【マップカメラ情報】カメラの疑問あるある探検隊!~カニヅメの謎~
普段使い慣れているカメラでも、ふと疑問に思った事や良くわからなくて困る事はありませんか?
いまさら聞けないカメラの疑問をこの二人が解決します。
太郎「博士、ニコンのレンズを買ってみたんだけど見てもらえる?」
博士「どれどれ、おおAFにカニヅメのレンズとは珍しい」
太郎「え、何の事」
博士「レンズ上部にあるピンの形がカニの爪みたいだろう」
太郎「なんでこれは付いているの?」
博士「これは1960年代から70年代のニコン製一眼レフで使われていた、レンズ側からカメラ側へ絞りの情報
を伝達するための重要な連動ピンなんじゃ。カメラボディ側に設けられたピンにレンズの蟹爪の隙間を差し込むと、カメラ側の連動ピンも設定した絞り値にあわせて左右に動く設計になっている。それによって、カメラ側に現在の絞り値
の情報を伝えているんじゃな」
太郎「それにしても自分が買ってきたのは、オートフォーカスのレンズだよ」
博士「太郎君が買ってきたのは中古レンズだろう。
蟹爪連動はMF時代の旧い連動方式のため、AFニッコールレンズには出荷時点では蟹爪が付いていないが、その一部を除いて、ニコンのサービスセンターへ持ち込む事で、有料で連動爪を取り付ける事が出来るんじゃ。(2006年12月現在)
おそらく前の持ち主が、AFレンズを旧式のカメラでも使いたかったんじゃろうなア」
太郎「アナログだけど、とってもユニークな設計だね」
博士「蟹爪連動の優れていた点は、もともとTTL開放測光が無かった時代に設けられた露出計連動爪を、開放測光でも使用出来るようにしたところにある。他のメーカーがTTL開放測光に対応した新規格を採用する一方で、ニコンはカメラボディ側の工夫でレンズマウント規格の変更を一切不要にしたんじゃ。レンズを付け替える度に、絞りリングを最小絞りから開放まで一往復させる通称「ガチャガチャ」を行う事で、開放測光に必要なレンズの開放F値の情報をカメラ側に伝えることが出来る、画期的アイデアだったんじゃよ。
まさにアイデア賞ものじゃなあ~31番線香花火!」
太郎「カニ爪で思い出したけど博士、ちょっと早いけどお年賀どうぞ」
博士「おお、すまんの・・・って平家ガニで顔が怖い~」
※現在のAFニッコールレンズは、全て電気的に絞り情報を伝達する「CPU連動」を採用しています。
太郎君:デジカメとJ-POPを愛する主人公。
カメラ博士:カメラに詳しい賢者。インド人歌手チャダの元おっかけ。