フィルム紹介 『BERGGER Pancro 400』
2000年代以降デジタルカメラの台頭によりフィルムの需要が減少し、
フィルムのバリエーションも年を追うごとに少なくなってきています。
しかし最近では、SNSの影響などもありフィルムカメラへの関心が高まっています。
街中でも首からフィルムカメラを下げている方を多く見かけるようになりました。
フィルムカメラの写りの要になってくるのがレンズとフィルムです。
レンズ選びもさることながら、どのフィルムがその撮影に適しているのか、自分好みなのか選ぶことは悩みどころです。
そこでこのブログではフィルムに焦点を当ててご紹介いたします。
今回は昨年新たに発売されたモノクロフィルム『BERGGER Pancro 400』をご紹介します。
BERGGERはフランスの感材メーカーとして主に印画紙の製造を行っています。
フィルム名称の”Pancro(パンクロ)”とは人の目で見える波長の光”可視光”に対して感光するという意味になります。
機材はCONTAX G2とBiogon 28mm F2.8(G)で撮影を行いました。
写真はプリントをスキャナー(EPSON GT-X820)で取り込んだものになります。
特徴として感材に異なる2種類のハロゲン化銀(臭化銀とヨウ化銀)が使われていることで、
非常にラティチュードが広くハイライトからシャドーまで白トビや黒潰れが起きることなく写し出してくれます。
ガラス越しになりますが、諧調が豊かなのでディスプレイされている衣服の布の質感まで写し出してくれます。
また、反射で分かりずらいですが店内のシャドー部も潰れていません。
粒状性はあまり良いとは言えませんが、曇り空の出方はワザとらしさはなく自然な印象になりました。
諧調の豊かさ反面、被写体や使用するレンズによってはコントラストが低く”ねむたい”印象に仕上がることもあると思います。
鶴ヶ城の石垣の石もそれぞれ濃淡がしっかり区別されて、立体感が感じられます。
フィルムを一本通してみて、諧調の豊かさや柔らかさを活かした、
ポートレートや花など質感の描写を求められる被写体に向いているフィルムだと思います。
今回使用したレンズCONTAX Biogon T*28mm F2.8(G)はコントラストが高めでシャープな描写です。
フィルムの特徴と、レンズの特色を考えてバランスをとることはフィルムカメラの醍醐味だと改めて感じました。
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※このフィルムは新しいフィルムのため、現像所によっては受付ができないところもあります。