺りまで絞っても良さそうです。絞ってもこのSimera 28mm F1.4はそこまで硬くなりすぎず、
程良いバランスのシャープさを見せてくれます。

28mmと言う画角はかつてフィルムコンパクトカメラでも数多く採用された焦点距離です。
広角レンズになるのですが遠近感の強調は少なく、寄ると広角特有の歪みもあり使用する人の好みを選ぶ画角。
この画角を使うのはどんな時か…言葉にするのはなかなか難しいものの「歩いて見えたものを無意識に撮影する」場合に
気が付くと28mmのレンズを持ち出す事が多くなっています。

年明けから2週間ほど経った頃に撮影していたものです。
裏通りに入ると丁度正月飾りの片付けだったのでしょう。そして奥に移っている青空が何時に撮影したものなのかが
分からなくなる不思議な写真です。ほとんど陽が落ちた頃に撮影したはずなのですが、面白い写真です。

本来オールドレンズの場合はコントラストの低下と共に滲み等が発生します。
しかしこのSimera 28mm、滲みはあってもコントラストはとても安定しており撮影したものを見るとなんだか面白いレンズです。

28mmとなるとやはりノーファインダーでの撮影もしたくなるものです。
長年レンジファインダーを使うと絞り込んで目測で撮影する事が多くなる中、F1.4の目測となるとほぼ博打に近い状況。
それでもどうやら勘は鈍っていなかった様子。先述したコントラストと滲み具合のミスマッチがSimera 28mm F1.4独特の描写を
見せています。

強い光源があると若干暴れが見られ、特に街灯等が周辺にあるとフレアがやや目立ってきます。
このような場面だと肝心の被写体よりもフレアに目が行ってしまいやすく注意が必要です。

実は今回半数はライブビューで撮影を行っていました。
理由としてM10までは基本的にはシャッター幕で測光する仕様が主流になっていました。
センサー測光を行うにはライブビューの起動が必要です。M11からは常時センサー測光に変更されています。
夜間の照明が多い場所でF1.4のレンズを使うと測光範囲の仕様からか黒潰れになる傾向も見られた為、
状況に応じてライブビューとファインダーでの撮影を切り替える必要も感じられます。

久しぶりにM10を使用してみたところ、やはりM11とは異なる色使いです。
ユーザーによっては「M10の画が好きかもしれない」と思う方もいらっしゃるかと思います。
実際に当店でも、M11からM10に替えたお客様も。画作りがどのモデルも違うという特色は購入する際に大きく悩むところ。
発売当初はM10の画像は非常に現像処理が難しいと思っていました。しかし実際に調整すると一瞬黒潰れしていたような画像も
しっかり階調が残っていて不思議な雰囲気に仕上がります。今回使いながら改めて「懐の深さ」を感じました。

撮影を進めて行くうちにSimera 28mmはM10との相性が良いと感じました。
データを見て行くうちにレンズとボディの互いの良さを引き出し合っているような関係性が少し見えてきます。
但し先述の通り、奥にある光源のフレアがやはり目立つ事から光の加減を読みとる事は必要です。

モノクロで現像してみました。M10の階調を見て後からモノクロにしたくなりソフトでモノクロ処理をしています。
こうして見るとなかなか階調も良く、これで十分と思う方も少なくはないでしょう。
実際にカラーのライカMデジタルのモノクロモードもしっかりした画が出てくる事から両方を楽しめるように作られています。

ISO800で撮影した時のノイズの出方も非常に自然なもので、多少持ち上げても嫌なノイズではありません。
M10は2400万画素ということもあって若干高感度には耐性があります。ノイズに関してもやはり好みの問題です。
筆者としてはフィルムで撮影していたこともあり、この位であればまだまだ許容できる範囲でした。

通りすがりに気になったものを撮影する。28mmという焦点距離の良さはそこにあります。
ちょっと遠くてよそよそしい関係性を写し出すにはとても良い画角です。もう少し親密になると35mmがもっと関係性を引き出す事が
できると思いますが、個人的には28mmの「ちょっとした手の届かなさ」が未だに好きだったりします。
鏡胴は少し太いレンズではあるものの、28mm F1.4のレンズと見ると取り回しも良く軽量な1本。
是非このSimera 28mm F1.4をお試しください!




[ Category:Leica | 掲載日時:25年02月03日 19時30分 ]

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