「ニハチ」
カメラ業界でニハチと言えば28mmかF2.
本ブログでは、マップカメラの28周年をニハチとかけ、
毎日28mmかF2.8のどちらかが掲載されますので、
本日ご紹介する「ニハチ」は… 『TTArtisan 28mm F5.6』です!
今回は最高のスナップシューターレンズ、TTArtisan 28mm F5.6についてお話しさせていただきたいと思います。
TTArtisanは中国のシリコンバレーと呼ばれる都市、深圳(シンセン)に本社を構えるレンズメーカーです。
軽量・コンパクトで手頃ながらもしっかりとした画質のMFレンズを作成し、一昔前までの中華系レンズに対する評価を塗り替えたメーカーでもあります。
50mm F0.95など、スペック的にも目を引くレンズを作っているなか、私のお気に入りは28mm F5.6。
まずレンズ単体で見た時に非常にコンパクトなのが良いです。他社のパンケーキレンズの追随を許さない19mmという薄さ。そしてそれをLeicaに付けた時のコンパクトさがまた良いのです。
そして28mmという広さ。24mmではなく28mmというのがミソです。
24mmほど広すぎず、それでいて適度に広いので「写り過ぎてしまう」ということがありません。
一番大切な描写の部分ですが、広角を広角と感じさせないこの歪みのない描写。
大満足です。
ボディはLeica M10Monochromに付けることが多いです。
F5.6というのはお世辞にも明るくはなく、28mmという画角は時に広すぎてしまうこともあります。
M10Monochromの高感度は非常に優秀で、ノイズは出ますが「適度な粒状感」を与える程度に過ぎません。
ISO3200に設定して夜の街を撮影してみるとあら不思議、高感度フィルムで撮ったような心地よいノイズが出てきてくれます。
また、4000万画素もあるのでクロップ耐性も十分にあります。何かをクローズアップしたい時が来ても大丈夫。
そう、M10モノクロームとTTA28mmなら。
鬱蒼とした森の中に光が射していました。
陽が当たった木、影になっている木、奥にひっそりと隠れるようにある神社。
28mmならそれらを過不足なく描ききってくれます。
モノクロは色情報を捨てる代わりに、物の質感や光の表現をより前面に押し出してくれる印象があります。
今年は梅雨明けも早く、休みの日に土手沿いをふらりと歩いていると入道雲が見えるようになりました。
モノクロで撮って最も楽しい物の1つが雲だと思っています。
階調の塊である立体的な雲は見ていても撮っていても飽きません。
水平線を、歪みなく。これがこのレンズの実力です。
ハイライトの中に溶けていく木々も非常に美しいです。
あまり大きなボケは狙えませんが、見た通りの景色をそのまま記録に残したいという私の希望にはぴったりです。
最後にはなりますが、7月5日に本レンズのブラックペイントモデルが発売されました。
ペイント特有の艶感が苦手で敬遠していましたが、実物を見るとM11の様なマットなブラックペイント!
デモ品をM10Monochromボディに付けてみましたが、見事なマッチングです。
使い込んでいくほどに塗装が剥がれ、味が出るブラックペイントもお勧めです。
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28人の28mm編とF2.8編でお送りしております!少しでも興味を持っていただけたら幸いです。