二眼レフは、いかがですか?! 番外編①
こんにちは、久々に本編を再開させた矢先にスピンオフ登場です。
本編をダラダラと続けているうちに、二眼レフがどんどん増殖してきました。 いろんなお店のショーケースで珍しい子と目が合うと、ついつい連れて帰ってきてしまうんですよね。(勿論、カメラの話です。) 気がつけば、その数、○○台… いや、怖くて数えるのやめてます。 ただ、とにかく場所食う… 本当に部屋中ゴロゴロしています。 本編で紹介していない子もいっぱいいますし、双子や三つ子まで…
まぁ、そんな子たちを紹介する機会が増えればいいかな、という親心?と、お客様に「どう違うの?」とか「どれがいいの?」なんて聞かれた時に少しでも有益な回答ができればという、非常に感心な仕事意識のもと(でしょ、でしょ)、始めてみようかなと思い立った企画なわけです。
…ええ、いたって真面目な企画です。 本編の流れでクリックした方には、正直つまならい内容かと… …だってそうでしょ、スピンオフが本編より面白かった試しがありますか? そうやって手を広げて失敗した例が、どのくらいあることか…
……で、内容ですが、気になる機種(レンズ)の撮り較べです。 撮影場所は、自宅とその周辺。 考えてみてください。 人通りの多い所で、二眼レフ2台を首から下げ、1枚撮っちゃ、もう1台、なんて出来ますか? 怪しい人に思われること間違いなし。 そんなわけで、近場です。
また、雑誌企画などと違い、測定機械やカラーチャートを使ったスタジオ撮影なども出来ません。 アマチュアカメラマンが普通に撮影して、どんなものかなと見るだけです。 おまけに古い時代のカメラで、レンズの状態やシャッター精度なども1個体ずつ異なりますので、あくまで参考までにというお断りをつけなければなりません… ……大丈夫か、この企画?
……あぁ、まぁ、始めましょうか…
第1弾は、ローライコードを取り上げてみました。
1933年通称「金ぴかコード」といわれるⅠ型に始まり、最終モデルⅤb型が1977年まで続いた、ローライ二眼レフの廉価版モデルです。 撮影レンズとして搭載されたのは、カールツァイス イエナの3枚玉トリオター75mmF4.5、同F3.8、F3.5 の他、シュナイダーの4枚玉クセナー75mmF4.5、同F3.5など。 Ⅲ型まではトリオターとクセナーのモデルが存在しますが、Ⅳ型以降はクセナーのみになります。
今回の試写に用いたのは、Ⅲ型のトリオター75mmF3.5とクセナー75mmF3.5、ともにコーティングされたレンズです。 上の写真のようにレンズ以外は全くの同形。
では、試写です。
トリオター F3.5
クセナー F3.5
トリオターには、トリプレットレンズ(3枚玉)の特徴である、周辺が渦のように流れるボケが現れています。 画面上部や左側の葉っぱなど、クセナーと比較すると明らかだと思います。 上部奥の光源もひしゃげたそろばん玉型のボケに。 色乗りは、トリオターの方が若干濃い目に感じられます。
トリオター F5.6
クセナー F5.6
トリオターの流れるボケも、目を凝らさなければ分からないほどに改善されています。 というわけで、早くも区別が…
トリオター F8
クセナー F8
トリオター F11
クセナー F11
ほんの少し、トリオターの方が色が乗っているような気がする以外、違いを表現できません。
トリオター F8
クセナー F8
ここでも、青・緑ともトリオターの方が濃い色味を出しました。 周辺光量の落ちも目立ちますが…
トリオター F5.6
クセナー F5.6
背景も含め、線のシャープさはクセナーの方があるでしょうか。
う~ん、3枚玉と4枚玉の違いがもっと如実に表れることを期待していたのですが… ちょっと絞り込んだだけで、区別が難しくなってしまいました。 あえて使い分けるなら、開放時から見た目に近い表現が可能なクセナーレンズか、流れるボケの表現も含め、より濃い演出を楽しめるトリオターか、といったところでしょうか。
さてさて、今回のスピンオフ企画、1回目から早くも難局を迎えてしまいました。 初回でこれだと、次に予定しているプラナーとクセノタールの違いなんて… お~、もう既に企画倒れの予感が… おまけに今回も本編同様、フィルム代・現像代ともに自腹だし… く、苦しい… そんなわけでのノンアルコール…… 続くのか? 続けていいのか?!
とりあえず、続く… (文責・イット)