【タイムズフォト】早春撮影散歩(池之端編)
上野・湯島方面への撮影散策の続きです。
湯島天神の次に訪れたのは、春日通りを挟んで上野不忍池に近い旧岩崎邸庭園。
庭園といってもここは庭よりも明治29年に鹿鳴館などの設計を行った英国人建築家、ジョサイア・コンドル氏
によって建てられた洋館が有名です。
旧三菱財閥の岩崎家本邸に建てられたこの洋館は、木造2階建て地下室付きの本格的なヨーロッパ式邸宅ですが、
年に一回の岩崎の集まりや外国人、賓客を招いてのパーティーのみに使用されていたと聞くと、当時の財閥の優
雅さが伺えます。
館内の撮影は禁止されていませんが、壁や柱、建物全体が重要文化財に指定されているので、触れないように
する注意が必要です。
建物に入って最初に驚くのが扉の大きさ、天井の高さ。小さい日本人の家とは思えない開放的な造りで、すぐに
外国人の設計だと感じ取ることができます。
また階段ホールの柱や天井には細かい彫刻が施されており、ニスの結晶によって艶やかに輝いて見える彫刻は、
本当に木製なのか疑いたくなるくらい不思議な質感を放っています。
各部屋には暖炉があり、部屋を明るく見せる工夫なのでしょうか?その上には大きな鏡がセットになっています。
照明器具や壁紙にもちょっとした趣を感じなら奥へ進むと一際明るい部屋に出ました。
サンルームです。窓に覆われた明るい部屋に出ると外の寒さも忘れてしまいそうです。
脇に置かれた暖房器具にも細かい模様が。「家の中に置かれる物は全て美しくなければいけない。」という
拘りを見た気がしました。
庭側から見た洋館。広いベランダにも驚きですが、柵や柱の細かい装飾が施されています。
洋館の奥には普段居住空間として使用していた和館へと廊下が続いています。
確かに、こんな立派な洋館での生活は落ち着かないだろうな…と思うのは庶民的な考え?
全然違いました。和館も洋館を凌ぐ立派な佇まいで完成当時は550坪もあったそうです。
もはやお城と呼んだ方が良いかもしれません。
ただ洋館にいた時より気分が落ち着くのは畳のおかげなのでしょう。やっぱり日本人ですね。
寒さしのぎに立ち寄った旧岩崎邸。財閥の優雅な生活の一端に触れる貴重な体験でした。
それにしても前回、寒くても写真を撮りに行きましょうと偉そうな事を言って、室内撮影とは…。
撮影地:旧岩崎邸庭園
アクセス:東京メトロ千代田線 湯島駅より徒歩3分
使用機材:Nikon D700
AF-S ED17-35mmF2.8D