【マップカメラ情報】ジャンル別撮影術入門 第3回 「夜景を撮ってみよう」
「新宿のキラキラした夜景をキレイに撮りたいんですけど・・」
「この間はじめてビルの上から新宿の夜景を見たんですけど、すっごいキレイですね!感動しました。で写真を撮ったんですけどイメージ通りに写らないんです・・」
「おお。ビルの上から撮った新宿の夜景ですね。でシズカさん的にはどんなところが気に入らなかったんですか?」
「目で見たときはもっとキラキラしてキレイだったのに写真で見るとあんまりハッキリしないと言うか・・あとは撮っている部屋の電灯が写っちゃってるんです。」
「おお、これはアドバイスのしがいのある写真ですね!」
「よろしくおねがいしますっ!」
「まず第一のポイント。この写りこみをなんとかしないといけませんね。これは室内の明かりがガラス窓に写ってしまっているからなんですけど、明るい室内から暗い屋外を撮るんだから当然と言えます。で、コレはどうすれば防げるでしょうか?」
「ぜんっぜんわかりません!」
「窓ガラスにぴったりレンズをくっつけて撮れば映りこみは起こりません。でも、それでは窓ガラスに対してピッタリくっつけられる直角方向の夜景しか撮れませんよね。そこで・・」
「何ですか?この黒い紙は?」
「これでこのように円錐状のカサを作ります。シズカさん、これをレンズにはめてガラスにぴったり付けて撮ってみてください。」
「ええー、ちょっと恥ずかしいです。(みんな見てるし)・・・あっ、スゴい!室内の電灯がぜんぜん写りません!」
「でしょ!紙だからフレキシブル!どんな角度でも大丈夫。要はレンズ内にガラスに反射した室内の光が入らなければいいんです。」
「スゴい!一人じゃこんなこと絶対思いつかないです。こんな方法があるなんて・・さすが!じゃあもっとキラキラに撮るにはどうしたらいいんですか?また何か特別な道具を使うのかな?」
「いや、それは特別な道具は使わなくても大丈夫。シズカさん、この+/-のボタンを押しながらダイヤルを右に回してみてください。」
「はい!回しました!」
「それじゃあそのまま撮ってみましょう!。」
「わかりました・・スゴい!夜景がキラキラに明るくなりました!これはどうして明るくなったんですか!?」
「これは『露出補正』と言います。AモードやSモードまたはPモードで撮ると、基本的にはカメラが自動的に明るさ(露出)を設定してくれますが、そのカメラが決めた明るさ(露出)からもう一歩明るくしたり、暗くしたりしたい場合にはこれを使います。さっきの『+/-』ボタンを押すとグラフが出てきますよね?」
「はい!」
「右に回すと『プラス補正』、左に回すと『マイナス補正』この場合は明るくしたいわけだから『プラス補正』にします。補正量はいろいろ撮ってみて決めます。」
「イメージ通りのキラキラ夜景が撮れました!ありがとうございます。」
「もうひとつ!ちょっと一工夫で、簡単に一味違う写真も撮れるんですよ。この『WB』をオートからこの電球マークにして・・・はい、これで撮ってみてください!」
「あっ!何ですかコレ、夜景がブルーになってカッコいい!これはどういう事なんですか?」
「これは『ホワイトバランス』って言って、いろいろな光の中で白いものを白く写るように調整するためのものです。日中の太陽光とか日陰とか室内とか・・基本的にはオートでかまわないんですけど、あえて『ホワイトバランス』を変えてあげる事で、いろいろな色味の写真を撮る事が出来るんです。冬のイルミネーションって感じでカッコイイでしょ?」
「すごーい!感動しました!ちょっと工夫しただけでこんな写真が撮れちゃうなんて・・デジタルカメラってすごいですね!」
「色々試してみてください!あと、思い通りの写真を撮るために大事な事をひとつ。今回みたいな夜景をとる場合は本当は三脚にがっちり固定して撮る必要があります。暗い風景を撮るわけだからどうしてもシャッタースピードが遅くなってしまうんです。この展望台みたいに三脚が使えないところは仕方ないけれど、いくら手ブレ補正機構があると言っても限界があります。今回シズカさんに撮ってもらったのも微妙にブレているかも・・・」
「ああっ本当ですね。ちょっと残念。」でもちょっと工夫しただけでこんな写真が撮れちゃうなんて・・またチャレンジしてみます!室内の光が映りこまないようにおおいを使って、『露出補正』で明るく補正、そしてホワイトバランスをいろいろ変えて撮って見るといいんですね!それとシャッタースピードが遅いから三脚も!ですね。ありがとうございました!」
OLYMPUS E-510 ZUIKO DIGITAL14-42mm f3.5-5.6