【マップカメラコレクション】ローライフレックス 2.8F
FRANKE & HEIDECKE ローライフレックス 2.8F 1960年~製造 撮影レンズ: カールツァイス プラナー80mmF2.8 または シュナイダー クセノタール80mmF2.8 ビューレンズ: ハイドスマート80mmF2.8 シャッター: シンクロコンパー B・1~1/500秒 大きさ(mm):112X105X148 重さ:1,220g
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二眼レフは、フィルムカメラの中でも、今もなお人気の高いジャンルです。二眼レフカメラは、ファインダーに像を結ぶビューレンズと、フィルムに像を結ぶ撮影レンズを、それぞれ上下に配置させ、ピント合わせの再、同時に前後させることにより、一眼レフと同様、正確なピント合わせをすることができます。 この縦に2つの眼を持ったカメラは、一般的な35mm一眼レフと比較してみるとは大きく違う2つのポイントがあります。 1つめは、ファインダーはカメラの背面ではなく上面にあり、ピント合わせをする際には、撮影者が下を向いて撮影をします。 2つめは、シャッターが、フィルムの直前にある形式ではなく、レンズとレンズの間にシャッター羽根があるレンズシャッターという形式となっているのに加えて、シャッターレリーズ時にミラーが跳ね上がる動作ががないため、シャッターを切ったあとのあの「ガシャ!」という大きな音がありません。そのおかげで、ぶれも起こりにくくなっています。 それらのポイントをうまく利用すると、スナップやポートレート撮影で他の形式のカメラよりも威力を発揮します。 一眼レフで撮影する際(他の殆どのカメラで撮影するときもそうなのですが)被写体の方を向いて撮影します。これは写真を撮られ慣れていない人や動物なんかは妙に意識してしまいがちです。撮影をする人が下を向いているだけで意外と「こっちを向いていない」と思わせるもので、よりリラックスした状態で撮影することができます。 あと、シャッター音ですが、1m位離れるとシャッター音はほとんどわかりません。屋外の撮影になりますと外の音もあって聞こえない位ですので周りに気付かれる事なく撮影することができます。 強いて気付かれることがあるとすれば、男性だったら「めちゃカッコイイ」、女性だったら「めちゃカワイイ」と思われることぐらいですかねぇ。このカメラを知らない方ならなにやら訳のわからない黒くてごつい物を上から覗いてる位にしか見えませんからねぇ。異様です。異様な光景です。ローライフレックスを愛用した有名な写真家にエド・ヴァン・デル・エルスケンがいますが、彼の50年代にサン・ジェルマン・デ・プレで撮られた自写像なんて、その異様さが「めちゃカッコイイ」。 現在でも二眼レフが多くの方に愛されているのはおそらく、その撮影スタイルもさることながら、ボタンを押せば簡単に写真が撮れる今の電子的カメラとは全く違う機械的な連動の中で、手間をかけ、時間をかけて1枚の写真を撮る。こういった一連の流れに一種の癒しを感じられるからではないでしょうか。 今回ご紹介した『ローライフレックス2.8F』は、現行機の「ローライフレックスFX」とほぼ同じ構造ではありますが、細かなところのメカニズムに対するこだわりは、機械式カメラの全盛期に作られたものだけに、「まったく別物」と評価する方もいらっしゃいます。 現行のローライフレックスFXと違う点をあげると、、、 1、ピントフード側面にある、「素通しファインダー」は現行と同じですが、2.8Fでは、その接眼部のやや下にあるレンズより、ファインダースクリーンが覗け、なんとそこでピント合わせが可能。 2、絞り値に合わせて被写界深度がピントダイアルに、機械的連動によって表示される。 3、通常ローライフレックスは、120フィルム(12枚撮り)のみ使えることができますが、モデルによっては、220フィルム(24枚撮り)と切り替えて使用出来るモデルもあります。 4、さらに、もっとも特徴的な機構として、巻き上げると自動的に一コマ目にセットされる「オートマット」があります。 ローライフレックスでは「ブローニーフィルム(120/220)」という幅が6センチほどのサイズの大きなロールフィルムを使用します。ブローニーフィルムは、裏紙といわれる遮光用の紙とフィルムを同時に巻き取り軸に巻いた簡単な構造になっています。ロールの最初の数十センチは、構造上、露光してしまいますので、フィルムがついておらず、裏紙だけの巻きになっています。そのため、従来は、フィルム交換ごとにフィルムの開始位置を目視してあわせる必要がありました。 「オートマット」は、フィルム装填部の近くには2つのローラーが設置されており、そのローラーの間を通るフイルムのわずかな厚みを機械的に感知してフィルムカウンターを1コマ目に自動的にセットするという驚異のメカニズム。薄いフィルム一枚の厚みで機械的に動作させるなんて、凄まじい工作精度です。
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