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【タイムズフォト】北関東建物採集紀行 第2弾!栃木県栃木市

大量のポジスキャンに追われ、苦労するのをわかっていながら、フィルムカメラを持ってまたまた行ってしまいました。
「北関東建物採集紀行」第二弾です。

さて今回のターゲットは江戸と日光を結ぶ「例幣使街道」沿いに発展した下野国の商都「栃木県栃木市」です。
川越市、深谷市と実際に自分の目で見に行って
「歩けば歩くだけカッコいい建物が現れる」という状況を目の当たりにし、私は思いました。
「埼玉県内の川越や深谷でこれだったら、より北方の、東京の衛星都市化の進んでいない地方都市ならもっとすごいのでは?」
そして調べを進めるうちに見つけたのが長い黒塀の豪壮な商家と川舟の写真。
調べてみるとどうやらそれがあるのは栃木県栃木市。

「栃木市?聞いた事ないな。だいたい栃木の県庁所在地は宇都宮だったはず。」と、いろいろ検索してみると・・これは想定以上の大当たりな感じ。だったら行くしかありません。

今回も当然銀塩レンジファインダー。
いつものキヤノンのLマウント35mmf2.8に代えて新導入のフォクトレンダーウルトロン28mmf1.9、細部クローズアップ用のエルマー90mmf4に加えてズミター50mmf2、ボディは変わらずBessa R2とLeica IIIc。
そしてこちらも新導入。移動用の16インチ折りたたみ自転車 CHEVROLET FDB166(中古) 命名「ヴァランティーヌ号」です。


Leica IIIc Summitar 50mm f2.0 TREBI100C

車をパーキングに停めてヴァランティーヌ号を下ろし、まずはネットで最初に目にした黒塀の豪壮な商家を目指します。地図を見ながら走る事数分「木材回漕問屋 塚田家」にあっさりと到着。


Leica IIIc Summitar 50mm f2.0 TREBI100C

この川は巴波川(うずまかわ)と言います。塚田家は巴波川の舟運を生かし江戸後期から木材回漕問屋を営んできた豪商。長さ120mに及ぶこの黒塀は栃木市を象徴する景観。


Voigtlander Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

青空と黒塀、白壁土蔵そして川舟。絵になる要素は揃っているのですが残念な事にアンダーにしてしまいました。(最近のお出かけはいつも晴天に恵まれるのですが、実は晴天の日中は撮り慣れていないのです。)

塚田家から北に進むと今度は川と言うよりは水路のようなものが。
この水路は「県庁堀」と呼ばれる掘割。実は明治16年までは栃木県庁はこの栃木市に置かれていました。

Leica IIIc Ultron 28mm f1.9 TREBI100C


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C
掘割の内側に建つ栃木市役所別館(旧栃木町役場)
大正10年築の木造洋風建築。1階は板張り、2階は柱や梁などの構造体を表に出した「ハーフティンバー様式(木骨様式)」と呼ばれる工法。
これは中世ヨーロッパ由来のもので、大木の少ないヨーロッパにおいて短い木材を使って建てる為の建築方法。
屋根は前回の「深商記念館」同様瓦葺のようです。
現在でも市役所の別館として使用されているだけあってとても綺麗な状態です。


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C
県庁堀と巴波川は幅2mくらいの水路でつながっています。
水路沿いに再び巴波川沿いへ。水路と巴波川の交わる地点に建つ石造りの大きな蔵。


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C
明治時代、麻問屋と銀行を営んだ豪商 横山家。
建物の両側に石造りの蔵を備えた両袖切妻造(りょうそできりづまづくり)と呼ばれる建て方で、ほかにあまり例を見ないもののようです。


Leica IIIc Summitar 50mm f2.0 TREBI100C

蔵は栃木県鹿沼で産出される深岩石で作られています。
そういえば前回の深谷市にも地元「日本煉瓦製造」産の赤レンガで作られた蔵がありました。


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

水路に面した荷揚げ口。川舟で運んだ荷物をここから陸揚げしていたのでしょうか?
水路には大きな鯉がたくさん泳いでいます。

ヴァランティーヌ号を駆って再び大通り方面へ戻ります。
走行しながら気になる建物を見つけては降りてカメラを取り出し撮影、というスタイルをとったのですが、初めてなのでなかなかリズムをつかめません。
(普段はストラップを手に巻きつけて常にスタンバイ状態で歩いているので。)
首からカメラをぶら下げて走ればいいのかもしれませんが・・やはりちょっとこわいです。
タイヤが16インチと小径なのであまりスピードは出ませんが、徒歩に比べれば格段にラクです。

善野家土蔵 通称「おたすけ蔵」江戸末期の建築。
建築する事によって金銭や食糧などを放出し困窮者を救済する事を目的とした蔵なので「おたすけ蔵」と呼ばれています。

Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

栃木市のメインストリート。今回の最大の目的である洋風店舗建築の宝庫です。
ヴァランティーヌ号を銀行の駐輪場に停めさせてもらい、28mmをつけたR2を片手に歩きます。かばんの中のIIIcには9cmエルマーを装着。建物の一部など気になるモチーフがあれば出番です。


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

旧安達呉服店 大正11年築の木造洋風店舗建築。
屋根は勾配の付いた台形で銅板葺。ドーマ(明かり取り)があり、さらにはバルコニーも。

Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C
Leica IIIc 90mm f4 TREBI100C

気になるモチーフを見つけ、IIIcを取り出しズミター→エルマーと交換しながら撮影。
正面には細かな意匠が施されています。ドーマにはまったステンドグラスに描かれるのは梅の花、その下にはニ引両紋。全体的には洋風なのですが細部に和風のテイストが見られます。
このIIIcで撮った写真、直前に明るいところでレンズを交換してしまったので少し感光してしまっています。(ステンドグラス写真の左下の部分)


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

旧関根屋店舗
こちらも大正11年築の木造2階建て木造洋風店舗建築。
屋根の上のパラペット(腰壁)が特徴的。外壁は煉瓦風、縦長の上げ下げ窓など、より洋風要素の強い建物です。
隣の土蔵店舗建築(見世蔵といいます)とのコントラストが際立ちます。
旧安達呉服店も含め、建築当時は相当目立ったのではないでしょうか?


Leica IIIc Summitar 50mm f2 TREBI100C
Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C


Leica IIIc Summitar 50mm f2 TREBI100C


Bessa R2 Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

そこここに点在する魅力的な建物。そしてそれらをつなぐ川と水路。
今回栃木市で感じたのは町全体の雰囲気の良さ。


Leica IIIc Ultron 28mm f1.9 TREBI100C

蔵造りや洋風店舗建築の密集度は川越ほどではなく、川越の「第八十五銀行本店本館」や「時の鐘」のような大きなランドマークもありませんが、ゆったりとした広い歩道、川沿いの散歩道など徒歩や自転車で見てまわりやすい町並みの広い範囲に魅力的な建築物が散らばっているというのが栃木市の印象です。
そして巴波川や県庁堀、川舟による、ちょっとした「水の都」的な雰囲気は川越にはないものです。

ネットで探して「コレいい!見てみたい」と思った建物。どれも実際に見に行くとモニター上で見るよりずっと魅力的でした。(今までの経験ではほぼ100%そうです。)
そんな建物との出会いを味わうには、私にとって銀塩レンジファインダー機の面倒くささがちょうど良いように感じます。

今回はじめてレンジファインダー機で28mmを使ったのですが、外付けのファインダーがなかったのでPanasonic LX3用の外付けファインダー(24mm)DMW-VF1を流用。お買い得で、なかなかおすすめです。

次はいつになるのかはわかりませんが、また魅力的な建物を「採集」しに行きたいと思います。

Bessa R2



今回の使用機材

LEICA IIIc


LEITZ Elmar 90mm f4


LEITZ Summitar 50mm f2


Voigtlander Bessa R2


Voigtlander Ultron 28mm f1.9


EPSON GT-X770(ポジスキャン)


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[ Category:etc. | 掲載日時:10年10月08日 13時20分 ]

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