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【Voigtlander】いつもの画角を唯一無二にする特別なレンズ。
「Voigtlander NOKTON 28mm F1.5 Aspherical Z-mount(ニコンZ用)」が本日発売となりました。
撮影地は冬の北国へ。筆者にとっては今シーズン初めての雪景色。
今回使用したカメラは「Nikon Z7」。4575万画素センサーを搭載した高解像度モデルです。
光量に乏しい場面ですが、開放F1.5の明るさでカバーしてくれます。さすがはNokton、暗部の描写にも優れています。
外から入ってくる光のにじみが美しいです。
このレンズを使っていて驚いたのは逆光耐性の高さ。
太陽を画面内に配した構図でもゴーストやフレアを抑えてくれています。
フォクトレンダーレンズを使うと毎回、空の青の表現に感動します。このレンズもその描写傾向は変わらないようです。
条件によって周辺減光やパープルフリンジがやや目立ちますが、こちらはF2.8あたりまで絞ってあげると改善してきます。
Noktonといえば夜の撮影は欠かせません。
街灯のみが光源のシチュエーション、開放のF1.5ですが建物の陰影、コントラストもよく表現しています。
最短撮影距離は28cmと、テーブルフォトにも向いた画角です。
最短付近まで寄れば、広角レンズながら大きくぼかした撮影も可能です。
一方で無限遠付近では開放でも比較的被写界深度が深くなるため、マニュアルフォーカスのみではありますが動きものにもある程度対応可能です。
28mmという焦点距離は、一般的なスマートフォンに搭載された標準レンズに近い画角です。いわば現代の標準レンズになりつつある28mm。一方で、スマートフォンでも撮影できる画角とあってその立ち位置が難しくなってきています。
スマートフォンでも撮影できる画角で敢えて一眼カメラで撮影をすることに対する、フォクトレンダーなりの答えがこのレンズなのだと思います。
F1.5の明るさで大きくぼかし、また夜間の撮影でもISO感度を上げずに撮影ができる。そして金属製で質感の高い鏡筒と心地よいマニュアルフォーカスの感覚は、単に出力される画像だけでなく撮影体験までも付加してくれると思います。
かつて一眼レフ創成期の頃は最広角域だった28mmという焦点距離が、光学性能の向上と共に一般的な広角レンズになり、今日では新たな標準域になりつつあります。より多くの人の馴染み深い焦点距離となっている28mmで、写真も撮影体験も楽しんでみてはいかがでしょうか。