【タイムズフォト】傾斜角度何度?
こんな急な坂道を毎日上り下りすると思うと、それだけで運動不足の体にはこたえます。しかしここに暮らす人々にとっては日常のこと。犬の散歩も買い物も、すべてこの坂道を通ります。せっかくこの町に来たのなら、車もバイクも通らない細い道を、ゆっくりゆっくり上るのが醍醐味といえましょう。
ご紹介が遅れました、ここは広島県尾道市。広島市と岡山市のちょうど中間あたりでしょうか。瀬戸内海を臨む港町です。すぐ目の前に島が迫っているので、尾道水道ともいわれています。古くは交通・貿易の要所として栄え、富を得た豪商たちが、海岸に迫った山に多くの寺社仏閣を建造しました。今もそれら寺院群が数多く残され、住宅も所狭しと建てられています。
観光資源・寺。…平均年齢がぐっと上がる感じがしますか?いえいえ、最近は若い世代の方々がカフェを開いたり、家を改築して住居にしたりもしているのです。
さて坂道を行くのに欠かせないもの―それは歩きやすい靴と水、それにめげない気持ちです。
だいたい30分くらいで山頂の「千光寺」に辿り着きます。とはいえ「散歩程度」と侮るなかれ。傾斜角度何度なんじゃ!とめまいのしてくる難所がいくつかあります。山頂へのルートは数通りあるので、駅前の観光案内所でマップを入手しておくとよいかもしれません。ルートによっては志賀直哉の旧居などもあり、「文学のこみち」と名前がついていたりも。
だんだん息切れがしてきたら、さあ後ろを振り返ってみて下さい。ただし、足場の安定した段の上で!
よう住むわーと毎度感心の坂。
私が訪れたのは全国的にも2月の最高気温を記録したくらい暖かい日で、汗を乾かすゆるい風を心地よく感じました。
さあさあ着きましたよ山頂に!
この展望台に上れば、電線や木々もない、港から四国まで続く島々と橋の風景があなたを待っています!
そう、上れば。
…私は見慣れているもので今回は上りませんでした、すみません…。
それでもこのくらいは見えます。
山頂の千光寺公園内には、市立美術館があります。
2003年に安藤忠雄氏設計でリニューアル。伝統的な瓦葺屋根の建物と、安藤氏によるコンクリート打放しの新館が融合した面白い建物です。
安藤氏と言えば、コンクリ。
桜の季節にはこの周辺でビール飲むのがいいんだよなあ、えへへ。思い出して頭の中が春になりました。
もうひとつお楽しみ。
ひいひい言いながら上ったこのルート、じつは3分で下りられます…。もっと言えば、上りも3分で。
そう、ロープウェーがあるのです!お子さま連れや足に自信のない方も安心♪そして元気な方にも。単純に乗り物って、おもしろいですからねー。
今回は帰り道急ぎの用があったもので、下りで使ってみました。
必ず一人添乗員の方が同乗して、3分間の尾道案内を聞かせてくれます。
むろん高いところが無理な方にはおすすめしかねます。
ロープウェー乗り場を降りてガード下をくぐり、信号を渡れば商店街につき当たります。空かせたおなかは名物の尾道ラーメンやワッフルで満たしてくださいませ。
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