二眼レフは、いかがですか?! その28
ローライ3.5Fと歩く(さまよう)秋の京都!(後編の1)
前回の前編、かなりの長さになってしまいました。 こんなだらだらした文章、誰も読んでくれないんじゃ… 不安は尽きませんが、後編もだらだらいきます…
前回は、長かった割にカメラの話があまりありませんでした…(…って、ダメじゃん)ので、今回はカメラ的お話から…
今回持っていったローライフレックス3.5F(プラナー)のフォーカシングスクリーンには、アメリカ・フレンネルオプティックス社製のインテンスクリーンが入っています。 これは、特殊加工により従来のスクリーンより明るいファインダー像が得られるもので、ローライ用以外にも、ニコンF3用やマミヤRZ67用・ライカR用など様々なものが作られていました。 どのくらいの明るさかというと、下のような具合。
右がローライ製のもの、左がインテンスクリーン。 下地の透け具合からして違います。
ローライ製。
インテンスクリーン。 四隅まで明るく見えます。
ローライ製のスクリーンも、古いローライや日本の二眼レフに多く使われていたすりガラスのスクリーンよりは、はるかに明るいのですが… 昔のものはよく「井戸の底をのぞくよう」なんて表現されていたように、中心部がやっと見えるくらいの本当に暗いスクリーンでした。(それはそれで、とてもノスタルジックな気分になり面白いですけど。) インテンスクリーンの明るさは、感動ものです。 シャッターを切らずとも、スクリーン上の景色を眺めているだけで、幸せな気分に浸れます。 現在日本では、ローライフレックスF用は中古で手に入れるしか入手方法はありません。 新品の最終価格は35000円くらいになっていましたが、中古の価格はまちまちです。 でも見つけたら、是非手に入れておきたいアイテムです。
…と、またまた長い前置きの後、ようやく3日目のスタートです。 11月23日、この日の天気予報は雨。 所によっては雷雨という悲しい予報… 実際、いつ降り出してもおかしくない空模様。 昨日、青空の下の紅葉は堪能できたので、今日は紅葉は諦めプランBに移行。 滋賀の琵琶湖方面へと足を伸ばしました。
琵琶湖もまだきちんと見たことなかったんですよね。 やっぱり遠いイメージがあったのですが、京都からJRの快速で1時間あまり。 …とはいえ、列車からはあまり湖は見えませんでしたが… 着いたのは高月駅。 歩いていける距離に、国宝の十一面観音立像を祀った向源寺があります。
駅前からきれいに整備された道をたどりお寺に近づくと、何やらお経が… …お寺の前のお宅で、お葬式が営まれていました… お坊さんほか数名の読経と鐘の音が響く中、厳かな気持ちになりながら門前に… …写真撮りづらい…
境内に入っても人がまばらで、いよいよ有名な十一面観音に会えるのかとわくわくしながら、本堂横の受付で拝観料を納め宝物庫に。 でも前に置かれた靴箱には大量の靴が… …??…自動ドアが開くと、目の前にはあふれんばかりの人… 奥に十一面観音は確かにいらっしゃるのに、その前に立ちはだかる人々、100人はいるかも… みな住職の説明を聞いていました。 仕方なく入口で待つことに。 どうやら、お寺の裏にツアー用の大型バスが止まれる駐車場があるようです…
説明が終わり、人々がもう一度観音様を拝む流れに沿って、ようやく近づくことができました。 彼らが出ていき空いたかなと思っていると、住職が再びマイクで、「次の団体さんは16名ですか、ではほかの方たちが出ていかれたら説明始めましょうか…」 …やだ! 来たばっかだもんね!! ほかの人たちも同様の思いだったようです。 誰も出ぬなか、住職の話。 「今回の団体さんは運がいい。 午後にはバス5台来る予定なんですよ。」 ひぇ~、さすが国宝!
肝心の十一面観音様は、周囲をぐるっと回ることができ、11面全部のお顔と美しい立ち姿を鑑賞することができました。 …でもやっぱり人がなぁ… いつかオフシーズン(ってあるのかな?)に、もう一度ゆっくり来たいなぁと思いつつ、名残惜しいのですが退室しました。
本堂も拝観し門まで戻ると、しめやかに出棺の時でした。 …なんか、俗世とあの世との挟間にまぎれたような、不思議な感覚を味わうことになりました…
高月には、ほかにもいい仏像があるとのことですが、今回は次の予定を優先し、列車で来た道を戻り彦根に。
そう、彦根城です。(…って、今パソコンで変換したら「彦根嬢」になった… んな、あほな…) でも、お城を観る前にお昼を。 お堀をぐるっと回り、お土産物屋さんの並ぶ通りに出ると、さすが休日、かなりの人通りでした。 あえて行列のできているところに並び、親子丼を…
今回の旅行で一番贅沢な昼食。 手前の猫は、招き猫専門店でゲットしたもの。 スクリーンの説明で使った猫と同じ作者さんの手によるものです。 彦根は招き猫発祥の地だとか… 招き猫好きにはたまりません…
満腹になり、やっとお城へ。 …といっても、お城マニアではないので、さらっと観ただけですが…
(ローライフレックス3.5F・プラナー75mmF3.5 フジ・プロビア100F)
お目当ては、こっち。
ところが、時間になって登場場所に行くと、すでにすごい人が…
アナウンス「ひこにゃんは、今この中にいます! お並びいただければ、お時間はかかりますが、必ず会うことができます!」
……ひこにゃん、十一面観音以上の人気ぶり… …どうする、並ぶか? 大の大人が、独りで、ひこにゃんのために並ぶか? ……後の予定もあるし、今度にしよう。 ひこにゃん、次は必ず…
十一面観音に続き、ひこにゃんのおかげで、琵琶湖再訪が私の中で決定づけられました…
そして、次の予定地へと向かいます。 彦根から近江鉄道本線に乗りました。 「鉄ちゃん」ではありませんが、地方の列車に乗るのはウキウキします。 1両編成の列車が動くと、大きなモーター音でアナウンスが聞こえません。 不安になりながらも乗り換えを間違えずに、今度は2両編成で目的地 豊郷駅に到着。
(ライカM3・エルマリート28mmF2.8 コダック・エリート100) 無人駅です。
駅で降りたのは、私のほかは地元の方と思しき人のみ… 駅から目的地と向かう途中、地方でよく見られる子供の飛び出し注意を促す看板がいたるところにありました。
ん…
やっと、目的地、旧豊郷小学校へ。
(M3) おや…
(M3)
すでに廃校になっていますが、地元の公民館的役割を果たしているようで、中は大変きれいです。
階段には、ウサギとカメの像が… …どこかで見たことあるような…
(3.5F フジ・プロビア400X)
(3.5F)
…ここまでで気が付いた人いますでしょうか? 実はここ、アニメ「けいおん!」で主人公たちが通っていた学校のモデルになったところなんです。 琵琶湖周辺のガイドって少なくて、ネットなどであれこれ調べていたら偶然出てきたんです。 いろいろ見学できることを知り、マニアではないんですが、話の種になると出向いてみました。 同僚にファンもいるし… …ふふふ、自慢しちゃおう…
(3.5F) 教室の中には、こんなセットも… う~ん、なんか楽しくなってきた…
(3.5F) おじさんなんですが… でも、楽しい…
隣の部屋をのぞいてみると…
(3.5F) 一瞬どっきり… かぶりものをかぶっていたのですが… でもホントびっくりしました…
小さな舞台があって、ファンの人たちが演奏するらしいです。 残念ながら終わった後でしたが、ちょっと聞いてみたかったかも… 帰る前に2教室ともきれいに掃除していました。 すると、「それローライですよね?」 振り返ると、私と同世代の方… 「あ、はい…」 「すごいですね、いくらくらいするんです?」 「えっと、今なら15万くらいですかね…」 「へぇ、いいなぁ… そういうクラシックカメラだと写真撮るのも楽しいでしょう?」 「ええ、まぁ…」 ここの方なのか、演奏していたグループの子たちとも気軽に話しています。 その後も、この学校が創立から75年も経つことなど教えてくださいました。 私はというと… (クラシックカメラに興味がおありなら、是非マップカメラにお電話ください。 いい品いっぱいありますよ!) …と、心の中で大いに宣伝し、お別れしました。
せっかくなので、加わってみた…
思いのほか満喫しましたが、気がつくと外は夕焼け… 帰りの電車も気になるし、ここらで後にしましょう…
この学校、前に大きな駐車場があって、ほとんどの人が車で来るようです。 帰りも真っ暗になったホームで1人ポツンと列車を待ちました…
帰りは、近江八幡駅まで行きJRに乗り換え、かなり遅くなりましたが、無事3日目人気者を巡る旅、終了… と思いきや、もう1つサプライズ。
今回の旅行、京都に3泊したのですが、3連泊ではなく、最終日だけ別のホテルにしました。 3泊目のホテルは大浴場付き。 やっぱり広いお風呂に入りたいよね(本当は3泊ともこちらにしたかったのですが空いていず…) 夜チェックインすると、フロントで「本日、宿泊者数の関係で、お申し込みいただいていたものより広いお部屋に変更になりました。 追加の料金等はいただきませんが、よろしいでしょうか?」 「…あ、ええ、いいですよ。」 あくまでも冷静に、ま、たまにあるよね…くらいの感じで。 (…ラッキー!!) ルームキーをもらい、エレベーターに乗り込むと… なんと、最上階! 明らかに各部屋の間隔が広い廊下を渡り、部屋を開けると…
ダブルベッド、ドーン!
避難経路図で確かめると、角に一番大きな部屋があって、その次クラス… う~ん、いいのか? …っつうか、どうせいっていうだ、こんな広いベッド…
結局、その晩は1人でずっとゴロゴロしていました… ゴロゴロ…
続く… …だぁ、まただらだら書いてしまった… 終わらなかった… すみません、次回、後編の2です。 そんでもって、次回、このコーナーの最終回です! (文責・イット)