アナログが熱い夏。
デジタルカメラがまだまだ高価だった時代、思い出を残す媒体の主流だったネガフィルム。
ネガフィルムはプリントして楽しむものなので、紙写真で鑑賞したという方、きっと多くいらっしゃると思います。
10年前のヘビーローテーションフィルム「Kodak Ultra Color 400 UC」で撮影した1コマを複写して、軟調に補正した1枚。
紙写真で見ていた画像はハイライトが少々白トビしていたものの、デジタル化して調整を行うと情報が次々と出てきました。
きちんと整備されたレンズと、必要十分な露光を行っていれば、最新機種に負けず劣らずの画像を出力できる点に驚きました。
アナログ媒体に秘められたパワーは凄いです。
暑いを通り越して酷暑が続く今日この頃。
暑さにめっぽう弱い私は、エアコンのよく効いた部屋で黙々とネガのデジタル化に打ち込んでいます。
今回の使用アイテムは、ニコンから発売されている「フィルムデジタイズアダプター ES-2」。
構造も使い方も至ってシンプル。
フィルムをセットしたホルダーを、乳白色のアクリル板を備えた透過板ユニットに装着し、フラッシュやLEDライトなどのバックライトを当てて撮影、といった流れです。
焦点距離60mm前後のマクロレンズに装着して、35mm判フィルムを1コマ単位でデュープできるアイテムです。
ニコンが誇るマイクロレンズ「Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8D」「AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G」、換算60mm相当になるDXフォーマット専用「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm F2.8G」との組み合わせが前提ですが、フィルムスキャナー特有の待ち時間もなく、気軽にデジタル化を行える便利さが嬉しいところ。
付属のスリーブホルダーにフィルムを置いたところ。
位置調整後にホルダーを畳んでフィルムを固定した後、透過版ユニットにマウントさせます。
透過版ユニットにマウントさせたところを、カメラ背面向かって右側から撮影したところ。
今回チョイスしたレンズは「Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8D」。画面左側のレンズ先端から、このレンズ専用のアダプターを介して透過板ユニットを取り付けています。
透過板ユニット上部の金属ネジを回すと、なんと透過板ユニット自体の全長も変更できます。
接写はピント合わせがシビアなため、ある程度の「遊び」を持たせているようです。
ピントリング位置を決めてユニットの全長を調整した後、右側から光を当てれば準備完了です。
今回はLPLから出ているLEDライト「VL-1400C」を使用しました。
常時光を当てられるLEDライトは、ピント面の追い込みも楽になるのでおススメです。
2012年の5月、大分県を訪れたときの一コマ。
コダックPORTRAの柔らかな画質はいつ見てもため息がでます。
今回はフィルムベースの特徴なのか、シアンが強かったので少し残してみましたが、調整はまだ詰められそうな予感。
写真との付き合いも早13年。
撮り貯めたフィルムも、ネガとリバーサル含めて100本分近くになりました。
安全な環境下での保管は重要なものの、経年変化によるフィルム劣化などの想定も必要。
スマートデバイスでの活用法など、新たな使い方もやはり必要。
暑い今年の夏は、面白いことができそうな夏になりそうです。
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