「ニハチ」
カメラ業界でニハチと言えば28mmかF2.
本ブログでは、マップカメラの28周年をニハチとかけ、
毎日28mmかF2.8のどちらかが掲載されますので、
本日ご紹介する「ニハチ」は… 『SONY FE 28mm F2』です!
今回ご紹介する28mmはソニーEマウントにおいて古参のレンズになります。
発売日は2015年と2022年現在から数えると約7年前に発売されました。
2015年時点では単焦点ラインナップの中で空席となっていた28mm、開放F2と明るくかつコンパクト。
さらに今回の企画上撮影はしておりませんが、2種類のコンバージョンレンズを装着することによってウルトラワイドコンバーターが21mm、フィッシュアイコンバータ―が16mmの画角を実現してくれます。
使い勝手のよい1本、コンパクトで広角と言えば思いつく撮影方法は「スナップ」ですね。
梅雨明け前ではありましたが、真夏のように暑い日、公園散歩スナップのお供にα7Ⅳにつけて持ち出しました。
梅雨明け発表前の紫陽花の名残が公園に咲いていました。
開放F2での描写はコンパクトなレンズと思えないほどピント面はシャープでした。ボケの雰囲気も個人的にはスッキリとしていて好みでした。
開放だとどうしても周辺減光はある程度出てしまいます。ですが、F2という値を考えると仕方ないところもあります。むしろ広角での周辺減光は構図を工夫すると一種の効果として生かせるので積極的に使っていきたいですね。F2という浅い被写界深度ですが、広角なのでゆるやかなボケにまとまっています。広角レンズ特有の遠近効果と相まって独特な雰囲気となります。
F8くらいまで絞ると周辺部までよく解像してくれます。28mmといえば古くから広角レンズの代名詞のような焦点距離でした。ですが、近年は標準ズームのカバー範囲が24-70mm前後に落ち着き、広角の入口は24mmという風に変化してきています。パースや遠近感のデフォルメを感じやすく分かりやすい広角である24mmが使いやすくウケがよいのもうなずけます。ですが、今回28mmという画角を今一度意識して使用してみるとまた違った世界が見えてきました。
公園の中央に1本でぽつんと生えている木がありました。
同じ28mmですが撮影距離や絞り、構図を変えて撮影してみると、様々な表現ができることに気づきました。
中距離から部分を狙って撮影すると35mmや50mmのような撮り方ができ、遠距離からでも24mmほどパースのつかない緩やかな広角で全体を撮る事ができ、尚且つ最短距離まで近づき開放で狙ってみると豊かなボケを活かした撮影ができました。
普段は35mmでスナップ撮影をすることがほとんどである私は、35mmこそが様々な撮り方が出来る万能画角だと今まで思って愛用していました。
ところが今回28mmを使用してみると、35mmとはまた違った魅力を感じました。35mmでスナップ撮影する時よりも、被写体との撮影距離が近づいたり遠のいたり、と様々に動く事がとても楽しく感じたのです。これも広角でかつ広すぎないという28mm画角がもつ絶妙な魅力だと思います。
緩やかな広角レンズは縦に長い被写体がある時には縦構図にて遠近感を強調することができます。
極端な広角レンズを使用すると、近景となる被写体の歪みが強調されて気になってしまいますが、28mmであればほどよく収まります。標準的なスマートフォンに搭載されているレンズ画角もおよそ28mmである事が多く、広くスマートフォンが普及した現代においてはある意味「見慣れた画角」と言えるかもしれません。
ともすると見慣れてしまった画角ゆえに改めて写真を撮ると決めた時に「いつも見ている光景と同じ」と思ってしまい、もっと強調された表現をしたいと思ってしまうかもしれません。今回の撮影で最初にファインダーを覗いた時にもある種の「物足りなさ」を感じた事は事実です。しかし、ファインダーを覗き、被写体と向き合い、撮影距離による表現の仕方を工夫し、自分の足で動き、シャッターを切る。
シャッターを切れば切るほど28mmという画角の奥深さに驚かされました。35mmや50mmでは得られない広角感、緩やかな遠近感の強調。F2という開放値により中距離から近接時にボケを活かした撮影ができる。コンパクトで速写性も高く、リーズナブル。風景・人物・テーブルフォトとジャンルを選ばない万能画角。
もしかするとこれからカメラを始めるという時、最初の1本として選ぶレンズに一番適当と言えるかもしれません。
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28人の28mm編とF2.8編でお送りしております!少しでも興味を持っていただけたら幸いです。