【マップカメラ情報】熱き時代の残り火を!「往年のキヤノンカメラ図鑑」
キヤノンと言えばいわずと知れた、日本、いや世界を代表するカメラメーカー、総合情報機器メーカーです。
かつては数多くあった「ライカコピー製造メーカー」のひとつに過ぎなかったキヤノンですが、「世界一の35mmカメラを作る」事を標榜し、ライカに先駆けて距離計とフレーム窓が一体になった「一眼式ファインダー」を採用するなど、単なるコピーではなく、取り入れるべきところは取り入れた上で、創意工夫を重ね、それ以上のものを作るという姿勢で数多くの「名機」を次々と輩出して行きました。
ダイキャストボディ、1/1000秒シャッター、1/8秒低速シャッター、ファインダー倍率を3段階に変更できる上に距離計も一体となった倍率変倍の一眼式ファインダーを備え、機能的にはLeica IIIfを凌駕した「IVSb」「IVSb改」、
1954年登場のあまりにも良く出来たLeica M3に対し、「フィルム巻上げトリガー/レバー」「開閉式裏蓋」0.4倍、0.72倍、1.4倍の3段階の倍率を切り替える事が出来る「変倍式ファインダー」で対抗した「VT」「VL」それに続く「VIT」「VIL」など。
「追いかけるべき存在」があり「追う者の勢い」に満ちていたこの頃のキヤノンのカメラを手にとってみると、その緻密な凝縮感、50年以上の時を経ているのが信じられないほどの品質感に驚き、そのレンズのシャープさにもまた驚きます。
欧米諸国に追いつけ追い越せで燃えていた、この頃の日本が生み出した製品には今でもその「残り火」のようなものがほのかに残っているような気がします。
この時期の踏ん張りこそが世界に冠たる現在のキヤノンの礎となったのではないでしょうか?
業種は違いますが、自社のラインナップに4輪車が無い頃から世界最高の技術を目指しF-1に挑戦したホンダ、時計の精度を競うスイスの「天文台コンクール」に殴りこみ、数年で並み居るスイスメーカーを圧倒し上位を独占したセイコー(諏訪精工舎、現セイコーエプソン)など、ともに世界最高レベルを目指した歴史を持つ企業の今の姿からも、そう言えるのではないかと思います。
その、「熱かった頃のニッポン」そのもののようなカメラを使って、今でも写真を撮る事が出来る。よく考えるとこれはなかなかスゴイ事です。
Canon VL2/Canon 7 50mm F1.8/135mm F3.5
DNP CENTURIA 100
EPSON GT-F520でフィルムスキャン
この一冊にはキヤノンの発足当時の試作機「カンノン」からレンジファインダー機シリーズ、一眼レフのRシリーズ、Fシリーズ、Aシリーズ、Tシリーズを経てEOS前夜のT90までのカメラが網羅されています。
往年のキヤノンカメラに思いを馳せ、そのうちのどれか一つを手にとって熱き思いの残り火を感じてみるのはいかがでしょうか?