【タイムズフォト】ダークレスで36枚撮り現像!NEOPAN ACROS100
2週間ぶりの・・いや、もう何も言いません。ダークレスホリック パウセカムイです。
前回記事の末尾に書かせていただきました通り、新しい(古い)カメラ手に入れました!
正直そんなつもりはなかったのですが・・。
II(IV)、V、 VI、7と揃ったキヤノンレンジファインダー軍団で充分満足していたはずでした。自家現像との出会いもあり、わたしの写真ライフは充実していたはずでした。
それでも!新宿の雑踏で、電車の中で、雑誌の紙面で、わたしの目をひかずにはいないあのメーカーのカメラ。
「いやいや写真を撮るのはカメラではなく自分自身!」なんて思いながらも、使ってみたいなと思わずにはいられませんでした。
そんなあのカメラが目の前に!しかも手の届きそうな価格で!これはもう仕方ないですよね。
というわけで、気が付いたらわたしの手にはいつのまにか「LEICA M5」が!
手に入ってしまったものは仕方ありません。「道具」として使いこむのみです。
早速フィルムを装填し、テスト撮影。レンズはもちろんライツと言いたいところですが諸般の事情によりLMリングを介してセレナー35mmf3.2を装着。(それでもこのレンズ、シャープネスもコントラストもボケ具合もちょうどよくて結構お気に入りではあります)
そして使用フィルムはもちろんモノクロ。はじめてのM型ライカの最初の一本、自分で現像しないわけにはいきません。(ダークレスとはいえ。)
選んだのは「NEOPAN ACROS100」
フジのフィルムですから当然ダークレスとの相性は問題ないはず。
その油断がいけなかったのか、或いは、はじめてのM型で舞い上がっていたのかもしれません。
バルナックライカに比べると30倍くらいやりやすいフィルム装填、
今まで使ってきたキヤノンのどの機種と比べても圧倒的に静かなシャッター音、
クリアで見やすいファインダー、握りやすい大きなボディ。
今までにない高揚感とともに調子よく撮っていたのですが24枚を過ぎてもフィルムが終わりません。
「あれっ?もしかして・・」
そう、やってしまいました。36枚撮りフィルムをそのまま装填してしまいました。
ダークレスは24枚撮り用。36枚撮りのフィルムは「熟練しないと」現像出来ないのです。
パトローネのまま現像タンクに入れるダークレス現像。撮ってからでは遅いのです。
まあやってしまったものは仕方ありません。
それにもし36枚撮りでも普通に現像できるのであれば、今後なにかと便利です。
というわけで
「ダークレス現像36枚撮りに挑戦」です。
タンクに入れる前に中ぶたとツマミをつけてくるくるとやってみますが、特に変わったところはありません。
いつも通りの手順で進めます。現像は4分、定着はちょっと長めに6分です。
フジのフィルムなのでベロ出しはせずにそのまま現像。
6分間の定着を終え、どきどきしながらパトローネをオープナーで開け、中身を確認。
なんとか現像はできているようです。
大変なのはここから。今までの24枚撮りフィルムと比べて12枚分長いのでバットでの水洗いも一苦労。
なんとかとりまわしてフィルム同士が水中で密着しないようにします。
乾燥時も、床に付かないよう高い位置に干す必要があります。
苦労しながらも乾燥を終え、早速スキャンです。
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ネオパンACROS100
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ネオパンACROS100
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ネオパンACROS100
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
おおっと、これは・・・またまたすごいフィルムに出会ってしまったようです。
ピントを合わせた部分のビシッとしたシャープネス、
高すぎず低すぎず絶妙なコントラスト、
ざらつきは感じないながらもかすかに残る写真らしい粒状感。
うれしくなって次々スキャン。すると隠れていた問題がすこしづつ明らかになってきました。
だいたいのコマはきれいに現像できています。しかしちらほらと問題のあるコマが・・。
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ネオパンACROS100
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ネオパンACROS100 左 :現像ムラ(空) 右 :修正後
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
一番多いのは点々と残る「現像ムラ」特に空が広く写ったコマに目立ちます。下のほうがまだらになっているコマもあります。
全部が全部というわけではなく、またものすごくひどいというコマはありませんが・・・。
ここであきらめてしまうのは残念です。ちょっとやり方を変えて再度チャレンジ。
2本目のフィルムを装填し、てっとりばやく地元で撮影です。
使用フィルムは好印象だった「ケントメア」のISO 100バージョン36枚撮り。
今度はベロ出しをして折り返しパトローネ出口にひっかけるように固定。現像時間は4分30秒です。
現像ムラ対策として、現像時も定着時にも1分間に1回タンクをひっくり返します。
水洗い、乾燥を終えスキャン。
LEICA M5 / Canon 35mmf2.8 ケントメア100
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン
LEICA M5 / Canon 35mmf2.8 ケントメア100
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン
適度なシャープネス、適度な粒状感。いい感じです。
ひっくり返しの効果かアクロスの時のような点々としたムラはありませんでした。
だがしかし!コマの一部のまだら状のムラは発生してしまいました。
とくに撮り始めのコマ、つまり巻きの外側のコマに多い。
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ケントメア100 現像ムラ
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
LEICA M5 / Canon 35mmf2.8 ケントメア100 修正後
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン
描写性能自体は好感触だっただけに残念です。
結果としてダークレスでの36枚撮り現像は不可能ではありません。
が、難易度は格段にあがり、失敗の確率も確実に高くなると言えそうです。
今回やった限りでは救済不可能という程のコマはなく、
Photoshopのコピースタンプツールや焼き込みツールの力を借りれば・・・という程度でした。
しかし渾身の傑作に現像ムラがあったら・・悔やんでも悔やみきれません。
やはりダークレスでは24枚撮り相当のフィルムを使ったほうが確実なようです。
ところではじめてのM型ライカはどうだったかというと、ファインダーの見え方やシャッターの感触など、さすがにもてはやされるだけの事はあるなという感じ。
特にM5特有の、ボディ前面に張出し人差し指一本で操作できるシャッタースピードダイヤル、ファインダー内に表示されるシャッタースピード値はとても便利。
ただ、これはバルナック型のLeica IIIcを初めて使ったときにも思ったのですが、
キヤノンのレンジファインダーも決して負けてはいません。
IVsbは重さ以外はバルナックライカに劣るところは見つからず、
また7sのファインダーの見易さもM型ライカに決して劣るものではありません。
しかしライカにほかのカメラにはない不思議な魔力を感じるのも事実。
どうしても持って行きたくなりますし、「ようし撮るぞ!」という気にもしてくれます。
これこそがライカの数値に表れない性能なのかも知れません。
LEICA M5 / SERENAR 35mmf3.2 ネオパンACROS100
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
LEICA M5 / ULTRON 28mmf1.9 ケントメア100
ダークレス現像(4分30秒) EPSON GT-X770でスキャン
縁あって出会ってしまったフィルムカメラたち。まだまだ一緒に写真を撮って行きたい!
フィルム写真は死なず、未だ消え去りもしない です!
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