【マップカメラ鉄道倶楽部RailMap】小海線(八ヶ岳高原線)
猛暑全開の都心にしばしの間さよならをして、高原の風が心地よい小海(こうみ)線の撮影に行ってまいりました。
小海線は中央本線の小淵沢(こぶちざわ)駅から、避暑地として有名な清里駅を経て、長野県の小諸まで達する非電化ローカル線です。また小海線はつい先日、7/31に世界初のハイブリッドカー・キハE200が導入されたばかりで、高原の自然と一緒に最新鋭の車両を堪能しようとやってきた、多くの鉄道ファンの姿を見かけました。
大曲を走行するキハE200
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF-S17-85mmF4.5-5.6 IS USM
小海線は始発駅の小淵沢駅を発車してすぐ、大きく弧を描くようにして右に180度方向を転換します。通称大曲(おおまがり)というポイントですが、言ってみれば隣駅の甲斐小泉駅との大きな標高差を緩和するためのスロープのようなものなのです。大曲は雄大な八ヶ岳を背景にして走行するため、小海線撮影のメッカになっています。
野辺山~清里駅間にて
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF-S17-85mmF4.5-5.6 IS USM
SONY Cyber-shot DSC T9
キハE200の車内。とても清潔でモダンな印象です。手前はトイレになっています。ボックスシートが4人掛けと2人掛けの非対称ですが、4人掛けのほうが八ヶ岳に面して走行します。どうもつり革に見覚えがあると思ったら、中央線快速電車のE233系と同じでした。
SONY Cyber-shot DSC T9
小海線はJRの最高標高地点を走行する路線としても有名です。当然ながら停車駅も最高標高なわけで、電波天文台で有名な野辺山駅にはこんな看板がありました。
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF-S17-85mmF4.5-5.6 IS USM
野辺山駅と清里駅の間にある最高標高地点はちょっとした観光名所になっています。
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF-S17-85mmF4.5-5.6 IS USM
最高地点になぜか鉄道神社です。とりあえずお賽銭を入れておきました。
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF70-200mmF4L IS USM
どうもハイブリッドカーばかりがもてはやされていましたが、現役のディーゼルカー・キハ110もしっかり走っています。カラーリングが地味な分、むしろ環境に優しそう?
大曲にて
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF-S17-85mmF4.5-5.6 IS USM
雄大な景色に飲み込まれそうになりながら、ゆっくりと大曲の坂を上るキハ110。ぜひ紅葉の季節にまた来たいと思いました。
余談ですが、前のキハ110の写真の真ん中に「ゴミ」みたいなものがあったの、気付きました?キヤノンの名誉に掛けて、念のため断言しておきます。これはトンボです!
野辺山駅にて
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF70-200mmF4L IS USM
キハE200は現行のディーゼルカー・キハ110と比べて10%程度のエネルギー効率向上と、有害物質の排出量マイナス60%を謳ったエコロジーな車両です。
キハE200のハイブリッドシステムは、自動車のように発動機と電気モーターの両方が駆動系に繋がっているのではなく、ディーゼルエンジンで発電した電力を屋根の上のリチウムイオン電池に蓄電し、電気モーターのみで走行します。そして停車するときには発電機をまわして運動エネルギーを回収する「回生ブレーキシステム」を採用しています。言ってみればディーゼル発電装置付きの電動車です。
そのためキハE200は、発進時のトルク負荷が最も大きくかかるときにも、駅周辺の騒音に配慮してディーゼル機関は停止しています。そして走行が安定し、駅から充分に離れたあたりで、発進で消耗した電力の補充と走行電力の確保のためにようやくディーゼル機関が動きだします。
また、10%程度のエネルギー効率は現行のキハ110との年式差を考慮すると、車両の軽量化やエンジンの改良でも達成できる程度と考えられますが、有害物質の排出量マイナス60%は、ディーゼル機関を使用している限り非常に困難なレベルだと思います。これはキハE200が、ディーゼル機関による駆動、特にトルク負荷の高い発進時のディーゼル機関駆動を廃止した成果であり、そこから考えるとキハE200ハイブリッド化の直接の目的は、エネルギー効率の向上よりも有害物質の削減にあったと見るべきなのではないでしょうか。