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【Wish Upon a Star】皆既月食を撮ろう

来る2021年5月26日、日本全国で皆既月食が見られます。

月が地球の影の中に侵入し、月面に日照がなくなるために、
満月が欠けていくように見える現象です。

月食自体が日本で見られるのは2018年7月以来となり、約3年ぶりになります。

今回は天体現象という事で、月の撮影についてご紹介したいと思います。
あくまで撮影の一例にすぎませんので、ご参考程度にご覧いただければ幸いです。

まずは、皆既月食に関わらず、一般的な月の撮影について簡単にご紹介したいと思います。

以前、下記のブログにて月の動きについて触れました。

【Wish Upon a Star】星空を見てみよう!!~下準備編~

上記で、月が出ているのは夜だけではないという事をご紹介しておりますが、
今回は夜に月が出ている時を想定してご紹介いたします。

【Wish Upon a Star】星空を見てみよう!!~撮影編~

星の撮影方法を少しご紹介しましたが、月の撮影設定は大きく異なります。
同じ暗闇に浮かぶ天体なのですが、その明るさは雲泥の差があります。
それゆえ、同じ設定で撮影を行うと、月の明るさで白く飛んでしまい、
何を撮影したのか分からない写真になってしまうのです。

絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:200 / 焦点距離:230mm (×1.5クロップ) / WB:晴天

白く飛ばないように撮影するために、
まずは、シャッタースピードの設定をしましょう。
筆者の月の撮影では、1/500秒をベースに設定を行っていきます。
星空の撮影では、光を取り込むのに5秒以上露光したことを考えると、ここが大きく異なります。

続いては、絞り。
光を極限まで取り込むといった撮影ではないので、
レンズの解像度があがるように開放F値ではなく、絞り込んで撮影を行いましょう。
おおよそF8~F11まで絞り込むことが多いように感じます。

残りのISO感度は、シャッタースピードと絞りで充分に露光量を得ているので、
ノイズを減らす目的でISO100などの最低数値にしてしまって構いません。

絞り:F8.0 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100 / 焦点距離:300mm (×1.5クロップ) / WB:晴天

すると、ご覧いただいたような月面の模様まで判別できる写真を撮ることができます。

 

 

続いては、皆既月食の月についてです。
冒頭でもご紹介したように、皆既月食とは満月が地球の影に入り、満月が欠けていくように見える現象です。

しかし欠けると言っても、三日月や新月のように真っ黒くなるわけではありません。
影に入り日照の当たらなくなった月は地球の縁から入り込む僅かな光によって
「赤銅色」と呼ばれる赤黒い色に見えます。
これは、朝日や夕日が赤いのと同様の仕組みです。

絞り:F8.0 / シャッタースピード:2.0秒 / ISO:800 / 焦点距離:300mm (×1.5クロップ) / WB:晴天

そんな皆既月食ですが、いきなり赤い月が現れるわけではありません。
皆既月食が始まる前は、通常の満月同様です。
皆既月食が始まると、まずは部分食といって満月がだんだんと暗くなっていきます。
下記は2018年の様子ですが、時間を追うごとにだんだんと月が欠けていっているのが分かるかと思います。
この時は月がまだ太陽に照らされているので、撮影設定は通常の満月を撮影するときとほぼ同じです。

絞り:F8.0 / シャッタースピード:上段  1/1000秒 , 下段  1/250秒 / ISO:800 /  WB:晴天

次第に欠けが大きくなり、完全に暗くなろうとした時、欠けた部分が赤く照らし出されてきます。
このタイミングで、シャッタースピードを遅くすることで赤い月が撮影することができます。
先ほどの月が欠けていく段階でシャッタースピードを遅くすると、月の明るさが強すぎて白く飛んでしまいます。
そのため、ここの切り替えが撮影の一つのポイントとなります。

絞り:F8.0 / シャッタースピード:1/8秒 / ISO:800 /  WB:Auto

完全に赤くなっている間が皆既食と呼ばれます。
おおよそ15分間この状態が続きます。

また、この皆既食は地域によって多少の差異がありますが、高度10°~15°ほどで起きます。
高度の一つの目安としては、縦にこぶしを握り、目線の高さに突き出します。これがおよそ10°となります。
そのこぶしの上に、反対の腕のこぶしを乗せるとおよそ20°という塩梅で高度の目安とします。

実際に試していただくと、10°~15°がいかに低いか感じられると思います。
高度が低いため、建物や山に覆われて隠れてしまうということは、容易に想像ができますが、
きちんと軌道を計算してあげることで、普段は撮影のすることができない、「高層ビル群と皆既月食」や「名峰と皆既月食」等の狙った形として写真に残すことが可能です。

絞り:F8.0 / シャッタースピード:2.0秒 / ISO:800 / 焦点距離:210mm (×1.5クロップ) / WB:昼白色蛍光灯

肉眼だと、あまり動いていることを実感しにくい星の動きですが、望遠レンズをつけてカメラを構えるとファインダーや液晶モニター上を移動する月のスピードに驚かされるでしょう。
せっかく移動しながら刻々と変化していく被写体があるのですから、それらを連続写真として撮影し、後から並べてみるのも面白いかもしれません。

月の動く速度は、およそ2分30秒で一個分動きます。そのため、2分30秒ごとにシャッターを押すことで、重ならずに綺麗な連続写真を撮影することができます。撮影後に画像処理ソフトなどで比較明合成(コンポジット)を行うことで下記の写真のようになります。

絞り:F8.0 / シャッタースピード:2.0秒 / ISO:800 / WB:昼白色蛍光灯  / 撮影間隔:2分30秒

また、月単体を写すのではなく、広角レンズなどを使用して、街並みや特徴的な被写体と一緒に収めてみるのも良さそうです。その場合、刻々と変わる月の明るさと地上の明るさを考慮して露光量を調節しなければならないのですが、カメラも優秀なので絞り優先モードを使用して撮影してみましょう。部分食あたりの月は少し飛んでしまっていますが、皆既食に入るとしっかりと赤みが見てとれます。今回の皆既月食は低空で観察されるため、このような地上景との組み合わせは相性が良さそうです。

【月】 撮影モード:絞り優先オート / 絞り:F8.0 / 露出補正:-2.0 / ISO:100 / WB:電球  / 撮影間隔:5分
【地上】 絞り:F8.0 / シャッタースピード:4.0秒 / ISO:100 / Lightroomにて補正

数年に1度の天体現象。さらにはスーパームーンと重なったことによって、いつもよりも少しだけ月が大きく見えるかもしれません。その上、低空で観測されるため、皆既月食の性質上、2018年の皆既月食より赤みが増して見られる可能性が高いです。

皆既食はわずか15分ほど。ぜひ来る2021年5月26日に備えて、前日までカメラのメンテナンスや設定のシミュレーション、そして、てるてる坊主の作成と晴れることを願いましょう。

月食をピンポイントで狙うなら望遠レンズがおすすめ















↓↓撮影に使用した機材はコチラ↓↓



 

[ Category:etc. Nikon | 掲載日時:21年05月23日 19時15分 ]

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