【マップカメラ鉄道倶楽部RailMap】上田電鉄別所線
今回は初冬の上田電鉄別所線へ行って参りました。
上田電鉄別所線は上田市と別所温泉駅の11.6キロメートルを結ぶ全線単線のローカル線です。
開業は1921年で、これまで多くの湯治客を別所温泉に運んできた歴史のある路線ですが、経営状態は苦しく現在も設備改修の財源を得るために上田市に財政支援を要請しており、常に存続問題の論議が絶えない路線でもあります。
東京急行電鉄から譲り受け、今年の8月から導入された1000系。
2編成あるうち一方の1000系は、画家の原田泰治さんの絵でラッピングされた「自然と友だち1号」として走っています。来年1月には「2号」も登場予定だそうです。
1000系の車内(左) 車内の料金表示はなんと二連のLCDモニターでした(右)。
「自然と友だち1号」は車内にも原田さんの絵が飾られ、乗客の眼を楽しませています。
こちらはラッピングされていない方の1000系(1001/1101)。トップナンバーの車両はオリジナルで残して欲しいというファンからの希望で、こちらはラッピングが見送られました。
青空の下をゆく1000系。
昨年までの主力車両7200系。2005年からは1986年まで走っていた丸窓電車にあやかり、シールで側面の一部の窓を丸くラッピングし、旧上田丸子電鉄色であるクリーム色と紺色の塗装で走っています。愛称は「まるまどりーむ号」です。
終点の別所温泉駅は往年の歴史を感じさせる木造駅舎です。さすがに整備も行き届いており旅情をそそります。その他別所線沿線には旧い木造駅舎が2駅残っていますが、こちらはやや改修が遅れている印象です。ノスタルジックな木造駅舎は全国的にも貴重なものであり、是非整備存続してほしいものです。
別所温泉駅構内
別所温泉駅に留置されているモハ5250。整備もされず雨ざらしの状態ですが、往年の丸窓電車の実物を見ることが出来ます。
今回上田を訪れた理由は、8月に東急から導入した1000系に会うためでしたが、期せずしてその1000系がラッピング車両として市民に親しまれている姿を見ることが出来ました。別所線は様々な存続運動や再生計画の成果によって、ここ数年は微増ながら乗客数が増える傾向にあります。単なる輸送機関ではなく、観光客や地元の人達に親しまれる路線としてますます元気な姿を見せて欲しいと思いました。
【撮影機材】
キヤノンEOS KissDigital X
EF-S17-85mmF4-5.6 IS USM
EF70-200mmF4L IS USM